11円だったから……(そんなんばっかり)。全3巻なのかな。作者さんの短編集地味に持ってた……。こういうの描くんだ。
まぁ表紙のとおり、今風のわかりやすい美少女キャラというわけではないのだが、それだけに落ち着いた兄妹ものとなっている。ラブコメにありがちな法律破りの結婚上等の行き過ぎたやつではなくて、「そうそう、これくらいの距離感がいいよね」という感じ。
一応飯漫画の部類に入ると思うが、正直あまり美味しそうではない。いやメシマズがテーマだからそれが正しいのか?ダイエット中でも安心して読んでどうぞ。以下1巻感想。
微妙な関係の歳の差兄妹
本作は兄妹ものだが、その距離感はちょっと生々しいものとなっている。恐らくかつては仲の良い兄妹だったと思われるが、学校社会でも優等生で着実に地位を上げている妹に対し、二十代の兄は芸人を目指してなんかよくわからんことになっており、社会的な立場の変化が兄妹間のパワーバランスを乱し、二人の関係を難しいものにしてしまったようだ。
よくできた妹に対して、兄はうだつの上がらない自分を見てやや卑屈になるところが見受けられる。一方で妹は、兄に対し強い態度をとり、家族とはいえ無神経にも思える言葉も放つが、その実兄に対して今なお憧憬の念が残っており、心の底では仲良くしたいと思っている。本作において、妹自ら兄に料理の教えを請うわけだが、これは対外的に料理ができないのはまずいという問題以上に、料理ならば兄を上に立てられる、というのが何より大きいだろう。芸人を目指す兄に対して、その夢を軽侮するような軽はずみな発言を時折してしまうのも、彼女の兄に対する評価が高いことの裏返しとも言える。
まぁそんな時、兄は内心イラッとしたり、時には余裕なく妹の言動を咎めてしまうこともある。二人はそれなりに歳が離れているものの、兄は所詮まだ二十代の若造、さりとて二十代、色々焦りを感じ始める時期でもあるという微妙なお年頃だし、まぁ仕方ないかな。
そんな時は兄妹揃って「やっちまった」と反省するわけだが、そんな感じで緊張感を走らせながらも、二人共相手のことを憎からず想っており、また素直さもあるため、なんだかんだ飯食って仲直りする例のアレ。
落ち着いているだけに
というような話の内容であり、兄妹ものとしてはかなり落ち着いた内容のため、ラブコメと言えるかは微妙なところだが、本作を好む人はラブコメ好きだろうなぁというような、そういう塩梅の作品だ。兄妹系が好きな人の中でも、兄妹仲が異常に近すぎるのはちょっと……という人はけっこういるだろうが、それならばこの二人くらいがちょうどいい、と思えるかもしれない。
とはいえ、ラブコメ的には味付けが薄いと感じられるのも確かではある。妹の友達が登場するが、この子の立ち位置が今のところよくわからない感じなので、この子の動き方次第だろうか。
しかし……2,3巻読むかなぁ……うーん……。
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