作・押切蓮介。ついに日高さんが表紙デビュー!と一瞬思ったけど、新装版だと4巻で既に表紙デビューしてるんよね。
でも大野と日高のツーショットはやっぱり「おおっ!」ってなるね。女の戦いくる??ワクワクする。そういやこんな大真面目な三角関係のラブコメついぞ読んでなかった。
でも普通に考えて、日高さん当て馬なんだけどねー……前巻後半が大野ラッシュだった反動か、本巻はまるまる日高攻め。心も体も成長したヒロインズに比べ、いまだ精神年齢が少年のハルオ、ゲームだけでは語れない男女関係にタジタジである。もうちょい頑張れ。
修羅場展開が続きヒリヒリするような空気の中、大野姉が一番癒やしなのであった。1巻から随分遠いところにきちゃったなぁ。以下7巻感想。
ザ・三角関係
こんなストレートに三角関係を描いたラブコメって、なんだかすごく久しぶりに読んだ気がする。今回、表紙から察せられるとおり、大野と日高が一時的ではあるがぶつかる…しかもハルオの部屋で↓。
うしろでススムくん状態の大野姉が素敵なのは置いといて、この修羅場的空気に同室の宮尾も息が詰まりそうになっている。あまりの空気に耐えきれず、この後宮尾と大野姉は部屋から退散し、それから始まる大野vs日高。気になる女子二人が、自分の部屋で格ゲーで対戦ってどういう状況よ。
が、いかにもゲームの体をした女の戦いでありながら、プレイ中、大野のテクニックに日高は圧倒され、矢口関係なく「ひとりのプレイヤーとして」大野に勝ちたいと思う。
一人の人間は複雑で、色々な側面を持つ。日高が恋愛だけではなく、ゲーマーとしてのプライドを持ち合わせていることを示したのは、単なるラブコメではない奥行きをこの漫画に与える。それは矢口と大野にも言えることで、夢中になれる何かが、人間としての深みを与え、それは作品そのものの深みにもなる……なるが、それは同時に、ゲームだけでは完結できない作品ということでもある。
ゲームでは語れない男女関係
もとよりそうではあった。最高のボーイ・ミーツ・ガールだった1巻でも、遊園地からの空港追っかけ、指輪プレゼントの流れと、ゲーム要素は重要なベースでありながらも直接介在しなかった。そこで描かれたのは、二人のダイレクトな関係そのもの。
ゲームはあくまでベースであって、最後の最後はゲームではない、生身の人間同士の関係に帰着する。それが端的に表れたのが、渋谷vs溝の口編で仲直りデートした後、帰れなくなった二人がファミレスで交わした会話だろう。
日高「ゲームの話でそらさないで」
性的な話を振る日高に対し、どこか幼さを残したハルオが、あくまでゲームの話に落ち着かせようとするのを、日高は艶かしささえ感じさせる表情で拒む。そして、このまま同衾したいとあからさまに仄めかす……。
捨て身や。捨て身で男女の関係を迫っている。これまでも、日高のアプローチは少しずつ過激になってはいたものの、まだ可愛らしい、ピュアの範疇だった。が、体の関係さえ厭わない姿勢にさすがのハルオも戸惑いを隠せない。
当然ハルオは日高のこの捨て身の特攻を受けきれない。ハルオはまだ小学生時代から本質的なところが変わらないでいる。一方の日高はあの頃のままではなく、やはり男より女のほうが成長が早いということか。
ハルオにしてみれば、状況の把握にいっぱいいっぱいで、それは拒絶ですらない選択だったけれど、日高にしてみれば一大決心の元に言ったことであって、実質的にフラれたと言って良い状態だろう。
どうみても日高は先走りすぎで、大野のことがなくてもハルオの性格上ホテルにいったとは思えない。だが、日高はハルオが大野に惹かれていることを痛いくらい知っている。このままいけば自分が選ばれることがないという危機感が、彼女を突き動かしたのだろうか。
そしてハルオは、ゲーム関係のない日高の熱情に圧倒され、どうしていいかもわからないまま、日高に一生のお願いだからギュッとしてと言われ、震える手で彼女を抱きしめようとしているところを、偶然(でもないか)通りかかった大野に見られる!というこれまたコッテコテだけど超気になる引きで終わり!
大野も日高ほどではないにせよ、日高を部屋に読んだハルオの足を踏みつけるなど、男女の情をハルオよりは意識している風である。こうなった以上、ハルオも子供のままではいられないわけだが、次巻からは泥沼修羅場編となるのか…?1巻の素敵ボーイ・ミーツ・ガールぶりを思うと、楽しみな反面寂しくもある。。。
素敵に成長した日高
それにしても、あの内向的で内気な日高がドSに成長したのはまったくもって感慨深い↓。
ハルオのブッサイクな負け顔を嬉しそうに眺める日高さん素敵です。魅力的な女に成長した日高が丸々楽しめた7巻、あの中途半端な感じでは引くに引けまい。ハルオはもうちょっと頑張れ。あと渋谷でナウい服買ってチョベリグな大野姉も素敵でした。
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