『陽下3姉妹はかまってほしい』3巻(最終巻)感想:義理近親のラブコメ浪漫が溢れていた

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作・ねこ末端。2018年全3巻完結。表紙は相変わらず男女一組で良いものだが、ヒロインが小学生の三女・杏梨で若干の犯罪臭。でもさっちゃんは中学生だから実は別に大した差でもないのか。いやいや。

親の再婚で年頃の3姉妹と兄弟になってわちゃわちゃするギャルゲー的世界観で、最後まで安心して読める安定のクオリティ。読んでいてなんとなくMPが回復していくような心地。

特にストーリーがあるわけでもなく、いつ終わってもおかしくはなかったのだけれど、もう少し続いてほしかった気もする。以下最終巻こと3巻感想。

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終わってしまった

近親絡みのハーレムものは、野郎向けではちょくちょく見るジャンルだけれど、良いと思うものは正直少ない。というのも、テンプレ美少女を並べてとりとめのない話を繰り返すだけで、読んでいて退屈な思いをすることが多いからなんだが、まぁこれは野郎向けハーレムラブコメにおける全体的な傾向かもしれない。その中でも、近親絡みは特に良い印象がないように思うのは、受けそうなテンプレを適当にくっつけただけに見えるからだろうか。

そういう意味では、この漫画も割と狙いすました着想から始まったのかもしれない……のだけれど、自分はこの漫画は楽しんで読んでいた。それはさっちゃんと姉妹の関係がよかったからなのだけれど、いざどこがよかったんだろうと考えてみると、なかなか言葉にしづらいところがある。やっていることは、他とそんなに違わないような気がするんだけれど。野郎にとって都合のいいラブコメであることはまぁ間違いないわけだし。なんだけれど、やっぱり何か違うとも思う。

羨ましい関係と距離感

ふわっとしたことを言うと、この漫画は関係が描かれているなぁ、と。野郎向けのラブコメって、とにかく美少女出したらいいでしょ、っていうのが多くて、特にとにかく数撃ちゃ当たるといわんばかりに美少女出しまくったものもある。そこへいくと、この漫画は女の子可愛さそのものというよりは、こんな義理の姉弟・兄妹関係あったらいいよなぁ、という浪漫が描かれていて、それが良い。義理とはいえ家族らしい近いパーソナルスペース、それでいながら義理なのでちょっと恋情を感じさせる距離感、うーん、いい。

そっか、この漫画、距離感が丁寧なんだな。距離感が描かれる、とは関係が描かれるということでもある。表紙が必ずさっちゃんと姉妹の誰か、というところが象徴的。この手の漫画って、だいたいヒロインしかいないことが多いものな。実際、そのほうが売れるんだろうなって思うし。でも、この漫画はそうじゃなくて、ついでに作者さんの前作・ミルモ様も幼馴染二人が表紙に描かれていたあたり、やっぱり関係性を意識して大事にされていたんではなかろうか。

具体的に何が良いかというよりは…

ただ、漫画内で具体的にどういうところがそう思わせるのか、それがよくわからない。というか、どのエピソードが良かった、とかも正直言って思い浮かばない。にも関わらず愉快さだけは心に残るあたり、逆説的に良い日常ラブコメだと言えるんじゃないかと思う。

まぁそんな感じなので、特に話の筋らしいものもなく、いつ終わってもおかしくなかったのだけれど、自分としてはもう少し続いてほしかったなぁと思う。

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