終わった。感無量である。何が感無量って、ヒナちゃんがちゃんと可愛いんですよ。色っぽさすら感じる。ちゃんとJKしてる。なんて感慨深いんだ。
……という擬似的な親体験ができる稀有な漫画。実際のところ、何かのジャンルに一つ押し込めと言われたら、家族漫画になるかもしれない。最後、すっかり親子になった新田とヒナを見てちょっと感動してしまった俺。
ある意味で一番変わらなかったのは、瞳ちゃんかもしれない。いや物理的な意味ではなく……。自分がほしいもの以外のすべてを手に入れた瞳ちゃんは、多分きっとエターナル・アイアン・ヴァージン。
以下19巻こと最終巻感想。おつっした。
ヒナが可愛いだと……
この最終巻である19巻、まぁロックージョンはどうでもいいんだけれど、ヒナがかわいかった。いや、なんだろう、しかも、なんてことのないシーンで色気を感じる。
たとえばこれとか、アツシのロックージョンを大急ぎで仕上げた時なんだけれど、なんかちょっとときめいてしまった。修羅場くぐってる……。やりとげた人間の顔してるよ……。実際無茶ぶりを「無茶ぶりだ」認識しながらやりとげているんだよね。タンクトップもいい感じで色っぽい。えー、ちょっとすごい好きなんだけどこれ……。
続くロックージョン中、アツシの嵐リクエストを見たヒナの反応。存在自体が非常識な癖に、いやいやそれは……って感じで戸惑い、しかし「ヒナえもん」「よし太くん」と新田と軽口を叩きながら、落ち着きを取り戻して腹をくくるヒナ、めっちゃいい女。ギターで精緻な演奏をしながらなお嵐を呼ぶという大技を繰り出す。
この1シーンだけでヒナがヒナらしく、しかし着実に成長していることがわかって感動的ですらある。ギャグの演出の中でどこか妙に感動させるのは良いギャグ漫画である。
総じて、あのちんちくりんだったヒナがめっちゃ可愛くなっていて終始感動を禁じ得なかった。
そしてなんといっても、仁志に告白されたシーンである。
新田じゃなくてもうおおおおってなるよ。突然の敬語ええやん。そんなテンパってるヒナを見て「成長してんのか……ってか」と感慨深げな新田よ。この直前まで、ヒナに告白なんかしても仕方ないと思っていたが、ヒナのこの反応を見て、娘の成長を感じ入ったようだ。
まぁヒナはなんだかんだで瞳の気持ちにも気づいているしね。成長しているのだ……うおおおお……。
親子になったんやね
正直仁志はいい男なのでヒナはもったいないと思っていたが、こうなってくるとわからんね。ヒナの気持ち次第ですよ。思わずヒナにOKの返事を出させようとした内藤アニキに「おいっ」って牽制する新田は完全に父親。
この後、ヒナから返事どうしようって聞かれた時には「父親に聞くなよ!」と言っており、平成の怪物の時には娘と呼んでもらって喜んでいたヒナもそれを普通に受け入れていて、ああ、この二人は親子になったんだ……と思うと、それが一番素敵に思えたことかもしれない。
まぁテンパってはいたものの、やはり恋というものにピンときていないヒナに対して、人生の先達として、父親として接する新田と、新田の話を聞きちょっと考えて「うん」と頷くヒナ、なにこれ感動できる。
感無量
ストーリー自体はあってないようなもので、ロックージョン自体はどうでもよかったんだけれど、こうしてヒナが恋みたいなものを考えるところで終わるっていうのは、なかなか小憎らしいね。作中ではわけわかんないことばかり起きているのに、その本質はどこまでいっても、一組の親子の軌跡なんだよな。それがよかった。
良い漫画だったね。最初読んだ時はこんなになるとは思わなかったな。この漫画って最初の頃何故かセールされていて、ほぼ半額くらいで買えたんだよね確か。でもいつ頃からか人気も出て、アニメ化まで果たしていた。出世したなぁ。
19巻までいったなら20巻までやればよかったのに、とは皆に思われていたようで、なぜ19巻なのかについてあとがきで書かれているが、まぁ元々3月3日の18巻で終わらせようとしていたところ、色々と追加追加で19巻までいったらしい。100話ぴったりらしいが(自分は気づいてなかった、、)それも偶然、とのことで。
まぁなんにしても10年近く、お疲れ様っした。