既に19巻で完結していることは知っていたが、まぁまぁの価格なので手が出てなかった。19巻700円超えてるんですけど……。今回微妙に安くなっていたので、まぁ半額セールはもうなかろうなぁと思い、ポチった。
で、驚いたのが瞳ちゃん話がガチでちゃんとラブコメだったこと。正直明確に示されるとは思ってなかったので……。この話だけでもポチる価値あり。瞳ちゃん話はラブコメラヴァーズの心に刺さる。
他のギャグ系も、まぁ今となってはコメディだけれど、安定して面白いのでよき。なにげに仁志と父親の話めっちゃ好き😂
まぁでも一番感慨深いのは、あのヒナがちゃんと心も成長していることかもしれない。以下18巻感想。
三島瞳のお泊り大作戦……!?
このホワホワしたタイトルは第93話の表題である。マジかよ瞳ちゃんこれ昔のラブコメで見るやつやで。そして実際ラブコメだったのである。マジかよ。17巻については変化球で、一人のラブコメ愛好家として「お、これはなかなか……」という感じであったが、この話についてはド直球ストレートにラブコメですはい。
内容は、17巻で怒りにまかせて新田のプライドを粉々にしてしまった瞳が、新田のご機嫌を取ろうと奮闘する回。
瞳ちゃんが普通に可愛い。まるでラブコメヒロインのようだ。
16歳の女の子だった
瞳が母から受けたアドバイス「家庭的なところを見せ」「相手を褒め」「自分の弱さを見せる」という教えを忠実に実行する。周囲のすべての人から学ぼうとするこの姿勢は、瞳が初期から一貫して見せているもので、学ぶべきところが多い。
で、瞳は新田家にお泊りしてチャンスをつかもうとするのだが、既に家庭的である新田に見せられる家庭力などない……というか、恐らく瞳は本気を出せば新田を凌駕できる可能性があるが、それをしてしまった時こそ、新田との関係に修復できない決定的な亀裂が入るであろう。
そもそも新田は、瞳に己の力や実績を完全に圧倒されたことについて卑屈になっているのであるから、新田の分野である家庭まで侵食してはいかんのだ。なので、瞳が家庭的なところを見せる機会を与えられなかったのはむしろよかった。
褒め殺しも当然きかない。格上相手にいくら褒められたところで、新田の自尊心は回復しない。男心は複雑なんだぜ。
瞳は「お母さんのアドバイス超使えない」「所詮女児」と実の母に対するものは思えない暴言を吐きながらジタバタするものの、他に頼れるものもなく、「弱さって何だ……」と哲学的な物思いに耽るのだった。
まぁ世界随一のポテンシャルを持った瞳からすると、弱さとは難しい問題かもしれないが、なんだかんだ彼女も人の子、人並みの弱さを持っている。
それをはからずも見せられたのが、どうにもこうにもうまくいかず「新田さんとの関係を元に戻したいだけなのに」と涙を少し見せたことで、それを目撃した新田は、瞳を16歳の女の子だったと思い出し、大人気なかったと謝罪する。母のアドバイスは超使えたのだった。なんだかんだ、母は瞳のことをよくわかっていたんだなぁ。
閣下、ガチ恋だった
新田のうやうやしく仰々しい「閣下」呼びの小芝居もおわり、「瞳」と呼ばれてご機嫌の瞳は、お泊り最終日、ヒナをお風呂に誘ってサービスシーンになるのだが、ヒナと瞳のお風呂がサービスシーンになる日がくるとはという謎の感慨深さ。
だがそれ以上の衝撃は、ヒナがきっちり瞳の気持ちを察していたことだろう。
最初ヒナが誰かわからんかった😂。そして髪をおろした瞳ちゃんが可愛い。
しかしこの「新田のこと好きなの?」は衝撃である。ヒナがきっちり恋心を理解し、かつ恋路に気を使えるようになっていたのだ。これには昔のヒナを知っている瞳もびっくり。正直、ヒナはそんなことは気づきもしないだろうと高を括っていたに違いない。そう、それは読者である俺の気持ちでもある。あのヒナちゃんがすっかり大人になって……。
こうなってくると、瞳に家事をやらせなかったのも、それは悪手だとわかっていたヒナの機転だったのかもしれない。小技を入れたのはよくわからない。
ヒナに自分の気持ちを知られていたことを知って動転する瞳だったが、少し落ち着きを取り戻すと、ヒナに「……あの それじゃ ヒナちゃん イヤだったかな」とおずおず尋ねる。
誰この美少女。閣下だった。
ヒナは「別にいいけど歳の差は考えたほうがいいと思ってた」、とごもっともな一言。
なにげにこのシーンは、初期から一緒にいたヒナと瞳、二人の成長と関係の変化がよくわかる、重要なハイライトかもしれない。
その後、俺たちのロリ社長の帰り際。
誰この美少女パート2。
17巻の怒れる閣下モードと併せて読みたい。
ということで、元々ラブコメ好きに刺さるよなぁと思っていた瞳ちゃん話がガチのラブコメだったことに驚きつつ、まぁでも実際この漫画のヒロインポジションは彼女しかいないのかもしれない、とその後の騒動などを見ても思う。キーパーソンの一人だしね。
そういえばヤクザ漫画だった
次で最終巻ということもあって、何かしらの形でロックージョンに絡む話が多かったが、本筋と一切関係のないところでは、仁志と親父の話が俺によし。クールで性根の良いイケメンと息子を溺愛するヤクザ親父って組み合わせ、あんまなくない?女性向けだとけっこうあんのかな。
娘だと父親の溺愛ぶりがキモく見えるが、息子だとどこか微笑ましく見える。そんな親父の奇行に振り回されるクールイケメン。でも実際この親父のおかげで助かってもいる……所詮この世は力……。
一応ヤクザ漫画ということもあってか、この漫画、人間のそういう動物的なところを描くのうまいんだよな……。瞳の話にしても、形を変えた現代的マウントの取り合いなわけで。
面白いんだけれど、次で最終巻……まぁ19巻だものな。よく続いたよな。せっかくだし20巻までやってもよかったのに。まぁそういう問題でもないか……。最終巻もポチってますので、まぁそのうちに……。
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