『変女』8巻感想:変態バカップル極まれり

作・此ノ木よしる。2017年8巻。電子書籍版の謳い文句【電子版限定「千子が脱いだ!」解禁フルカラーおまけ付き】とやらは単なるカラーピンナップっぽいので。最初てっきりカラー再現かと思った。電子書籍はもっとカラーを有効活用すべき。そして残念ながら今回はドラマCDはないみたい。

前巻の終わりで流河が千子に宣戦布告のような感じになっていたので、なんか修羅場るんだろうか?と思ったのだけれど特にそんなことはなく、割といつもどおり高村と千子が中学生みたいなメンタルでイチャイチャして終わり。そして流河と杉田がだいぶ接近していく。

表現が多少エロスティックなだけで、中身は中学生日記のような甘酸っぱい純愛ラブコメ。以下8巻感想。

目次

バカップル

8巻までくると、高村と千子はもうカップル同然になっていて、そのバカップルぶりには度量の大きい杉田もイラッとさせられるほど。今回は初っ端からコレ↓。

千子「昨日私がオナニーサインしたのに どうして同時にオナニーを始めたんですか!?」
高村「フッ…オレはなぁ 気づいたんだ
お前が隣の部屋でしてる事が 一番のオカズになるとな!!」

うーんなんて素敵な会話。千子は高村を最低ですと非難するが、千子のほうもだからといって自分の行為をやめた風でもなく、完全な拒絶ではない。まぁそもそもそんなものをサインしている時点で、変態的ではあるが好意の表れ。

そして、サインしたのにも関わらず同時にし始めた高村と、そんなサインをする千子のどちらが悪いかの裁定を任された杉田は「そんな心底どうでもいい事聞かれても!!」と至極もっともな感想を抱くのである。杉田の見方はかなり客観的。

杉田「君らさあ 本当は楽しんでるでしょ? もはやそういうプレイだよね…?」

これに対して「そんなんじゃねーし!」と大慌てな高村に対して、千子は楽しんでいるのは高村だけだ、なぜなら数分で終わるから、ぶっちゃけ早すぎ!と斜め上のカウンター。

あーなんて幸せバカップル。性についてここまで愚直になれるなら、そのカップルはこれから何があっても(浮気とかでない限り)うまくいくだろうと思う。

最初の頃は無頓着故という感じだった千子のエロスな感じも、今は高村が興奮することを承知かつ狙ってしているように見える。無人島で高村にバックで胸揉まれても一切動じなかった千子が、今では高村に抱きつかれて当たっているだけでもちょっと意識してしまう。

ということで、第三者的にはもはや完全に付き合っている、というよりその遥か上の状況であるので、もうさっさと告れと杉田はアドバイスするのだが、高村のその恋愛経験値の少なさ故に、今一歩を踏み出せないという、ソフトエロ漫画的シチュエーションでありながらどこまでもウブなラブコメの王道である。千子は千子で、なんとなくそういう流れを感じながらも、今はまだ現状に甘んじているようだ。

流河は杉田と着々と

こうなると、前巻で千子に対して啖呵を切った流河がどう出るかというところだが、特にどうということもしない。ただ、少し強くなったようだ。千子に下ネタを振られても、開き直って答える度量。それが良いのかどうかはわからない。

まぁでもこの子は多分、この漫画の登場人物の中でも一番のむっつりさんなので、開き直ったほうがよかろうとは思う。ただ色々とガードの甘いところもあるから、誰かいい人に守ってもらえるといいだろうね……と思うところで、いい感じで杉田の流河に対する厳しくも優しい目。流河には杉田がいいだろうね。流河はなんかこう、薄い本的ロジックでは人妻NTRが映えそうなタイプだけれど、杉田だったらちゃんと守れそうな気がする。高村ではダメそうだけど 笑。

高村と千子が既に飽和状態なので、現状はこの杉田・流河のラインのほうが楽しめるかもしれない。今回もまぁ楽しかったし、とりあえず「キス」まではいったものの、正直さっさと次のステージに行ってほしい。キスシーンはイマイチ盛り上がらなかったなぁ。まぁ普段もっとすごいことしてるからなぁ。まぁ次巻に期待かなぁ。

ところでSEの時からそうだったけど、この作者さんは制服の三角タイをほぼ必ず胸に挟むよな。めっちゃコダワリを感じる。

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