『変女』7巻感想:むっつり変態道を突き進む流河が輝き高村のキモさがファインプレイ

作・此ノ木よしる。2017年7巻。6巻に引き続きドラマCD付きの限定版も発売されたので、限定版を購入(この表紙は通常版のやつだけど)。そして恒例の電子化遅らせ。白泉社を遅らせるだけでなく、電子書籍そのもののクオリティも低いんだよねー……。小学館と一緒。

それはいいとして、本巻は変態な女子大学生・流河だった。あと高村のキモさが素敵だった。今回の千子はむしろ振り回されている。

ここにきて流河がラブコメ的にも輝く。そして杉田はいいポジションにいるよなぁ。この漫画、レギュラー陣がそれぞれいい関係を築いていて楽しいわ。以下7巻感想。

目次

高村のキモさがすごいことに

本巻一番のニヤニヤは、生理前の普通に可愛い女子高生バージョンな千子と、そんな千子をウキウキでデートに誘う高村の話。ニヤニヤといってもラブコメ的に悶えるようなニヤニヤではないかもしれない。

なにしろ高村がキモい。相当キモい。眼鏡をかけた千子を朝一番に見て「キタァアアアッ!!」とテンションあげあげ。

高村「あいつは生理前になるとメガネになって普通の女子高生っぽくなるんだ…!
このタイミングでデートに誘うために
あいつの生理周期を何か月も前から調べていたからな!!」

これはキモい。さすがの杉田もドン引き。

その後も普通状態の千子に「気持ち悪い」と言われて喜び勃起する変態。そして勃起したことを開き直って毎度告げる素敵。この男素敵。それを聞いて戸惑い恥ずかしがって気持ち悪いと言いつつも、高村の手は離さない千子はあざとくも可愛い。そしてその可愛い反応に高村また勃起してそれを告げて千子がキモがってその反応でまた勃起無限ループ

いや何が素晴らしいって、俺はこの普通ver(言うほど普通じゃないと思うが)の千子はそんなに好きなタイプじゃないんだけれど、高村が存分にキモさを発揮することによってすごく魅力的に見えたのがよかったな。これはつまりある種の化学反応が起きているということなので、ラブコメ的にとてもおいしい。変態的言動によって輝く純愛、素敵やん。この回は気がつくとすげーニヤニヤして読んでたわ。俺も相当キモかったと思うわ。

杉田・流河が接近?

高村と千子が着々とその仲を深める中で、いまだ高村を諦めきれない約束された敗北系幼馴染・流河は、色々こじらせた挙句、そのむっつり変態性を開花させていく。変態性において、千子に自分とどっこいどっこいと評されるが、そのポテンシャルは千子を超えるのではなかろうか。表題の「変な」で言えば千子だろうが、「変態な」なら、流河に軍配が上がる気がする

一応高村を想うライバルヒロインとして登場したものの、これまで大晦日など大事な場面で高村は流河より千子を選んでいることから、既にラブコメ的な決着はついていると言っていい。高村との仲は深まりそうにないのであるが……杉田との仲がほのめかされ始められる

これにはほぉ……と。たしかに、温泉でのビッグマウンテン寸止め事件もあったし、杉田との絡みはそこそこあったが、流河の変態属性が目立ってあまり意識がいっていなかった。が、なるほど……うん、この二人はアリというか、かなりいいんじゃなかろうか。

流河は高村以外が相手だと、どうにもフラフラしそうなので、杉田のような男にしっかりと見てもらうのがよさそう。杉田もなんだかんだで流河のことは放っておけないようだし。ドSとか問題ないっていうかむしろ流河はそこを気に入っていることがアリアリ。流河は多分縛られたり縛ったりしたい人だと思う

まさかの修羅場編

そして本巻の最後は、ここにきて千子vs流河再び。再びというか、これまでは千子の相手にもなっていなかった感じなので、初めて火花を散らしたというべきか。

高村を情けないという千子の評(の後に続くデレ発言)を遮る形で、流河は怒って、情けなくない、カッコいい、千子が高村を知らないだけだと啖呵を切る。それに対し、千子はむしろ流河こそ高村をちゃんと見ていない、自分は高村がカッコ良くても悪くても信頼している、と売り言葉に買い言葉。互いの間に蓄積されていたものが一気に吐き出された瞬間まさかの修羅場である。

真面目な話、流河の前で高村は実際カッコいいんだと思われる。というより、カッコつけているんだろう。そしてそれがカッコつけているだけなんだとわかるほど、流河はまだ成長しておらず、初恋に捕らわれた乙女心を未だ保ち恋は盲目を実践し続けている。逆に、流河は流河で、高村の前では可愛い妹を演じ続けてもいる。その反動で、むっつり変態娘になってしまったという面はありそうだ(そしてもはやそれが高村の前でも隠しきれないほどに)。

流河が高村を頼れるお兄ちゃん的な存在として見ている限り、高村にとっても流河は守るべき妹的な存在以上にはならない。流河は高村をちゃんと見ていないという千子の言葉は、まぁ当たっているだろう。

長年の憧れの相手をありのまま受け止めることることで、最初はショックを受けるかもしれないが、それを超えてやっぱり君が好き!となるのが幼馴染ものの常道にして正道。……なのだが、この漫画は幼馴染のではないので、千子を煽る最後の当て馬ということになるのだろうな。

しかし、既にラブコメ的には千子に完敗と思われていた流河が、ここにきてこれほど千子を煽れるようになったこと自体が感慨深い。また、ありのままの高村を受け入れることは、今後流河が健全にラブコメするためにも必要なことである。杉田がお相手になるっぽいしね。杉田と流河はかなりいいと思うな。ヘタしたら高村・千子組を食うくらい輝くかもしれない。いや、この二人絡みいいよね。テンション上がってむっつりな流河と半ギレの杉田のパターンいい

高村→千子はもうかなりハッキリしているので、次は千子が気持ちをハッキリさせる番だろうか。楽しみやね。高村・千子だけでなく、各人物の関係がそれぞれ変わったり深まったり、各人が成長しているのがすごくいい。正直この漫画が7巻まできてさらに面白くなるとは思わなんだ。前作まで同様、結婚エンドまでやってほしいすなぁ。

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