『初恋ゾンビ』2-4巻感想:ニヤニヤできるし時々考えさせられる良いラブコメ

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作・峰浪りょう。5巻は単行本は出ているけれど、まだ電子化されていないので…。

1巻は中々衝撃的だったのだけれど、2巻以降は割と普通のラブコメチックに。

以下感想。

目次

ラブコメとして軟着陸

真っ当にラブコメしている。すごいな。イヴも指宿くんも可愛い。タロウと指宿くんの関係が深まっていくのもニヤニヤする。ニヤニヤできるのはいいラブコメの証。ラブコメりつつも、どうやらイヴの存在は他の初恋ゾンビと違い特別であるらしいことが仄めかされ、ミステリー的な要素で先を読ませる。1巻時点ではどうなるかなと思ったけれど、設定の奥深さを残したまま、うまい具合にラブコメものとして軟着陸したようだ。タロウと指宿、二人力を合わせてというのも、ボーイ・ミーツ・ガール的でいいなぁ。いやイヴもいるからトリオか。

存在そのものが示唆的過ぎる初恋ゾンビがどういうものなのか、少しずつわかってきてはいるけれど、その全貌はまだまだという感じ。これはおいおいわかっていくだろうとして、今気になるのはみんなのアイドル江火野さんかしら。

このわかりやすく当て馬系幼馴染のこの子が、この後どういう風に絡んでいくのか。どう見てもタロウに対してほのかな想いを抱いているが、タロウはイヴという理想に今なおきらめく想いを抱き続けているので、江火野は正直恋愛的にはどうあがいてもどうにもならんだろうし。でも単なる友人であれば龍がいるわけで、こういう異性キャラを出した以上、ひと波乱あるには違いないし。

同じ幼馴染でも、再会型の指宿に対し日常に溶け込んだタイプの江火野は、多くの思い出をタロウと共有しているので、その点において指宿の嫉妬を煽って指宿可愛いなーっていう描写はあったけれど、それだと結局引き立て役かよ!って感じだしな。それだけじゃないと思うんよな。はてさて、どうなるか……。

ここのところ同作者の溺れる花火、ヒメゴトと立て続けに読んでいるが、そこからいくと、開花したんだなーという感が。元々設定を詰め込みがちなせいか、シリアスなのにギャグっぽく見えてしまっていたきらいがあったけれど、本作はそもそもがギャグめいているので、破茶目茶なところは単純に笑えるし、切実なところは切実なまま楽しめる。笑いながらもふと考えさせられる感じで、とても良いバランス。それでいながらしっかりとハッピーなラブコメなのだから、文句の付け所がない。うーん、俺にヒットである。

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