作・峰浪りょう。2016年1巻、2017年7巻。
林間学校など定番ネタを挟みつつ、イベントの一つ一つは楽しいが、ストーリーは中々進まない。面白いけどマンネリでもある。
微妙に江火野のターンになったりもするのだが、やっぱ指宿が一番可愛い。男だと認識していてもタロウは指宿にドキドキを禁じ得ないようだし、女バレした時点で色々解決してしまうんではないかと思うのだが…どう話を深めるのだろう。
以下6,7巻感想。
同衾
今回のハイライトはやっぱり7巻表紙にもなっている、林間学校編だろう。指宿は男ということになっているので、当然部屋も男部屋。なんやかんやあってタロウと指宿は隣り合わせで寝ることに。で、エアコンが効きすぎて寒いからというよくわからん理由により、寝ぼけてタロウの布団に潜り込んでしまうという割と超展開。ふと目を覚まして状況に気づいたタロウは、
(わ〜〜 ダメだダメだ〜!!!ときめくなオレ〜〜!!!)
ときめいているらしい。指宿の匂いで興奮を禁じ得ないタロウ。そして指宿は本当に女なのか?から始まり、女だったらいいのに…と思ってしまうタロウは、やはり指宿のことが好きなのだなぁと。野郎の友達が同じ布団に入ってきたとして、この思考回路は相当やと思うよ。
そもそもイブが今なおこうして燦然と輝いている時点で、タロウの幼き日に抱いた恋心はいまだ冷めやらぬままなのであるから、指宿が女だとわかればなんだかもうそれで解決なんじゃなかろうか、と思うんだが、どうなんだろう。
確かに今のイブの姿と指宿の姿は相当違うので(別に胸の話でもなく)、指宿からすれば初恋の幻影が常に視界に入ってくるわけで、色々とつらいところもあろう。タロウとイブの間に築かれた絆があることを知っているだけに。5巻では江火野に対し、「僕の"思い出"は手強いよ」と呟いてもいる。
とはいえ、なんのかんのいってもイブのオリジナルは指宿であり、またタロウと指宿の間にも繋がりがあるのだから、特に拗れたりはしなさそうに思える。タロウの妄想の中で失恋ゾンビ化したイブが妙に魅力的だなぁとか思いつつも、タロウが本音をさらけ出せばそのような展開にもならなそうだ。指宿だって今なおタロウのことを憎からず思っているのだし。
もういい加減、そろそろ指宿の女バレがあってもいいんじゃなかろうかと、中々進まない本筋を見て思う。そうなって初めて、イブとも向きあえるんじゃなかろうか。
タロウと江火野の関係は?
ただまぁこのまま普通にタロウと指宿がくっついた場合、江火野とはなんだったのかという、幼馴染大敗北問題が浮上する。いやそれは浮上してもいいんだが。個人的にはアレだが。ただ、タロウと江火野の関係は、タロウと江火野さんがいい感じになった時に、イブは意識を失っているように、指宿とは別の方面で初恋ゾンビに迫るものなので、ここのラインもまだ一悶着あるのだろう。
キャンプファイヤーの時に、江火野が男子に呼び出されたと勘違いしたタロウが多少不機嫌になったことを見ると、タロウの江火野に対する気持ちもまったくないというわけではないらしい。弟の評価では、タロウが省エネ男じゃなければ江火野に恋していただろう、そして省エネ男になったきっかけがイブの誕生に関わるのだとすれば、江火野もまた、初恋ゾンビに深く関わるキャラで、単なる当て馬系幼馴染というわけではないはずだ、と思う。思いたい。
サービス色の強いラブコメ展開の中で、色々と伏線を張っている状態なんだろうが、最初の勢いに痺れただけに、今のマンネリ状態もラブコメとしては面白くあるけれど、そろそろ動きがほしいなぁ。
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