ハーレムに百合を認めるか否かの仁義なき戦いに学ぶ

俺のネット履歴で、人には言えないが印象深く記憶に残っていることの一つに、「ハーレムに百合を認めるか否か」論争がある。どこだったかな、2ちゃんねるのPINK系のどっかの板だった気がする。確か最終的にスレが分裂したんだ。

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分裂したんだよ

重複スレを嫌う2ちゃんで分裂は、それなりにおおごとだが、それくらいどうしようもなくなったんだよ。

分裂したスレがその後どうなったのかは知らん。常駐してたわけでもないし。その頃たまたまいた感じなので。そういや最近は2ちゃんねるも随分下火になったな。考えてみれば、あんなところにも分裂できるだけの人が集まっていたとも言える。

これは俺にとって示唆的な出来事だった。わかりあえやしないってことだ。それでも人は語る場所を求めるし、少しでも共感を求めもする。なかなか絶望的だと思う。

独占欲、支配欲のハーレム

俺は基本的にカプ厨の性根だから、あまり言えたもんじゃないのだが、やっぱり、ハーレムは一言で言うと「女はみんな俺のモノ!」で、そのベースは絶対的かつ強烈な独占欲、支配欲だと思うし、そうあるべきだと思う。とすれば、主人公以外の男との接触は許せんみたいな論調も、むべなるかな。

実際には人間複数の嗜好を持っているものだから、皆が皆純粋に高純度のハーレムを追い求めていたわけじゃなかったと思うが、少なくともわざわざ口に出して、ハーレムに反するようなことを言う奴はいない。コミュニティってのはそういうもんだろう。

あまりにも強烈に求めすぎて、主人公以外の男の存在すら許せんみたいになってくると、なんぼなんでも過激派過ぎるってことで、それはそれで隔離されていたような気もする。いわゆる独占処女厨ってやつになるのかな。棲み分けだよ。

百合の扱いで揉めた

が、当時いたスレで、一つ揉めていたことがある。百合の扱いだ。印象深い割に記憶が朧げなもので、どういう流れだったのかちゃんと思い出せない。だから論争の詳細については書かない(書けない)。ただ、ハーレム内の百合を許容するか否かでスレ内で対立が起きたことは違いない。ざっくりと、なんで対立までいったかというと、なんかやたら百合推しな人がいて、それと同時に百合が鼻について仕方ないって人がいて、住民巻き込む喧嘩になった感じ。それで最終的にどうしようもなくなって、スレが分裂。2ちゃんねるの専門板は重複スレに厳しく、分裂はそれなりにおおごと。

分裂に賛意を示していたのは否定派で、確か、許容派は分裂を嫌がっていた記憶がある。そりゃそうだよ。許容派も、「ハーレムの主たるものハーレム内の百合くらい受け入れられないでどうするちっせぇな」みたいな論理展開をしていたと記憶しているけど(どんな場所でも、認められるには大義と論理が必要なのだ)、やっぱそれはちょっと無理がある。ハーレムの本質はあくまで「女はみんな俺のモノ!」という独占・支配であって、百合はどう考えても本質じゃない。百合ならフリーセックスOKなんて例外はない。

百合許容ハーレムなんてニッチな分かれ方したら、果たしてスレを維持できるかどうか。2ちゃんでスレを維持するには、それなりの人がいる。過疎板なら、とりあえずdat落ちはしないけど。あそこは確か過疎だった気がするから死にはしないかもな。でもそれって余計にタチが悪い。そういう不安もあったんだろうと思うし、それについては、口に出さずとも皆わかってたんじゃなかろうか。だから、あれは実質的な隔離政策だったわけだ。

分裂後、2つのスレがどうなったのかは知らん。しばらく見ていた限りでは、分裂後スレは平和になっていたと思う。争いの火種がなくなったわけだから当然か。また、2つのスレの勢いはやはり随分差があった。その後は2ちゃん自体が下火になるし、やっていけなかったんじゃなかろうか。ジャンル自体はメジャーだから、本体はまだあるかもしれない。だとすれば、今はしれっと合流してるかも。どうなんだろうね。いまさら調べる気もないし、今となっちゃどうでもいい。

共存の道

スレの顛末自体はいいんだ。俺の記憶も今となってはどこまで確かなことやら。だがそれよりも、こういうことがあったという、この騒動自体が、俺にとっては非常に考えさせられるものだった。

まず、本当を言えば分裂なんてする必要はなかった。別に高純度を求めるようなスレじゃなかったし、たまに百合ありハーレムの話がある分には、そういうのもたまにはね、くらいで受け入れられたと思う。むしろ、そうあるのが正しい姿だと思うし、懐が広いほうが、コミュニティもより発展すると思う。必要以上に推すのが、まずかった。

これは実に他山の石というやつで、俺なんかはカプ厨だが、カプ厨絡みでも世の中じゃ色々起きている。カップリング戦争なんて言葉もある。検索するとBLの話ばっかり出てくるけど、別に腐女子特有のものではない。書き出すと長くなるから割愛するとして、これについては意外なことにアンサイクロペディアの記事「カプ厨 - アンサイクロペディア」がたいへん優秀(びっくり)。

カプ厨がなぜウザがられるかといえば、一つのカップリングに執着し、どんな話題もそこにつけるような姿勢、またそのカップリングに反するようなものを貶める姿勢だろうと思う(恋愛が本筋ではない話で、好いた惚れたでバカみたいに議論する様そのものが嫌って人もいるだろうが)。ハーレムものはカップリング要素も内在するが、もし何かのハーレム作品を語る場でカップリング要素を推せば同じような事態になるだろうと思う。ハーレムの美学は平等愛で、カップリングとは違う。コミュニティでは、弁えないといけない。

現実はそううまくもいかないもので、平和的に種々の嗜好の人間が語り合えているかというと、そんなことはなかろう。結局、インターネットにおいてはその場で空気を掴んだ勢力が我が物顔で振る舞い、空気を掴めなかった人たちは、袋叩きにあうかただ立ち去るのみ。

結局、棲み分けという形がもっとも現実的なんだな。今ネットのオタク界隈はそういう方向に進んでいると思うし、これからも進んでいくのだろう。ただ、棲み分けられるほど人が集まるものばかりでもない。

ない場所は作る

色々な嗜好の人間がうまくやるには、マスターが必要なんだろう。それは一つのコミュニティだから。匿名掲示板的な文化では限界がある(多分、一つの落とし所は寿命の短い「スレッド」をたてた人間に特別な権限を与えて、即興のコミュニティを毎回形成するふたば☆ちゃんねるのようなシステムだろうか)。だから棲み分けが進んでいる。そこで人が集まらなければ、どうしようもない。

色々考えると、こうして自分でネット上にスペースを作って、好き勝手やるのが一番楽だわな、と思う。ここならば、俺が一人、いればいい。いまさら個人サイトも流行らなくなったけど、気楽よ。俺みたいなやつは世の中に一定数いるんだろうし、そういう人には多少共感できることがこのサイトには書かれているだろうと思う。それでいいや。

こうして、ネットの孤島で長々しい独り言を延々と呟く、生産性のないサイトが一つ、できたとさ。

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