そろそろ記事もたまってきたので、まとめ的な記事を一つ。テーマは「安心して読めるハーレム系のラブコメ漫画」。これがクソほどありそうで、実はそんなにないんだな。寝取られっぽい展開になったり、やたら苛つかされたり、そして結局、最後は誰かを選ぶんだろう?ハーレムちゃうやん!
本記事では、頭からっぽにしてゆるく読める、「安心の」ハーレムなラブコメ漫画を集めてみました。
安心できるとは
ここで一つ、「安心」の意味を考えよう。だいたい以下のような条件が整っていれば、安心できると言えるだろう。
- ヒロインが寝取られない
- ヒロインが主人公以外にラッキーすけべしない(性別・年齢・種族を問わず)
- 主人公が苛つかない
- 話が最低限度文化的
書いてて死にたくなってきたけどだいたいこんなところかな。つまり余計なお邪魔虫キャラとかいらんし、主人公の絡まないサービスシーンもいらない。女同士だから、子供だから、動物だから、はいダメです!また、ハーレムもので一番出番があるのは主人公なので(そうでない場合、それはハーレムものではない)、魅力的であれとまでは言わないが、せめて読んでいてイライラしない程度の人間であってくれ。そして話は、せめて読むのが苦痛でない程度には面白くあってくれ。
加えて、「ハーレム」であるからには、以下の条件を満たしているはず。
- 常に主人公が中心
- ヒロインが複数人
- 主人公が特定のヒロインを選ばない
主人公なくしてハーレムにはならない。常に主人公中心。主人公不在の話があるのは減点。複数人だから、いわゆるダブルヒロインは、微妙やね。最後に誰かを選ぶやつは、ハーレムを名乗っちゃいけない。でもこれは難しい問題。対応は、現代の倫理観に真っ向から逆らうか、人権の及ばない人外ヒロインを選ぶか、もしくは結論を出さない延長線エンド、などがある。あと話の途中でも、特定のヒロインを優遇するのは減点ポイント。これもなかなか、難しい。
これ全部満たしている漫画は、少なくとも一般向けにはほとんどないんじゃないか。
オススメできる5選
前節の条件をハーレムの条件として、これをベースに考えつつ、安心ハーレムなラブコメ漫画をみていこー。
敷誠一 / 藤村くんメイツ:本当にハーレムだった
一発目は敷誠一の『藤村くんメイツ』全8巻で。この漫画は何がすごいって、先に挙げたハーレムの条件をすべてクリアしているところ。そして、ヒロインが本当にほぼ平等に扱われているところ。ちょっとこれが、類を見ないと思う。さすがに一番最初に出てくる1巻表紙の宇佐美が、頭一つくらいは抜けてるかなぁ、くらいはあるけど。また、主人公の藤村も、ちょっとヒロインを邪険にしすぎな面はあるが、腕っ節も強く、なかなか好感の持てる男なのである。総ツッコミ型主人公。
でも…個人的には、俺はこの漫画はカップルものでいってほしかったんだ…。
春野友矢 / ディーふらぐ!:ギャグベースでラブコメ
二つ目、春野友矢で『ディーふらぐ!』2016年7月現在10巻まで。ゲーム部だがゲームはほとんどしない。最初はちょっとキツイかも。ノリが。今風ではない。90年代チックなギャグ漫画のノリなので、好きな人は好きだが。
ベースはギャグ漫画なので、あからさまなラブコメになることは少ない。けれど、ラブコメは挟まれるくらいでちょうどいい、とも思う。また、前述のハーレムの条件のほとんどをクリアしている。なんというか、減点が少ない。とにかくキャラの多い賑やかな漫画で、ヒロイン候補も10人くらいいる。ただしヒロイン格差はだいぶあるうえ、女子力(物理)的。主人公はやっぱり総ツッコミタイプで、ツッコミで話を回すので、必然的に出番最多。
たくさんのヒロインと脇役をツッコミで回すギャグ漫画『ディーふらぐ!』
水無月すう / そらのおとしもの:主人公が素晴らしい
3つ目、水無月すうの『そらのおとしもの』全20巻。エロい。これはなー、主人公の勝利。主人公・トモキがとにかくエロかっこいい愛すべきバカ。この漫画はソフトエロっぽいギャグをベースにしているけれど、ストーリー自体はけっこう重いところもあって、ダーティーなシリアス展開にもちょくちょくなる、のだが、それを吹き飛ばせているのは主人公の力が大きい。日常とシリアスをいったりきたりして、しかもそれがうまく機能している漫画は、稀有だと思う。
ヒロインも相当数。ただ、幼馴染のそあらは別格で、そこが本記事的にはマイナスポイントになってしまうのも妙な話だ。
まだ当サイトで記事にしていない。そのうち記事にしようと思うけど、全20巻なので読みなおすのがなかなかねぇ。
田口ホシノ / まがつき:神様とイチャイチャしないと死ぬ漫画
4つめ。全13巻。豊満な身体の幼馴染や、どう見ても女子中学生な天照大御神や巨乳JKな貧乏神などに囲まれてハーレムライフ。イチャイチャしないと死ぬ設定。死んじゃうなら仕方ないね。最後までイチャイチャし続ける。マジで。主人公がわかってる助平というのが最大の特徴かもしれない。ヒロイン同士の間に協定めいたものがあることも、正統派ハーレム作品である証左であり、面白いところである。この幼馴染は天使。
ひよどり祥子 / 死人の声をきくがよい:作者も認めるハーレム
ラストにひよどり祥子で『死人の声をきくがよい』2016年7月現在7巻まで。いやほんとにこれはオススメ。作者も、ラノベを意識したタイトルで、いろんな女の子に囲まれてキャッキャウフフな作品にしたと言っている。実際それは本当にその通りであるし、メインヒロイン死んでるけど、実際問題死んでるほうが可愛いという素敵なヒロインである。主人公が割と100回くらい死にかけるけど、ホラーがダメじゃなかったら是非読んで欲しい。
ホラーでハーレムでヒロインが死んでる可愛い『死人の声をきくがよい』 – 少年は少女に出会う
雑感
これまでにサイトで取り上げた作品から中心に、5作品ほど選んでみた(そらのおとしものは取り上げてないけど…)。他、タグのハーレムから、当サイトでハーレム要素強めかな、と思った作品の記事になります。よければどうぞ。
色々見ていると人外ものが多い。やっぱり人外だから重婚でも恥ずかしくないってのは強みやね。その意味で、亜人に社会性を与えた(そしてそこが面白い)『亜人ちゃんは語りたい』はハーレムになりきれないだろうなーと思う。
ハーレムの本質とカプ厨との繋がり
記事の本筋とは外れるけれど、ついでにハーレムについてちょっと語る。
最初に「安心」と「ハーレム」でそれぞれ条件を書いた。ここで2つを分けたのは、「安心」と「ハーレム」は実はあまり関係がない概念だから。安心できなくてもハーレムはできる。逆に、安心できてもハーレムとは限らない。安心とは関係なく、主人公を中心に世界を作る、というのがハーレムの本質的なところだと思うのです。
一方で、男女二人の作る世界を重視するのがカップリングなわけで、本来ハーレムとカップリングは当たり前だけど相容れない。ところが、実際には一人の主人公と複数ヒロインという構成の話も多くて、そうすると各ヒロイン毎にカップリングができる。それで、一つのカップリングを選べないと、ハーレムエンドに辿り着く。そこがカプ厨とハーレム厨の接点になる。ハーレム厨の中には、本質的には欲張りなカプ厨、という人もけっこういるんじゃなかろうか。
カプ厨が真剣に妥協できるハーレムを考えると、一つの形としてはさよなら絶望先生の番外エンドになるんじゃないかなぁ。
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