春場ねぎ, 五等分の花嫁 14, 2020
最終巻。寂寥感を感じる。物語が終わってしまったんだなぁ。この巻は読むのつらかったよ。でも納得はした。そうか、そういえばそうだな、風太郎にとってはそうか……。
えーと、1巻出たのは2017年だけど、俺が読んだのは2018年か……ってことは3年ってところなのか。そうか、もっと長いかと思っていたけれど、そんなもんか。それでもえらく長いことおっかけていた気がするな。
俺なんかもう歳くっちゃったからこんなもんだけど、これ中高生くらいで最初から読んでたって人、だいぶ喪失感あるんじゃないかな。いい漫画だと思ったよ。以下最終巻こと、14巻感想。
解答・解説編
四葉か。そうか、そうなんだなぁ。前巻で答えは出ていたけれど、正直ちょっと納得いってなかったね。俺は四葉だけはないかなって思っていたくらいだから、……うん、上客だな。すっかり引っかかってしまったな。
まぁでも、納得したよ。五つ子はそれぞれ風太郎に対する気持ちがあったから、問題は風太郎にとっては誰なのか、ってことなんだよな。で、正直俺にはイーブンに思えていたので、見当がつかなかったのだけれど、本巻読んで納得。っていうか次の1コマで納得。
「だが お前がいなければ俺はとっくにつまずいていた」
春場ねぎ, 五等分の花嫁 14, 2020
なるほど……それは確かに。なるほど。なるほど、ふむ、なるほど……。
まぁもちろん、五つ子はそれぞれ風太郎に大きな影響を与えていたので、何かしら前面に押し出せる要素あったと思うし、特にそれぞれの推しの人からすると色々出てきそうな気はするが、すっかり歳食ってしまってそんな情熱ももてなくなった俺は、この1コマで「そう言われちゃどうしようもねぇなぁ」という気持ちになった。
まぁ共感したかと言われると、俺は三玖派なので……。ただ理屈としては確かに一番スッキリしていると思った。風太郎が5つ子それぞれを見つけ出したように、5つ子の中で一番はやく、風太郎を見つけ出したのが四葉なんだな。そういうことなら、納得するしかない。
個人として、家族として
で、ここから先は出来レース……という言い方はよくないか。自分の気持ちを認めて、振られた形になる他の姉妹たちに認めてもらうべく奔走する四葉と、それを見守る風太郎。そうね、四葉にとっては切っても切れない家族との関係でもあるからね。
しかも、どっちかっていうと姉妹の中でもサポート的な役回りをしていただけに、見方によっては裏切りみたいなもんだしな。特に二乃なんかは相当激しい感情を抱いたはずだ。まぁでも、姉妹の中でも特に家族想いの二乃でもあるから、複雑な感情は抱きつつ、心の整理もしきれなくとも、祝福もできるだろう。
三玖は溜め込むタイプに見えるけれど、どうだろうな。まぁでも、忘れるも必要ないし、割り切る必要もないんだよな。元は仲良し五つ子とはいえ他人は他人、家族ってのは複雑なものだよ。
そして風太郎も家族。結婚式を見ると、少なくとも二乃と三玖はまだだいぶ未練がありそうに見えるし、なんだかんだでこの二人はずっと抱えていくのかもしれない。かつての想い人が義弟になるってつらいなー……。
しかし、最後新婚旅行にまでついてくるのはどうなんだろう。家族としての関係が強調されているのかもしれないが、しかしそれぞれ自立した個でもあるはずで、やりすぎの気がするけどなー。
まぁでも、そういう話なのかも。かつての仲良し5つ子は、風太郎と出会い共通の想い人をもつことで、元々バラバラになっていたのが決定的にバラバラになり、そしてまとまった。風太郎との関係の中で、それぞれが自分の姿を見つけて、家族は本当にまとまることができたのかもしれないな、と。風太郎も含めてね。
あー……そうか、だからかな。俺、冒頭で「いい漫画」って書いたけど、書いたあと「あれ?いいラブコメじゃなくてか」と思って書き直そうとしたんだが、なんとなく違和感を感じて、「いい漫画」のままにしたんだ。
いや、もちろんこの漫画はラブコメだし、ラブコメとして傑作だと思うけれど、多分、完全無欠のラブストーリーというよりは、家族的な側面が非常に強いんだと思う。個の自立をを踏まえての、"家族の絆の話"と、そんな風に思えるんだよな。だからいいラブコメじゃなくていい漫画と書いたんだろう、俺は。
しかしなんだな、そういう発想だとあれだね、すべてをぶち壊すインモラルな薄い本が厚くなりそうな気がするねってまぁ多分マジでそれはそうなる気がする。ははは。まー、ラブコメとしては多分思う所ある人すげー多いんじゃないかな……まぁでも、そうして感情を揺さぶられるってのは、やっぱりいい漫画なんだと思うよ。
この漫画は、一気に読むより追いかけていくほうが楽しめる類じゃないかな。俺はもう歳食っちゃったけどさ、10-20代前半くらいでこの漫画を追いかけられた人は、よかったと思うよ。
お疲れ様でした。
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