作・赤衣丸歩郎。2010年1巻。
タイトルは明らかにゴルゴ13のパロディだが、内容は一切関係ない。強いて言うなら最初に暗殺者が出て来る。でも奇跡の力で撃退。
一応ゴルフ漫画の体裁を取っているが、その本質は爽やか助平な主人公と、いっぱいおっぱいなヒロインたちにより繰り広げられる「ゴキゲンな」ラブコメ。本命と思しきヒロインもいるが、多分ハーレム系。
実に割り切った作品である。こういうものをプロの業というんだろう。多分。読んでいて安心感がすごい。以下1巻感想。
プロの業
この作者さんはプロであることだなぁ……。いや、もちろん漫画家は皆尊敬すべきプロなのだけれど、漫画を読んでいると、創作者としてのアマチュアリズムというか、そういうものを多分に感じられることも多い。アマチュアリズムは別に悪いものではなくて、時に予期せぬ感動を生むのはそんな青臭さだと思う。一方で、それが独りよがりであることも珍しいことではない諸刃の剣ということで、あーやっちゃったかーと思うこともしばしば。
そんな不安定なアマチュアリズムが、この作品からは感じられない。「これを描く」と決めてそこから寸分もぶれない、まさにプロの仕事である。結果、実に安定したクオリティ。読んでいてものすごい安心感があるんだ。きっとこの漫画は、期待したように進んで、期待したように終わってくれるに違いない、少なくとも期待は裏切ることはないはずだ、という安心感。
どういう期待かというと、ちょいエロ入ったハーレム系ラブコメ漫画としての期待である。この漫画の1コマ目はおっぱいだ。そして多くのヒロインが立て続けに登場し、いっぱいおっぱいラッキーすけべにサービスシーン。わかりやすい敵キャラも登場し、主人公たちには目標が提示される。これがハーレムラブコメっていうもんさ!と言わんばかりのお手本のような運び。
メインと思しきヒロインもいるから、最終的にハーレムエンドになるかどうかまではわからないけれど。ただ、1巻時点では全体的にハーレム系の印象。この手の漫画は、主人公像が難しいと思う……が、爽やか助平キャラ採用ということで、嫌な感じがまったくしない。ストレートに好意を表現するタイプで、ラブコメ主人公としては一番好感が持てるタイプだ(逆に一番嫌われるのは、理由もなくモテモテな朴念仁優柔不断系ラッキーすけべ型フツメン主人公無個性派だろうか)。ショタっけがあり見た目も悪くない(むしろイケメンに入るだろう)ので、年上ヒロインが相手の時はおねショタな感じもある。ヒロインはヒロインで、全員がストレートに恋愛感情を持っているわけでもなく、どちらかというと助平な主人公を楽しんでからかうタイプなどもいる。みんながみんな主人公目当てで恋愛感情持ってたら殺伐としかねないけれど、そういうこともないんだな。
所在ない日曜日、2時間くらいのコメディ映画を見て笑いたい気分があるけれど、本作はそのラブコメ漫画版だろうか。頭からっぽにして、ラブコメ読みたいなー、適当にニヤニヤしたいなーみたいな。そんな時に本作があれば、とってもハッピーだろう。まだ1巻しか読んでいないけれど、きっと最後まで読んでも感想はあまり変わるまいと思っている。一つ気になることがあるとすれば、前述したけれど、ハーレムエンドになるのか否か。さてさて、どうなるかなー。
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