↑この二人、ロリ系マフィアと一般人のラブストーリー。緊迫感がある感じだけれど本当に緊迫感がある。絵柄はポップだが全然楽しい話じゃない。軽いエロスもある。敗因は一般人がロリコンじゃなかったこと。
基本情報
全4巻。作者は板倉梓。野村24時を触りだけ読んだことがあるけど、こういう話を描く人とは思わなかったなぁ。どちらかと言うと胸糞ラブストーリーです。作者曰く「無垢で残酷なラブストーリー」なので、ラブコメ期待しちゃあかんよ。
だいたいこんな感じ
一般人男子の五本木アキが、住み込み先のレンタルビデオ店にマフィア共がやってきたことで、マフィアに巻き込まれて不幸になる話。マフィアはクズ。
この話の特色としては、その巻き込んだマフィアの一人が15歳のあどけない少女であったこと。五本木は、その少女、芽衣を救うべく自ら巻き込まれることを選択し、また少女芽衣は(恐らくは)初めて自分のことを本気で気にかけてくれた男性である五本木に恋をする。
したがってラブストーリーである。しかしこれは残酷かつ救えない話で、みんなが不幸になるので、読んでいて楽しいものではない。その読後感の悪さは、余韻が残るといえば聞こえはいいが、ハッキリ言って後味悪いので、そういう話だと思って読んだほうがええやろなぁ。
ああ、ロリータペロペロしたいっていうだけの人ならストーリー云々関係なく楽しめるかもしれんね。日常パートはけっこう普通に可愛かったりするし。
↑可愛いよね。デートもあるよ。悲劇の味付けなんだけど。あとエロいシーンもけっこうある。ヒロインが襲われてちょっとエロい目に合ったりとかね。ただヒロイン強いからそこまで酷いことにはならんので安心しよう。
淡白な萌え絵でハードな話の展開なのは、批判されがちだが個人的にはいい味になってると思う。ただしストーリーは全体的にB級らしい大味感。
以下、結末に関する感想。
ネタバレ:ラストについて
ここからネタバレ。結末について思う所を書く。
五本木が自らを殺させることで芽衣の呪縛を解こうとしたことについて。これは、なんとなくわかるというか、五本木を殺すことで、これまでの芽衣自身を殺したということになるんだろう。そして芽衣は、最後に幸せな夢を見て、五本木のことを忘れ、ひょっとすると自分のことも忘れてしまったかもしれない。在りし日の無垢で純粋な、しかし残酷な、また美しくもあったその姿は、フィルムの中にだけ残されている。こんな感じだろか。
さてさて、これはまたなんとも救えない話だ。ラストについては、とにかく余韻を残すことには成功している…が、到底読後感が良いとは言えない、というかぶっちゃけかーなり後味悪い。だってこれどう考えたってバッドエンドだもんなぁ。五本木に全部押し付けて、本人は忘れて幸せ、なんてそんな話があるかいな。身も蓋もないこと言えば、芽衣がこの先ずっと忘れていられるかどうかもわからないし、もっといえば物理的な危険性もまたゼロではないというかけっこうあるように思えるし、なんとも前途は多難である。芽衣がこの先本当に幸せを掴もうとするのであれば、五本木の死とはいつか対峙しなければならないだろう。
人の考え方っちゃそうなんだけど、やっぱり幸せは、たとえどんなものであろうと、自分のことを受け入れた先にあるもんじゃないかね…。それは十代のガキには難しいことだ。だからこそ、支えとなる人間が必要だったし、五本木にはそういう選択だってあったと思う。たとえそれが家族愛としてでも、芽衣がなんと言おうと一緒にいる選択肢はあったはず。
つっても、五本木にはそれができなかったということなんだろう。実際家族愛じゃ芽衣は救えない気がするしな。あれだよ、律を抱いたことが、大きな分岐点だったんだ。これがギャルゲーだったら、あそこがハッピーエンドとバッドエンドのフラグ分岐になったに違いない。そしてCG回収のために律を抱く!笑
そうかわかったよ、なんかギャルゲっぽいんだこの話。ギャルゲーのバッドエンドルートなんだこれ。いやエロがあるからエロゲーかな?なんでもいいや。っていうかギャルゲーと考えると、全体的なリアリティ、描写不足感とか話の唐突感とか演出優先な感じとかなんか納得がいく!ギャルゲーならハッピーエンドもあるはず!ハッピーエンドを作ろう!とりあえず五本木を中学生以下しか愛せない男ということにしよう!
……というわけで、敗因は主人公がロリコンじゃなかったことである。芽衣を愛し切ることができなかった。主人公がロリコンだったら世界は救われていたかもしれない!ところでギャルゲーとかエロゲーってここんとこすっかり聞かなくなったなぁ。
最後に。個人的にこの漫画で一番印象深かったのは、主人公と交わった女が死んだことを知って、女の死体処理をするときのヒロインのいい笑顔↓。
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