
ガジェット×ボーイ・ミーツ・ガール×ポエム。SFファンタジー。ギャグじゃないほうの衛藤ヒロユキを存分に詰め込んだボーイ・ミーツ・ガールだよ。
基本情報
全3巻。話の内容を考えるとちょっと短い。続けられなかったのだろうか……残念。作者は魔法陣グルグルが有名過ぎる衛藤ヒロユキで、衛藤ヒロユキの趣味を全開に、かつ魔法陣グルグルのポエミーなところだけで構成されたような漫画。ということでけっこう人を選ぶ内容。少なくとも、グルグルを期待して読んではいけない。グルグルで言うなら、全編アラハビカ最終局面といえばわかりよいだろうか。
だいたいこんな感じ
ビビリアンという成長する機械が女子中学生の間で大流行……というまずこの一文でガジェオタの夢が二つ詰まっている。まず成長する機械、このフレーズだけでご飯三杯はいけるオタクは世の中にたくさんいるだろう。そしてそれが女子中学生の間で大流行……ガジェットが女子中学生の間で流行る、ハッキリ言って成長する機械よりも夢物語じゃなかろうか!リケジョとかわけわかんない言葉が流行ったりもした昨今、相変わらず機械系、電気系、あるいは情報系に進む女子はほとんどいない。だいたい生物系、次に化学系、たまに工学だと思ったら建築でデザイン専攻……そんなんばっか。
それはいいんだけど、とにかくそういう成長する機械をこの世界では「がじぇっと」と呼んでいて、機械は持ち主と一緒に成長する。これは本当に憧れる。特にアナログならともかく、パソコンをはじめバリバリのデジタルは、あまりにもすべてが同一過ぎて、寂しさを感じることも事実。対比させるように、主人公の鳥賀はジーンズを育てる。この育てる感覚は、アナログの醍醐味なんだろう。
そうそう、主人公は鳥賀周一で、一昔前にトランジスタラジオ作って喜んでたような感じの子。将来はきっとエンジニア。どちらかというとアナログ周りのほうが得意そうかな。ひょんなことで、がじぇっとの直し屋を請け負う。んでリア充らしく、彼女もできちゃう。それがヒロインの多来真奈美。そうそうにお付き合いを始めるので、ボーイ・ミーツ・ガール要素は強め↓。

前述したように、全体的にポエミーなので、けっこう読んでて恥ずかしくなるかもしれない。なにしろ随所に↓みたいなコマが挟まれるのですから。

これもんよ。それだけに印象的なセリフも多くて、特に↓はお気に入り。

ラブコメ要素ゼロだけどな。雰囲気はだいたいこんなもんよ。
ただなー、正直全体的に話数が足りていないのか、ニヤニヤ要素あんまりない。特にヒロインの影が薄い。ラストの局面に至っては、主人公とヒロインがなんだか蚊帳の外。悲しすぎる。正直主人公の友人ポジションのやつの話のほうが、まだしもニヤニヤ要素あるくらいだ。世界観は好きなんだけどなぁ。全体的にいい雰囲気なんだけど、それ以上じゃないんだよなぁ……。俺的には面白いんだけど、やっぱり衛藤ヒロユキの名前を冠するとみんな別方向を期待する気がするし、あかんかったのかなぁ。残念だなぁ。
総評
話数が足りていなくて、雰囲気漫画の印象は否めない。ガジェットとメルヘンの融合は珍しいと思うし、(ギャグじゃないほうの)衛藤ヒロユキ節全開なので、これはこれで。
ところで↓は一度言ってみたいセリフ。

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