『シュタインズ・ゲート 比翼恋理のフューチャーはにー』感想:ぬるく鈴羽を愛でるコミカライズ、ダル分は薄め

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漫画・坂野杏梨。2012年。

シュタインズ・ゲートのファンディスクな比翼恋理のだーりん、鈴羽ルートのコミカライズ。鈴羽ルートはある意味ダルルートでもある。比翼恋理のダーリンほとんどコミカライズされていたのね。

比翼恋理の鈴羽ルートは原作だとかなりツライ…なにがツライって、オカリンとダルと喧嘩するところがツライのだが、本作ではそういう厳しいシーンはカットされている。別に喧嘩シーン見たかったわけではないのだが、結果的に非常にぬるい仕上がりになっているので、果たしてそれがいいのかどうか……可愛い鈴羽を愛でるだけならそれでいいのかもしれない。

以下感想。

目次

鈴羽ルートはダルルート

本作は比翼恋理のダーリン、鈴羽ルートのコミカライズである。比翼恋理のダーリンで一番つらかったのは鈴羽ルートだった。オカリンとダルがちょっと喧嘩するのだが、これが想像以上に堪える。思えば原作本編において、どの世界線でもオカリンの助けとなっていたのは他ならぬダルであった。

シュタインズ・ゲートへの道のりにダルの存在が必須であるのは間違いない。技術的な面だけではなく、精神的な面でもオカリンの大きな支えとなっていたろう。そんなダルとオカリンの諍いは、プレイしていて想像以上にダメージを受けてしまった。

なので、鈴羽ルートのコミカライズである本作を読むのはちょっと億劫だったのだ。とはいえ、鈴羽ルートはダルの結婚話であり、本編にも大いに関わるので抑えておきたい話だ。まぁ1冊だけだし、読むか……とあまり気乗りしないままにページをめくった。

で、蓋を開けてみれば、そういうシリアスなシーンはなく、ひたすらコミカルに描かれていたという。ダルはずっととぼけたままだし、可愛らしい絵柄で鈴羽分多め。なんということもなく読み終わってしまった。

うーん……鈴羽を愛でるだけならこれでいいかもしれないが、鈴羽ルートはある意味ダルルートでもある。原作の諍いのシーンはつらかったが、しかしオカリンとダルの関係を濃く描写したものでもあった。オカリンは鈴羽のためだけではなく、ダルのために動いてもいたのだが、本コミカライズではそのオカリン-ダルの関係し得の描写がやや希薄に感じられたのが残念だ。まぁ1冊という尺の問題もあろうし、その中で鈴羽をぬるく愛でるということに注力したということなのかもしれないが。

比翼恋理のダーリンのコミカライズ

それにしても、比翼恋理のダーリンはほとんどのルートがコミカライズされていたのだなぁ。ただし、電子化されているのはフェイリスルートのやつだけらしい(『シュタインズ・ゲート 比翼恋理のニャン2くらいしす』貴重なフェイリス本)。また、やはりなんというか、ルカ子ルートだけはそもそもコミカライズされていないようだ 笑。あれこそ読みたいけどなぁ。そして助手だけ3冊も出ているという優遇ぶり。

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