エロスだいぶ控えめになったね。
この漫画の1巻読んだ時はエロスの表現が軽く衝撃だったものだ。「賢者タイムに読む薄い本」という表現は自分で言うのもなんだがうまくいったもんだなと思う。
その後は割と「ガチめに薄い本」的な要素も増え、そして山場を超え、今となってはエロスも薄め。いや、他作基準だと薄くはないかもしれないんだが。エロには相対値の側面があるな。
まぁでも、今になって以前のようにエロやられても鼻白むかもしれないね。
ただまぁ、そうすると、じゃあこの漫画って何の漫画なの?っていう、なんとも宙ぶらりんな形になってしまい、そのためにイマイチ入り込めなかったのかもしれない。色々と中途半端な印象。まぁ今回のテーマは「変化」らしいので致し方ないか?
表紙は新キャラ。最後に男の新キャラも出るよ。以下8巻感想。
新キャラ登場
新キャラコイン登場。オタパーの姫、なるほどアカン性格しているけれど、これはキクルパーティーに入ることで輝く個性でもある。連載前から考えていただけあるね。
ということで、早速彼女自身は活躍している……が、この漫画の人間関係は基本的にキクルをハブにして成り立っているので、新キャラを出すと各々のキャラが薄まるきらいがある。唯一ほぼ全員と絡めるトキシッコはコインとも多少話すが、それ以上に進まない。
理想的な新キャラ投入は、それによって、既存のキャラたちの関係も連鎖的に化学反応を起こしていくことじゃないかと思っているが、彼女の投入にはそこまでに至っておらず、今の所エロ要員が一人増えたという印象は否めない。
あの頃には戻れない
とは言うものの、エロ要素はだいぶ薄れている。いやまぁあるんだけれど、以前のようなエロさは感じられない。まぁ単に描写的な問題もあるだろうし、単にこちらが慣れただけというのもあるだろう。
ただ、元々この漫画のエロにはギャグ的な要素が詰め込まれていただけに、やはり6巻のカンゼボウをまだちょっと引きずっているところはあるかなと思う。
大昔の漫画、普段はギャグ漫画だったGS三神が核心に迫るシリアスなアスタロト編を終わらせた後、いまいちギャグが冴えなかったのは、みんなルシオラのショックから抜け出せなかったから、という論評を見て、「ああなるほどなぁ」と深く感心した。
これは俺の中で「ルシオラ現象」と呼ばれ、「ギャグ漫画でシリアスかつ不可逆な重大事件を起こすと、ギャグ時空に戻ってこれなくなる」と一般化して説明される。ギャグ時空ってなんだよというのは置いといて。クレヨンしんちゃん原作も、正直物理的な時の流れでなんとなく流されているけれど、正直ちょっとアレはマジでだめでしょって感じの事件があって、アニメではなかったことにされていたり(あれよく編集通したなと今でも思う。臼井儀人は病んでいたのだろうか…)。
なのでまぁ、いくらカンゼボウの魂を残したとはいえ、やっぱりこの漫画は完全には戻ってこれていないんじゃなかろうかと思われ、そうすると以前と同じノリでエロギャグやったところで、鼻白むってのは大いにありそうだ。
変化中らしいので
しかしそうすると、ではこの漫画はいったいなんなのかということになる。まさか本当にキクルが引き継ぎして後顧の憂いなく仕事をやめる話じゃあるまいし。
だが作者さんの巻末コメント曰く本巻のテーマは「変化」らしいので、変化の途中である現在「何がしたいんだ?」という状態になるのは致し方ないのかもしれない。前述したように、以前の状態には多分もう戻れないから、変化自体は歓迎すべきことに思う。というか、だからこその変化なのかもしれん。
ただこの先どうなるのか、本作の核となるところを感じられずにいるため、楽しみというよりは「うーん、果たして……」という気持ちである。まぁ何かを拗らせて謎のダークファンタジー路線とかに爆進とかしなければ、なんでもいいんだけどね。
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