『不徳のギルド』13巻感想:たいていの感情はエロスに勝っちゃうからさぁ……

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長らく更新半休止状態だったこのサイトでようやく初の2024年刊行作品のレビューでございます。復活きた(`・ω・´)

さて、12巻終わりで次はシリアスっぽいなぁついでに胸クソの予感だなぁと思っていたらやっぱり胸クソ。どれくらい胸クソかと言えば金田一少年の事件簿で復讐が動機の殺人犯の時くらい胸クソ。とりあえず被害者が全員死んでから事件解決してくれというお気持ちでいっぱいである。

そしてこの感情は非常に強烈で、ハッキリ言ってエロスに勝るんよね。性欲って実は人間のほとんどの感情に負けるんだよ。すべてに勝てるのはぶっちゃけラブです。ラブコメなんです。

以下愛なき13巻感想。

目次

やっぱりドシリアス突入だよ

まぁドシリアスになるんだろうなぁと思っていたらやっぱりドシリアスだし、しかも胸クソ系ドシリアスだよ。マスラオウの時はバトル系少年漫画のような熱さがあったけど、今回はどちらかというと金田一少年の事件簿だ。「あれ?被害者クソじゃね?」ってことがだんだんわかってきて「金田一、事件解決するのは全員処されてからにしてくれ!」と願うような状態。なお金田一くんだいたい一人くらいは救ってしまう模様。金田一くんの有り難いお説教は加害者よりも被害者という名のそもそもの加害者にこそ聞かせなければならなかったという胸クソ悪さだけが残る。

被害を全部土地神に押しつけて、挙げ句やましいことしてることを知っているから、彼の怒りを恐れて神性を削るためにパートナー的な女性を殺したって何一つとして擁護できない。滅ぶのは残当。関係ない子供達は可哀想だけれど仕方ないとしか言えない。とりあえずカボクの連中は死んでどうぞ。

……ドラクエにそんな名前の胸クソ村なかったっけ?と思ったらカボチだったわ。

カボチ村 (かぼちむら)とは【ピクシブ百科事典】

まぁでもカボチ村は今見るとまぁ誤解しても仕方ない感じではある。それが余計にやりきれなさを生んでいる堀井雄二よぉ……。

ドシリアスじゃ何やってもエロくないんだよ

ということで今回は胸クソ系ドシリアスときたもんだ。おかげ様でエロスもちっともエロく感じられない。触手にやられてる子とかいるんだけれど、いくら絵面がエロくてもそこでなされているのは本質的には純粋なる肉体的な拷問の一種であって、性的なものではない。

エロスっていうか、性欲って感情の中では実は弱いほうだと思っていて、喜怒哀楽のすべてに劣る、というかだからこそ喜怒哀楽に含まれなかったんだろうなぁと思う。まぁ喜怒哀楽を強めるサポーターにはなるかもしれないんだけれど、エロス自体はほとんどない同然である。

まぁ考えて見れば睡眠欲食欲も含めて、「欲」自体が「感情」の前では触媒に過ぎないんだなぁとつくづく思うよ。だから感情を喚起されるのは物語としては非常に優秀なのだけれど、一方でエロコメとしてはエロが死ぬから痛し痒しといったところなんだなぁ。

喜怒哀楽に勝てるもの

とはいえ、まぁ本作がとっくにエロコメから脱していることはマスラオウ戦でよくわかったので、まぁもういいんだけどさ。ただ、純粋にドシリアスなだけだったらもうそれは単に少年漫画なわけで。エロスを利用された感があってどうにも面白くない。

でもエロスというか、性にも喜怒哀楽の感情に打ち勝るものもある。それが恋情であるところのラブ、ラブコメ。だからこそ今は昔のトキシッコとのネームド戦は非常によかったわけだ。

ということで、なんかそういう風にはならなさそうな気はしつつ、戦いの中で何かしらキクルにも(キクルなのが重要!)ランデブーあるといいなぁと思ったりするのです。

14巻はいつになりますかね……。

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