『ふたりソロキャンプ』1巻感想:髭生やしてラブコメしていいと思ってんのか。いいけど。

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出端祐大, ふたりソロキャンプ 1, 2019

これは……ラブコメ、なのか?うーん、わからないが、ラブコメのフレームワークには則っている。なにしろヒロインが顔より先にパンツ見せる系だし。

しかし……そうすると、30代だな。といっても、女のほうは多少若いのか。大学生くらいかね。酒は飲み慣れていそうだが。パリピ感。

いやしかし、なんともラブコメの世界観には合わない、どことなくハードボイルドな感じすらする主人公だが……てめぇその髭で年下の女子とキャッキャすんのか?いやいいんだけどさ。

なんにしても、キャンプは楽しそうだ。女子と二人でキャンプとか、正直ハーレム系エロ漫画よりも浪漫だよね。以下1巻感想。

目次

いい年こいてもラブコメ

こりゃあ……ラブコメ、か?ラブコメなのかな。完全にラブコメというわけではないが、一応ラブコメの広い垣根の中には入る気がする。なにしろ男女二人だし。ヒロインは顔より先にケツとパンツをお披露目するし。そして流れるようなラッキースケベ。ラブコメでも十代でないとなかなか許されない展開だが、30代と20代(多分)。

キャンプの知識も経験も足りていないヒロインは、面倒臭がる主人公に対して「襲おうとしたって人に言いますよ!!」と無理やり助力を乞うのだが、これはラブコメでは確かに定番の展開なんだけれど、そりゃお前金髪ツインテのツンデレ美少女だから許されるのであって、山に行って絶対最初にビア缶チキン作るぞって意気込んでいる成人した女性に許される所業ではないぞ。

男女二人キャンプとか浪漫過ぎる

しかしビア缶チキンうまそう。まぁ一人ではちょっとやれないよね、っていう料理を一発目に持っていきたいところではあるよね。そしてキャンプで可愛い女性と飯食うって、もしかしなくても最高ではないか。

……と思うんだが、まぁ主人公・厳はだいぶ捻くれているようで、さっさと返ってもらいたがる。まぁちょっとトラウマがありそうな感じはするね。本作のヒロイン・雫とのやりとりを見ても、ちょっと変だしね。

「お詫びといっては何ですけど一緒にご飯にしましょう!もう出来ますから!」
「…俺の分もあんのか?」
「?お腹空いてなかったですか?……?どうしました?」

出端祐大, ふたりソロキャンプ 1, 2019

雫も変わっているけれど、この流れで二人分の飯作るのはそうおかしなことではないが、厳は鳩に豆鉄砲みたいな様子。まぁ確かに雫はパリピ感あるので、ソロキャンプを趣味とする厳とは住んでいる世界は違うだろうが、これに関しては厳のほうが変わっているように見える。

厳にはあまり良くない思い出があるのかもしれない。テントを張るだけで嬉しがる雫を見て(こんなヤツもいるのか…)とどこか遠くを見るようにしていたあたり、なんかあったんかもね。少なくとも一緒にいてつまらない系のことは言われたんだろうね。そうして孤独の道へ……。

ふたりソロキャンプなるもの

という厳に、キャンプの魅力にハマったパリピ女が、ワイワイ騒ぐのではないソロキャンプ道を教わるべく、ふたりソロキャンプなるものを始める、ということで、なんともラブコメチックなムードがある。

もっとも、厳はふたりソロキャンプなんて言葉遊びだ、とにべもなく言うわけだが、それはまったくそのとおりで、恐らく全読者が読みながら突っ込んでいたことではあろう。が、雫はめげずにうまい飯を作り「ふたりソロキャンプルール」なるものを作り、そして「つまらなくなんかない」と訴えかける。

この「ふたりソロキャンプルール」はうまいなと思った。まぁ適当感満載のルールなのだが、それでも一応は明確に線を引くことによって、ふたりソロキャンプが単なる言葉遊びから、一つの概念になった。これは持論なのだが、何かを作るとは制約を課すことではないか、と最近思う。まぁ本作はそういうテーマの作品ではないので深入りはしないが。

この後ふたりソロキャンプルールが増えるのか、そのまんま忘れされるのか、個人的には活かしてほしいと思う。

というわけで、いい年こいたオッサンが、キャンプが好きな……女子大生?くらいのきがする。OLではないような。何にしても、一回りくらい若いっぽい女子とキャンプでラブコメ、というある意味ハーレムちょいエロ漫画を超えた漢の夢を描いた漫画といえるかもしれない。そのうちに続きもポチりたい。

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