
敷誠一, 藤村くんメイツ, 第7巻
↑彼女がいっぱいだよー。由緒正しきハーレムラブコメ。
基本情報
全8巻。作者・敷誠一。ハーレム漫画。本当にハーレム漫画。世の中ハーレムを謳っておきながら全然ハーレムじゃない漫画が跋扈する中、この漫画は正真正銘のハーレム漫画である。
…確か安売りか無料配布か忘れたけど(電子書籍)、この漫画の第1巻を試し読み感覚で読んでみた時、主人公とヒロインのやりとりがすごい好みだったので、それで全巻買いしたんよ……だからこの漫画については正直ハーレムとか望んではいなかったんだけど。ヒロインはみんな可愛いんだけどね…。
だいたいこんな感じ
由緒正しきハーレム漫画。ラブコメでありギャグ漫画である。根はいいやつの不良学生藤村に、彼女がいっぱいできる話。羨ましいことで。
最初はヒロインの宇佐美えりこだけなんだが、徐々に人員が増えてきて、最終的には4人がヒロイン、しかもちゃんとお付き合い前提、ハーレム前提というのをヒロイン間の間で共通認識されているのが大きな特徴。ヒロイン間でなにか協定のようなものが結ばれているのである↓。

敷誠一, 藤村くんメイツ, 第6巻
ヒロインは基本ボケで、主人公がツッコミをかまして話が回る。ギャグは面白いと思うが、ちょっとノリが古臭いような感じはしなくもない。話のテンポはよい。
ハーレムラブコメとしてはなかなかのもの。ヒロインが複数いるけれど、皆それぞれ魅力ありでキャラも被らず、誰か一人突出することもない。主人公もそれなりに好感度が高い。ラブコメとして理想的なだけに、ヒロインの一人が好きで読んでいると、ちょっとつらい。またヒロインがみんなよくできてるんだわ。
人物
主人公と愉快なヒロインたち。
藤村
セクシーアピールポイントが乳首のツッコミ型主人公。いわゆる不良だが、腕っ節が強いだけで不良という感じはしない。だいたい学校が進学校である。ちゃんと勉強しているのだ。だが絡まれている女の子をボコボコにして病院送りにしたせいで、周囲からは怖がられている。女の子に絡んだからって全員病院送りは明らかにやり過ぎなので、仕方ないといえば仕方ない。
硬派ぶっているものの、複数の女子に言い寄られてまんざらでもない感じがアリアリとでている童貞オーラはご愛嬌。ハーレム主人公に必須ともいえるスキル優柔不断、ヘタレを彼もまた兼ね備えている。ただし、朴念仁属性はあまりない。たまに見え隠れする程度。
ヒロインの気持ちを無下に扱いがちなのが玉に瑕だが、時折言い過ぎたとかやり過ぎたと反省したり、一緒にいて楽しかったという気持ちは伝えるべきだとやけに真摯になったりもする。時々素でヒロインたちの言動にドキッとすることもあり、その際は割と素直にデレるため、ヒロインたちからはツンデレの評価を得ている。

敷誠一, 藤村くんメイツ, 第6巻
というより、好意を受け止めるのが照れくさいのだろうし、またそれを意識するのも自意識過剰っぽくて嫌なんだろう。ヘタレだヘタレ。
贔屓目かもしれないけど、やっぱりえりこに対するツッコミが一番キレッキレだと思うんよ。
最終話の彼の自覚はなかなか感慨深い。あとお姉さんを僕に下さい。
宇佐美えりこ

ヒロイン。常に↑のノリで藤村を翻弄する。個人的にはすげー好みで、だいたいこの漫画を一気買いしたのも1巻の藤村とえりこのやりとりがツボったからなんだ。しかし、一応メインヒロインっぽくはあり、多少優遇されているような気はするのだが、悲しいかな、この漫画はハーレム漫画なのであくまでヒロインの一人である。しかもちゃんとしたハーレム漫画なので、基本的にヒロイン差別が少ない。そう、優秀なハーレム漫画はヒロイン格差が広がらないようにしなくてはいけない。ハーレム漫画に突出したヒロインがいてはいけないのだ。
というわけで、8巻というそれなりのボリュームでも、どうしても存在感は他ヒロインのために割かれてしまう。残念。
高性能下ネタ変換器で、天然ぽいが、かなり自覚的に狙った言動だと思われる。不意に藤村からアタックを受けたり、恥ずかしい行動をしてしまったと気づくと、対応しきれずにテンパることもある。
占部しづる

敷誠一, 藤村くんメイツ, 第2巻
生徒会長であり、また生徒会長っぽい振る舞いをするが、その実は残念ガール。えりこが半ば計算づく、というか自覚的に藤村を翻弄するのに対し、完全に天然ボケで藤村を翻弄する。それなりに整った容姿をしているが、あまりの残念ぶりのために作中評価においても異性としての魅力は微妙らしく、藤村がえりこやすばると付き合うと呪いの目を向けるモブたちもしづるの時は頑張れよとなる。
しかし反応がいちいちウブで、この濃い面子の中でたいへん可愛らしい。また、そのポジションのためか逆にヒロインの中では結果的に一番役得を得たりと、なんだかんだで美味しい。キャラ単体で見ると一番魅力的かもしれない。
弓塚すばる

敷誠一, 藤村くんメイツ, 第3巻
いかにもな萌え系ヒロインと見せて元ヤンからのデビュー。アニキつまりそれはお兄ちゃんという変化球。藤村の強さに惚れる。乙女チックなところがありつつ拳で己を語れなところもあり、けっこうな漢。藤村も漢の理屈でこられるとけっこう弱い。時折ちらつかせるヤンキーの顔が好き。
氷室晶

敷誠一, 藤村くんメイツ, 第3巻
クール系天才少女。慇懃無礼な毒舌家。副生徒会長だがしづるのことはまるで敬っていない。面白い玩具くらいに思っていそう。しかしなんだかんだでいいコンビ。実際トップがしづるで補佐が氷室みたいなチームは割とうまくいくと思う。
ちょっと微妙な立ち位置ではあるが、ちゃんとヒロインである。割と初期から出ているが、基本的に他ヒロインを藤村にけしかけて面白がるだけで、この子はヒロインじゃないのかな?と思わせておいてのヒロインなので、デレの破壊力が高い。
総評
ハーレム漫画は数あれど、一応少年漫画でハーレムを貫き通すのはけっこう珍しい。本作はその珍しい例なのでハーレム好きには良いと思う…けど正直藤村とえり子だけでもよかったのにとも思う。他のヒロインも可愛いけどさ。
コメント
コメント一覧 (4件)
ガンオン黎明期の懐かしい漫画ですねぇ
4巻までは買ってた記憶があったのですが
途中で単行本集めるのやめちゃったんですけども…
連載は最終回まで読みました…悪くないオチでしたね
あー、そういえばそんな頃でしたか
2010年作品ですが、本棚見ると2014年くらいに見てるんで、だいぶ後追いですね自分(今もほとんどそうだけど)
最後までハッピーな漫画でした
「予知能力まんが・九能ちよ」の作者の漫画ですね。
この人の描く漫画は優しい世界で好きです。ちょっと毒気に欠けるので面白味はないですが。
そうですそうです。そして九能ちよは積ん読状態の一冊です(思い出した)。読むか……。
毒気はないですね。なのでギャグではなく、どこまでもコメディと言いますか。
それだけに安心して読める作者さんとも思います。5-6巻くらいがちょうどよい感じです。