『葬送のフリーレン』10巻感想:老いぼれジジイ最後の戦い

created by Rinker
¥583 (2025/01/13 01:07:06時点 Amazon調べ-詳細)

本当は11巻まで駆け抜けてから10-11巻でまとめて1記事にするつもりだったんだが、思いのほか10巻が面白かったので記事を書き始めてしまった。

歳を取ると嫌なもので、ドラゴンボールでは熱くなれなくなるのだが、マハト戦は面白く読めている。単なる力比べではなく、さりとて何故俺たちは戦うのかを説明するばかりの口喧嘩でもない。一方でvsソリテールのほうはそんなに心動かされるものもなかった。不思議なものである。

以下10巻感想。

目次

話の内容

  • ほぼ全編にわたってジジイvsマハト
  • グリュックとマハトの馴れそめ
  • 趣味は人間観察のソリテールによる結界解除
  • フリーレンの睡眠学習

老いぼれジジイが面白い

11巻まで読んでから記事を書こうと思っていたのに、この10巻で記事を書き始めてしまったのは、思いのほかマハト戦を楽しめている自分に気づいたからだ。歳を取ると基本的にあまりバトル展開は楽しめないもので、実際フェルン・シュタルクvsソリテールのほうは割とやや駆け足気味に卒読した。それにも関わらず、フリーレン組でもない老いぼれジジイの戦いはじっくりと読んでしまったのだから、物語というのは不思議なものである。

これはデンケンの戦いだが、同時にマハトの話でもあり、グリュックの話でもある。この3人の人生が一つの戦いの中で交錯している。局地的にはデンケンvsマハトにもなるが、それ自体はより大きな戦いの中にある1シーンに過ぎず、局地戦が全体の勝敗を決めるものではない。しかし局地戦それ自体も楽しく、デンケンが呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)でマハトの魔法を反射したシーンには感じるところがあった。

ミステイルジーラは習得に100年かかるものらしく、通常人間には習得できないものであるらしい。これを一級魔法使いの特権で、ゼーリエより授かった形だ。フェルンが着物を綺麗にする魔法というくだらないものを頼んで反骨を見せたのが若さの余裕ならば、目的のために実利を求めたデンケンの態度は、人生の残りを強烈に意識した人間の切実さと言えよう。この老いぼれは若者よりも必死に生きている。

フリーレンくる?

そんなわけでデンケンの生き様が非常に面白く感じられたので、彼の最後の悪あがきであるこの戦いもまた面白く読めたわけだ。そしてデンケンのテーマは、終わった恋を顧みる旅の真っ最中であるフリーレンにも通じるところがあると思われる。11巻は彼女が主に戦うのだろうから、物語の主人公として話の中心にたってもらいたいところだ。

なおマハトとグリュックの悪意にまつわる話は、興味深いところではあるけれど、今のところ俺はそんなに語る気にはならない。ただまぁ、悪意の話は多くの人にとって思うところはあるだろうとは思う。11巻次第では語りたくなるかもしれないしならないかもしれない。

魔族にラブはない

ところで本サイトは一応ラブコメ漫画がテーマであるはずなので、一応ラブコメ的な見方もちょっとしておくと、魔族のラブコメは相当厳しい、ってか無理。人間のサイコパスでも無理なのに、さらにそのうえをゆくものだろうから、恋情ともっとも遠いところにいると言わざるを得ない。魔族に恋をした人間の話なら可能だとは思う。

あとはグリュックとマハトが異性(魔族に性別ってあるの?)だった場合、二人の関係には多少そういった見方を出来なくもない余地はありそう、くらいが限界かなぁ。しかしそれもやはり本質的にラブではないよなぁと思うしね。

まぁアウラにせよソリテールにせよ、姿は可愛いのでラブコメは無理でも薄い本は可能なんじゃないか。あんのかな、と思って調べてみたらアウラけっこう人気で笑った。

ってわけで次は11巻でございます。

created by Rinker
¥583 (2025/01/13 01:07:06時点 Amazon調べ-詳細)
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次