死人の声をきくがよいのひよどり祥子の、うぐいす祥子名義な短編集。何がすごいって掲載誌アオハルなところやね。いや妙に色っぽい話多いなと思ったけど。でも全体的にはいつもどおりよこれ。
耽美系の双子を出せば許されるのだろうか?と思ったが後書き読む限りやはり雑誌読者的にはあまり許されてはいなかったらしい笑
以下感想。
色っぽい話確かに多いんだけどさ
確かに、男女の機微に関する話がいつもより多いっちゃ多い。なんか恋愛系の話多いな−とは思いながら読んでいた。しかしアオハルとは…w
↑一人の男をめぐる命をかけた女の戦い(物理)!アオハル読んでる時にこれきたらコレジャナイ感すごそう。溢れ出るB級感。これをのっけていたことに感動したよ。
テーマ的に恋愛めいたところもあるっていうだけで、別に萌えないし、だいたいいつもどおりなんよね。死人の声をきくがよいの早川さんが生きている時の話くらいだったらいかにもーって感じはしそうだけど、でもそんなことは絶対しないんだろう。
表題の双子兄妹の話は確かに妄想膨らむ
どの作品も面白かったけど、恋愛をテーマにすればいいんでしょ的な心理が見え隠れする他の作品より、やはり耽美な双子の兄妹と、高い時給に釣られてゾンビにさせられた桜井の話、フロイトシュテインの双子が一番ラブコメ的に美味しい。いや別にラブコメするわけじゃなく、けっこうちゃんとホラーな雰囲気も出ているんだけれど↓。
ぞっとするような狂気の微笑み。しかしどこか美しい。こういう耽美な双子ってのは、それだけで一つジャンルやもんねぇ。こう、妄想が膨らむんよねぇ。特にまだ幼いということで、ユニセックスな感じで、二人の服を交換していたり、二人でセーラー服来ていたり、逆に男子の服をきてたり。いやーいいなぁ。
↑そんでこの寝室。この寝室がまた妄想膨らむ。枕2つ。揃って寝ている姿はさぞ絵になるんだろうなぁ。
そして同時に、これは二人が桜井を気にかけているシーンでもある。なんのかんのいって、仲良くなるんよね。桜井は教育者として情熱を持った人間であるし、二人は最初の生徒ということになるから、やはり憎からず思うところはあるのだろうし、双子にしてみても、色々あっても自分たちに愛情注いでくれているのはわかっているんだろうし。
そんなこんなで、書きおろしの最後ではちゃんと双子の桜井に対するもデレも見られて、けっこう満足。双子同士の絡みは妄想膨らむし、桜井と双子のやりとりもほっこりできるし。案外ちゃんとアオハルしてたのでは。
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