表紙だけ見てけっこう前の漫画かと思ったけど、2008年アフタヌーンらしい。アフタヌーンと言われるとなるほどという気がする。
内容はピンボール x ラブコメなボーイ・ミーツ・ガール。ゲーセン系ラブコメっていうと、今だとどうしてもハイスコアガールを想起してしまうが、こっちのほうが早い。それにハイスコアガールは実はそんなにハイスコア出さないし(格ゲー中心なので)。でもこっちもハイスコア出すのはガールじゃなくてボーイなので正確にはハイスコアボーイか。どうでもいいか。
一巻読み切りでさくっと読めて面白かった。以下感想。
ピンボールを通して語られる人生観
ピンボールが好き過ぎるヒロイン・山田の、ピンボールのハイスコア超えたら付き合ってもいいよという条件を真に受けて、平々凡々な人生を歩んでいた主人公・深町がその世界に入っていく話。山田に気に入られるべく深町は連日ゲーセンに通い、そのアナログなマシンにのめり込んでいく。
印象深かったのは、ピンボールというゲーム、それも21世紀にハマるにはアナクロ過ぎるゲームを通して語られる人生観だ。元はと言えば、深町は自分の人生をつまらないものに感じていて、少しでも変化が欲しくてダメ元で山田に告白するのだが、ピンボールを通して、深町は人生を楽しむこととピンボールを楽しむことは、そんなに違いがないと悟る↓。

そうして、最初は恥ずかしがっていた揺らしを、思いっきり魂込めてバンっと叩くようになる。人生で初めて真剣になった瞬間だ。ゲームが無意味なのは、楽しんでいないからだ。それは人生も同じだという、メッセージ性に溢れている。
好きな女の子に気に入られたいという下心からがきっかけだったが、気づけばそれだけの存在ではなくなっているのは、実に良いボーイ・ミーツ・ガール。ラブは夢中になるまでの理由付けとしては十分過ぎる万能要素だが、それで終わらないのが良いラブコメ。
夢中になる姿は男も女も魅力的だよね
読者にとっても、ピンボールというニッチな題材を読ませるのは王道のボーイ・ミーツ・ガールである。ラブコメだから続きも気になる。ただ絵柄が福本伸行っぽい感じは否めない…↓。

ぐぎぃ〜〜っ!!!!はもう完全にカイジ。萌えるかと言われればなかなか厳しいもんがあるね。その分純粋にボーイ・ミーツ・ガールを楽しめるとも言える。
最後まで読むとこの子がけっこう可愛く思えるから不思議。夢中になる姿って、男も女もいいよね。
ただ、ヒロインは読み切りのほうの、店員とその常連のほうが好みかも↓。

デフォルトで目が据わってるのがいいな。この後男は寄るな変態と罵られる。仕方ないね。なおこの主人公はキモいからという理由で本編では変えられた模様。仕方ないね。
容赦なく殴るヒロインだけど、男のほうもこれは殴られても仕方ないなって感じのキモさだからある意味ちょうどいい。ラブコメとしては、こっちのほうが好きだな俺笑
Kindle版は安いかつKindle Unlimitedなら読み放題に入っていてオススメ。
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