原作 伏見つかさ, 作画 rin, キャラクターデザイン かんざきひろ, エロマンガ先生(漫画) 1, 2014
義理兄妹でラノベを作るラブコメ浪漫ストーリー。言わずとしれたラノベ原作。漫画家漫画ならぬ作家小説……の漫画版。
原作は俺妹の作者さんということで、ほんとに妹ものが好きなんですね。。。今回は義理だけれど。まぁ安心してくっつけられる?
ラノベ系のラブコメは、漫画のラブコメとはまたちょっと趣が異なるので、できれば手を出したいのだけれど、なかなか時間がなくてついコミカライズを先に手にとってしまった。まぁ最近のコミカライズは外れ率低くなっている気がするし……。
なんだかんだ、一気読みしてしまった。以下1-7巻感想。最新の8巻は半額じゃなかったからgetせず……まぁそのうちね。
原作未読だが期待してよいかな、と思い
あまり原作未読の状態で、コミカライズは読まない派なんだけれど……つい読んでしまった。半額セールしていたのと、ライトノベルとはいえ小説を読むほどの時間がなくてな……。
まぁそもそもなんでコミカライズを原作未読で読まないようにしているかというと、コミカライズというジャンル自体が地雷原だからだ。原作がどんなによくても……いや、原作がよければよいほど、原作未読でコミカライズを先に読んだ時、それが地雷であった時のショックは大きい。感動を薄めただけのネタバレの紙束を読むのに等しいわけだから、金と時間を使って人生の喜びを一つ失うようなものだ。
だがコミカライズは地雷率が高い。序盤だけやけに丁寧で中盤移行は音速ジェットで飛ばし挙げ句俺たちの戦いはこれからだをぶちまける、はじめチョロチョロ中パッパ作品ならまだマシで(少なくとも最初は丁寧に描こうとしたのだろうと思われるし)、原作のハイライトっぽいところを切り貼りして繋げた愛のないアルバム風味のものや、動きのない能面主人公とヒロインによるぎこちないフォークダンスみたいなもの、謎の原作改変によってもはや別物化、など、まぁ色々な地雷のパターンがある。
ただ、その手のやつは基本的にだいたいどれも短命であるので(逆に言うと、そこそこの長さの原作なのに2,3巻で完結しているやつはほぼ地雷と思って間違いない)、割と長く続いている本コミカライズは、けっこう期待してもよいんじゃないのか、と思ったわけだ。既に8巻まで出ているし。
地雷原ではあるけれども、良いコミカライズもやはりあるからね。それだけにタチが悪いと言えるかもしれんが……まぁでも最近は地雷率も下がってきている気がする。企画先行で、ファングッズ扱いだった時代から、メディアミックスとして作品の一部という意識が高まってきている、とかだったりするのかしら。内部事情は知らんけど、そうだったらいいな。
漫画として面白く読めた
ということで、原作も有名であるし、かつ長く続いている本コミカライズなら、まぁ大丈夫かな?と思って読んでみた。最近のラノベコミカライズには良いものも多いし。
はい、良いものでした。。。
そりゃまぁ、小説→漫画に変換しているわけだから、どうしても情報量は減ってしまうし、なによりも人物の心情描写なんていう抽象的で文字媒体が得意とするところは、多分やりきれていないところがあるんだろうなと思う。マサムネくんの告白とか割と唐突感あったし。コミカライズだしなー、と差っ引いて読んでいた部分は正直ある。漫画主体だったら満足できたかと言われると、そこは正直に言うと微妙かもしんない。
でも、そんなに違和感もなかったんだよな。文字だらけ、モノローグだらけにしないで、それでいて絵の魅力を存分に使ったサービスシーンやキャラクターの愛らしかったりかっこよかったりする表情や佇まいが描かれていたのだから、これはきっと良いコミカライズ。漫画として面白かったし。よかったなぁ。
あとがきを読んだ感じだと、原作者さんも監修に力入れていたのかな。原作からあえての改変を原作者さん自ら主導されたようだ。アニメは原作者が口出しするとあまり良いことにならないみたいだけれど、コミカライズの場合は割と功を奏することが多い気がする。NHKにようこそとかも面白かったよなぁ。きっと、漫画と小説は本質的なところが近いんだろね。
妹以外は当て馬なの?それとも…
さて、コミカライズとしての感想はそれくらいにしておいて、作品自体の感想を。
原作が作家小説ということで、漫画でいうところの漫画家漫画なわけだが、やはり皆さん自分の職業に一家言あるのはどこの世界でも同じようで、ところどころ展開される持論が熱い。まぁそういうのは行き過ぎると鬱陶しかったりもするのだけれど、本作品はバランスが良い気がする。主人公の正宗くんが割と熱血ベースでいながらも他者のスタイルを受け入れるニュートラルな男で、かつ売上至上主義者に自己満足至上主義者と、正反対の両者が立ち並んでいるからかな。
まぁそれらがだいたいイケメン美少女なのはご愛嬌。そこはそれ、ラブコメ浪漫。いいの。浪漫だから。『理系が恋に落ちたので証明してみた。』とか、こんなイケメンと美女しかいない理系の研究室あったらずっと見ていたいわ(とても入りたいとは言えない)と思ったものだ。
そしてそんな彼ら彼女らの繰り広げる恋愛模様。どうしてもハーレム系なのは、ラノベの大御所だとそうなるんだろうか。まぁ漫画も目立っているのはそれ系か……。この手のやつは、最後の最後にお葬式ラッシュがきて凹むんだよなー……世の中には片思いキャラの玉砕シーンにときめく業の深い人もいるそうだけれど、自分はフツーにイチャイチャしているところを見ていたい派なんですよ。。。玉砕は凹む。正宗くんがいいヤツだけに凹む(ってかこの子、精神年齢が既に20代…いや30代になってない?)。
順当にいくと、やっぱりエロマンガ先生こと紗霧なんだろうけどなぁ。このタイトルだし。人気も一番ありそうだし。妹だし。原作者さん絶対妹キャラ大好きでしょう?俺妹は、決して一番人気というわけではなさそうでかつ、本物近親というハードルを乗り越えて……だしさ。そこへいくと義理の兄妹だからハードルも低い……いや待てよ、ガチ的にはむしろマイナスなのか?
この界隈、昔から近親好きは多いもので、特に野郎向けだと妹キャラはそれだけで人気が出るもんだが、案外ガチは少ない印象。まぁ実際、近親系は兄弟愛と異性愛の境界線上でイチャイチャしているのが、ラブコメでは一番映えるのはそうだろう。明確に異性愛の領域に踏み込むと、途端に冷めてしまう人はけっこういるようだ。
やっぱ、なんだかんだいってタブーなんだろうね。そっちの世界では、近親回避として義理の兄弟、というものが産み出されたわけだけれど、今なおその文化は続いているし、ラブコメ界隈で量産される義理の兄弟関係は、規制の産物という側面以外もありそうだ。
それだけに、ガチ近親派のガチへのコダワリは強い。紗霧が「妹になりたくない」と言うのは明らかに「妹じゃお嫁さんになれない」ということを含んでいて、まぁ近親否定みたいなもんだから、これはガチ的な見方からするとむしろマイナスなんじゃなかろうか。
そうすると、かわいいかわいい山田エルフやイッちゃった感満載が魅力のムラマサが正ヒロインになる可能性も……というのはまぁ言ってみただけで、どう考えても今の所この話は正宗と紗霧の兄妹ストーリーとしか思えないから、きっと皆さん当て馬なんでしょうね。。。それとも、原作では他のルートが考えられる展開になっているのかしら……。
実は原作もgetしたから読もうとは思っている。どうにも最近、漫画以外の娯楽に触れられていないし。その漫画も7割型……いや8割くらいかもしれん勢いでラブコメ。そんでたまに別のと思ったらラブコメライトノベルって、我ながらどうかと思う。俺の脳は順調に退化しているようだ。
コメント