『エロマンガ先生(漫画)』8巻感想:コミカライズを語るコミカライズ

伏見つかさ, rin, エロマンガ先生(漫画) 8, 2019

漫画を語る漫画は数あれど、今回は珍しいコミカライズを語るコミカライズ

マサムネの原作がついにコミカライズされることになったのだが、作画として原作者の兄と二人で作品を作ってきたと自負するエロマンガ先生は納得がいかない。しかしメディアミックスは喜ばしいことであることは頭でわかっているので、コミカライズなんてしてほしくない本心を押し殺しつつ漫画家選定で無茶を言う展開。

コミカライズ作者さん、どんな気持ちでこの展開のコミカライズしたんだろー。まぁでも本作は相当に恵まれたコミカライズであることは間違いない。以下8巻感想。

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コミカライズの話

今回は、マサムネの原作がコミカライズされることになってのてんやわんや。メディアミックスということで、原作者としてはめでたい限りなのだが、作画のエロマンガ先生は心中複雑な模様。自分以外の誰かが作画を担当するということに、我慢ならないらしい。でも一介のプロとしてメディアミックスは歓迎すべきことだ、ということもわかっているらしく、表立って反対するわけではない……が、そうはいってもまだまだ子供、どうにも不機嫌だ。

で、二人で話し合うわけだが……。「エロマンガ先生」と言っていたマサムネが、不機嫌なパートナーを見て「……紗霧?」と呼称を変えるの好き。複雑な関係だよね。

だがそれ以上に面白いのは、これが「コミカライズを語るコミカライズ」であるというところで、これは中々ないというか、少なくとも俺は初めて見た。これ、コミカライズ作者さんはどういう気持ちで描いたんだろう。だいぶ緊張感があったんじゃなかろうか。こんだけ語っておいて、このコミカライズがダメコミカライズだったらどうしようって話だよね。

良いコミカライズだよね

が、本作はコミカライズとしては恐らく相当に良いと思われる。俺はこの作品については原作を読んでいないのだけれど、少なくとも「原作を知らない」ことによる置いてけぼりを感じたことはない。コミカライズでは、原作を知らないとついていけないってほんとよくあるんだ。むしろそっちのほうが多いといってもいいくらいだ。

コミカライズってマジで地雷原だからなぁ。原作があるに違いないと確信させる説明的な描写の羅列「小説か!」状態とか、原作のダイジェストのごとく、見せ場と思しきところを切り貼りしたような継ぎ接ぎ感故の、絵だけ盛り上がって話が盛り上がってない感じとか、初めはやたら丁寧なのに中盤から突然ロケットダッシュして打ち切り、始めちょろちょろ中ぱっぱ、蓋取る間もなく終わるやつとか、まぁ色々ありまして。

が、本作はそんなことはまったくなく、原作ないよ、と言われても納得できるクオリティ。漫画として再構成されているのだと思う。

もしかして、けっこう原作者さん関わっていたりするんだろうか。アニメ化では原作者が関わるとろくなことにならない、という通説があるようだけれど、コミカライズについては、原作者さんが積極的に関わったほうが良いものになる気がする。まぁ、実際漫画は原作と作画に分かれているパターンも多いしね。

原作の作画さん的にコミカライズってどうなんだろうね

まぁそんなこんなで、あるみちゃんが漫画の担当をすることになり、エロマンガ先生もそれならば……と納得する。

エロマンガ先生的には、「自分に似た絵柄」は譲れなかったらしいが、実際のところ、原作の作画の人はどう思うものなのだろう。この作品も、原作の作画は違う人よね。

俺は絵に関してはあまり拘りがないので、原作に似ているかどうかなんかはあまり気にしなくて、うまいこと再構成できていればいいと思っている。はがないのコミカライズとか、絵は原作と全然違うけれど、漫画としての完成度高いなーと思ったし。

でも、原作の作画さんとしては、自分と全然違う絵柄でやられたら、思うところあるんじゃなかろうか。プロとはいえ、創作である以上、「あ、ビジネスなんで。どうでもいいっす」とは割り切れなかろう。特にライトノベルなんて、絵さえよければ売れるなんてことすら言われることもあるくらい、イラストの影響が大きいわけだし。

まぁもちろん、絵さえよければなんてはずはない。客を引きつけるのはイラストかもしれないけれど、客を繋ぎ止めるのはお話。だからゲームでもライターは大事なわけでさ。特にソーシャルゲームみたいに継続性が重要なやつは、ライターにも力入れないといけないと思うんだけど、なんかアレなの多いよね……って話が逸れた。

まぁとにかく、イラストもライトノベルでは非常に重要なので、紗霧ほどとは言わずとも、色々モヤモヤしたものがある原作の作画さんは多いのかなぁとちょっと思った。

でも、本作については原作とも絵柄も近いし、あらゆる意味で、コミカライズのお手本と言ってもいいくらいかもしれない。

ということで今回は、原作が小説家小説故に起きる、コミカライズを語るコミカライズという、珍しいかつ面白い内容であった。

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