『ディーふらぐ!』165話感想:ナンセンスギャグの逆をいけ

165話来ていたので。164話は以下。

前回15年目にして超ティピカルなラッキースケベをかますという、本作どころかそういえば作者さんの作品とおして珍しいなぁと思われるラブコメ展開だったのだが、今回はその解説回。……解説?作中で解説されたら何も言うことないが?

以下ないこともない165話感想。恋愛戦争に毎回しれっと顔出してる桜いいよね。出すだけだけど。

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ラブコメレビュアーズ

今回はラブコメを一発やってしまって気まずくなっている風間と高尾なんだが、その空気に(恐らく作者さんが)耐えられないのかモブが解説を始めるという謎現象。

普段の俺で草。割と楽しそうだな客観的に見ると。

解説をどれくらい作中でやるかに、作品の個性は反映されるよな(読者個人の好みがわかれるところでもある)。基本的には「説明しすぎると野暮で無粋」であり、「顔や背景で語らせる(なんなら空白で語らせる)」のが漫画的には粋であろう。しかし説明しなさすぎると「意味がワカラナイ」という状態になり、それを突き詰めるといわゆるナンセンスギャグのような体裁になる。起承転結をバラバラにして増やしたり減らしたりして無秩序に並び替えたような感じ。

それに対して、セリフなどでよく説明してくれる漫画は、なんといっても「わかりやすい」ので、すっと頭に入ってくる。それはそれで物語にのめりこみやすいのだが、やり過ぎると「無粋」で、まるで丁寧な参考書を読んでいるかのように「よくわかるけどつまらない」ものになる。上記の作中セルフレビュアーズは、ナンセンスギャグとは逆に「説明する」を突き詰めた形のギャグといえる。

そしてこれをやられると、レビュアーズのレビューになってしまうので、感想書きとしてはつらい笑

ラブコメのターン!

ツッコミには「解説」の側面があるので、本作もそうであるように、ツッコミが目立つ漫画はわかりやすい傾向がある。しかもツッコミなので説明的という印象を感じさせず、物語の邪魔をしない。それだけに時には「面白いんだけどもうなんも言うことねぇ」くらいのやつもあって、たとえば月刊少女野崎くんあたりはそういう印象を受ける。

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そこへいくと本作は、風間がいるときには全部言ってくれる(さすがにレビュアーズモブほどではないが)のだけれど、群像劇であるためにいないことも多いし、また何より、ラブコメのターンになると急に口数が少なくなって、読ませてくるところがある。普段のうるさいくらいのノリとのギャップで、「急に始まったやん」という気分だ。本作はギャグ漫画の体裁だけれど、まぁぶっちゃけ面白いのはこのラブコメのターンなんよね……だからこそ続いているんだとも思う。

ということで高尾との愉快なラブコメターンはいったん区切りをつけるが、そこに釘を刺して余韻を残すのが本作っぽいくらいのバランスだなぁと思う。

「なんか近くない?」にしれっと入っている桜いいよね。割と焚き付けるほうなのにいざベタつかれるとちょっとイヤそうなのめんどくさい。芦花はお前入ってろ

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 風間「なんで今日に限ってそんな『女』なんだよ?」
    高尾「は?ずっと女でしたが?」

    自分的に今回の肝はこのセリフですわ。ここまで来るのに長かった…。

    • 普通に考えてハイライトはそこなのに、最後のコマでちょっとでてきただけの桜を見てしまった自分は、なんだかんだで桜派なんだと思いました。
      というか多分こういうめんどくさい子がキャラとしては好きなんだろうなぁ……(桜は本作では珍しい本当にめんどくさい子なので)

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