『亜人ちゃんは語りたい』人外学園教師生徒ハーレムラブコメ

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精一杯のバンパイアらしさの図
ペトス, 亜人ちゃんは語りたい, 第1巻

一言でいうと亜人のハーレムラブコメなのだが設定のディテールに凝っている。亜人が人間社会で共存していて、なおかつマイノリティとして色々と微妙な境遇にもあるという、クローズアップ現代で取り上げられそうなテーマ観がある。亜人自体が上図のごとくそんな強烈なものでもなかったりする(デュラハンはすげーが)。

基本情報

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亜人ちゃんは語りたい - Wikipedia

ペトス「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」インタビュー (1/4) - コミックナタリー Power Push

2016年1月17日現在、第2巻まで。著者のペトスは初めてみるなー、と思ったらデビュー作みたい。

だいたいこんな感じ

亜人と人間が共生する社会を舞台にした、学園ラブコメ。主人公は生物教師のオッサンやでーオッサンファンタジーやでー。いや実際のところハーレムってほどハーレム的ではないんだけどね。距離感が教師と生徒にしてはちょっと近いかな?ってくらいで。なおヒロインは生徒はもちろんオボコな教師(サキュバス)まで色々だけど、全員亜人というところは一貫している。というか人間キャラ自体がほとんどいない。

亜人が出てくる漫画自体はなんにも珍しくないけれど、これがちょっと特殊なのは、亜人が見える人にだけ見えるような存在でもなく、さりとてまったくノーマルな存在でもなく、学校に一人いるかいないかレベルのマイノリティとして扱われているところ。亜人はデミと読め的な、いかにも現実社会にありがちな言葉のニュアンス問題などもあって、そのへんの機微が面白いところではある。さらに思春期ということもあり、下図のような性的な話にもけっこう突っ込む

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バンパイアにとって吸血の性的な意味合い
ペトス,亜人ちゃんは語りたい,第1巻

この設定の細かさは好きじゃないと描かないよね。亜人の第二次性徴がどんなんかとか大真面目に考えてるんだろうな作者。いいなそういうの。

悩める生徒はメインヒロインと思しき元気っ子なバンパイア、照れ屋なデュラハン(頭と身体が分離)、定番雪女、オボコなサキュバス教師(処女)と色々取り揃えられております。特にヴァージンサキュバス先生は個人的にヒットというか年齢もピッタリだしもうこの人ヒロインでええやんと思ったり何だりダメかねー。

なんのかんのいってもハーレムラブコメです。はい。どっかで「キャバクラ漫画」って言っている人がいて笑ったわ。ハーレム系のラブコメはそんなもんだけど、この作品の場合特にそういう傾向はあるかも。ハーレムとは言ったけど、高橋先生真面目だし、実際に一線越えちゃうの?っていうとそこはちょっと疑問。歳の差もあるし、恋愛というよりもちょっと近すぎる教師と生徒の距離感くらいなんで、邪険な言い方をすればキャバクラって感じるかも。でもラブコメはファンタジーですから。

逆に言うと、教師と学生なだけあって割と落ち着いたラブコメです。生徒に迫られて先生ドッキドキ!というタイプではない。割と教師と生徒の距離感が保たれている…が、教師と生徒というにはちょっと近すぎるのも事実なので、ラブコメやね。明確に高橋先生が好きっていう子もいる。

登場人物

メインの人物について軽く。

高橋先生(高橋鉄男)

亜人マニアな生物教師、高橋鉄男。ガッシリと筋肉質で頼れる体格。本当は亜人の研究したかったんだけどマイノリティ問題の厄介さとか色々あって今は高校教師。なんだそのリアルさ。自分の学校に亜人が何人もいることがわかって大興奮、彼女たちに接近し交流を深めていくのであった。教師、すなわち大人ということもあり、微妙な問題についても一つ一つ非常に大人な回答を用意していて、デリケートな話題が多いながらもけっこう安心して読める。ヒロインがだいたい生徒なので、年頃の悩みに一つの回答を与えるある種理想的な大人、教師像である。もちろん、主人公も一緒に悩むのだが、人生の先達感がすごい。

小鳥遊ひかり(バンパイア)

メインヒロインだと思う。バンパイアだけどアホっぽい。高橋先生からファーストネームを呼び捨てされる仲で、そのことは作中でも指摘される。ただし、恋愛感情があるかというと微妙。好意はある。

町京子(デュラハン)

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人生を謳歌するデュラハンの図
ペトス, 亜人ちゃんは語りたい, 第2巻

デュラハン。頭と身体が分離しているハイレベルなヒロイン。髪を長くすると頭を持ちづらくなるのでベリーショート。なんという実用に即したヘアースタイル。しかし乙女。家の中でのゆるさが好き。たいへんそうだが、頭と身体が分離していることを利用してけっこう人生謳歌している模様。頭だけテレビ見て身体だけお手伝いとかドラえもんの道具を借りたのび太くんみたいなことがデフォルト。上図のとごとく一人遊びもお上手。

高橋先生のことが好き。かわいい。胸でかい。デュラハンのヒロインって初めて見た。おもろい。デュラハンあるあるみたいなネタとか作者すげー楽しんで描いてそうだなぁと思う。

日下部雪(雪女)

出ました雪女。でも高橋先生との距離感はヒロインズの仲では一番生徒と教師っぽい。しかも割と信頼関係のある理想的な関係のようにも見え、ヒロインに数えてよいのかどうかは微妙なような…。雪女ってヒロインとしては定番すぎるし、ここは外してきそう。

雪女って言われてみると悲恋伝説ばっかりだね。お気楽な雰囲気の本作でも、この子の話は色恋絡まずとも湿っぽい話が多い。

佐藤早紀絵(サキュバス)

オボコなサキュバス。先生です。教師です。いい年です。処女です。高橋先生のことが好きです。結婚しちゃえばいいんじゃないかな。普段は野暮ったい格好をしているが、それは周りの人を欲情させすぎないための自衛策であるらしい。つまり本当はモテモテなんだけどモテ過ぎるから非モテを装っているというラノベの主人公みたいなお人。個人的にお気に入りです佐藤先生。

総評

落ち着いたハーレム系のラブコメです。ハーレムまでいかなくても、複数の女子といい距離感でラブコメできるので、好きな人ならいい感じ。亜人好きならより楽しい。そんな感じ。高橋先生落ち着きすぎてて、最後誰ともくっつかんのでは?というのが若干気にかかるくらい。誰かとくっつくんかねこれ。

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