『でびるち』2-5巻感想:少年漫画はいつだって愛と勇気と暴力

作・むすあき。全6巻なのだが、5巻までKindle Unlimitedにあったのでざっと読んだ。ちょうど3年ほど前まで連載していたようだ。内容はラブコメでありながら何故かバトルが始めるタイプのオタク少年向けラブコメで、良くも悪くも教師役不在ということもあり、オッサンになるとツッコミ不在の青臭さが鼻につくかもしれないし、一周回って懐かしく思えるかもしれない。

以下2-5巻感想。最後に愛は勝つ(物理)。

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愛は勝つ(物理)

この漫画もバトルが始まった。まぁ最初のほうでもなんとなくその萌芽はあったものの、5巻にもなると終始戦ってばかりいる。

まぁそれが少年漫画だと言われればそうかもしれないのだが、しかし本作はラブコメなわけで、第一話でヒロインの下着姿をお披露目するし、主人公はモテモテで常にラッキースケベに事欠かないし、登場人物の8割は美少女だし、どう見てもラブコメで、あまりバトルシーンは求められていないように思える。

しかし始まる物理的暴力の応酬。敵も色々と訳ありっぽいことを言い始めるやつが出てくるが、最終的に全部暴力でぶっ飛ばす。その強さは、なんかこう……想いの強さ的なものが多分に反映されたもので、まぁつまり最後に愛は勝つ

ラブという見えない定性的概念をわかりやすく戦闘力に落とし込むこんで、愛に白黒をつけている、というのはあまりにも穿った見方かもしれないのだが、実際、暴力は少年漫画世界におけるお金なんだなと思う。まぁハッキリ言ってしまえば動きのある口喧嘩みたいなもんだ。そして勝つのはもちろんいつだって主人公。その頼もしい姿にヒロインもベタ惚れだ。当ったり前だよなぁ?

まぁ本作の内容はどこまでもヒロインが好きな主人公が愛の力ですべてをぶっ飛ばす(物理)というものなので、正直それについてあれこれいうことはない。いったい何を言えよう。これがすべてだ。

想いの強さのような不確かなものを、物理的な暴力という軸に射影してわかりやすく決着つけるのは、本家のバトル漫画でもよく見られる。これをされてしまうと、「この世界はそういう世界なんだなぁ」以外に言えることがないんだよなぁ。何しろ、一つの軸にすべてが収斂されてしまうので。

あと1巻だけど

あと1巻で終わるのだけれど、最終巻だけはKindle Unlimitedに入っていないので、まぁもういいかな……。まぁもしそのうち入ることがあれば、読む、かもしれない……。

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