『でびるち』1巻感想：脳死で読める正統派ラブコメ

作・むすあき。2016年1巻。GANMA!。

なんとも懐かしい気分になれる正統派の野郎向けラブコメシーズン1。懐かしい気分になれるのは俺が歳食ってるからであって、小中学生の時に読んだらヒロインの下着姿でドキドキしたのかもしれない。さすがにもうドキドキはしないが、すべてが真っ当なので脳死で読める。

ヒロインはサキュバスのハーフなのだが、性的なことには疎い模様。でも滲み出ているのでムッツリさんと思われる。清純そうだけど本当はスケベは男の浪漫だねそうだね。いじめられる描写があるが、話を見ている感じではいじめられても仕方が無いような過去もあるっぽい。そんなところを茶化すでもなくシリアスに語られるあたり、シリアスよりの空気感といえる。

以下1巻感想。幼少期にサキュバスと契りを結んでいたいだけの人生だった。

懐かしい

懐かしい気分になれると書いたが、サイト初期に記事を書いていたので、そういう意味でも懐かしい。

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本作は漫画アプリのGANMAで連載されていて、当時のGANMAはだいたいの話が無料で読めたのでなんとなく読んでいた。結局読まなくなったのは、話がつまらなかったからというより、純粋に俺が漫画アプリを毎日起動できない体質だからだろう。

いまさら読んだのはKindle Unlimitedで見かけたから（そればっかり）。

ザ・ラブコメ

本作の内容自体は本当に正統派のラブコメといったところで、奇を衒ったところもなく、ある程度漫画を読んでいれば「ああね」となるものである。性描写はせいぜい下着姿くらいなので、イマドキのエロースに慣れていると中学生でも特段何も思わないかもしれない。ソシャゲのSRな女キャラのほうがよほどエロい格好しているしな。

ヒロインはサキュバスのハーフらしく、なんか強い力も持っているのだが、彼女以外の悪魔的なキャラは1巻時点では特に出てこない（あるいは実はでているのかもしれないが少なくとも明かされていない）。世界観はフツーの人間社会なので、そこは少し違和感を感じる。

やらかしているらしい

彼女はその悪魔的な力で過去にやらかしているらしく、そのため特に額に傷をつける結果になってしまった同級生の女子からは蛇蝎のごとく嫌われており、今なおいじめ行為は続いている？ようだ。そういう描写を真っ正面から描いており、ラブコメではあるもののコメ要素はけっこう薄い。

まぁ実際に被害にあった子がいるのであれば、少なくともその子が憎悪を抱いているのは仕方ないかと思う。女子で額に傷って割と本当につらいだろうし。だからといっていじめ行為を正当化できるわけではないが、特に被害を受けていない（というか美味しい想いしかしていない）主人公がナイト気取りで「お前らのことなんて俺には理解できねぇよ」と啖呵を切るのもそれはそれで違うだろという気はする。結果、気分を損ねた女子二人のあたりはさらにキツくなったわけで、言わんでもいいことを言って状況を悪化させただけに見える。

とても楽に読めるので……

とはいえまぁ彼も高校生に過ぎないし、鬱陶しい女子の過去よりも目の前にいる可愛くて仲の良い女子が大事なのは健全といえば健全ではある。俺もかつては高校生男子だった時期はあるが、それもはるか昔のことであり、この漫画を読むのに俺は歳を取り過ぎている感は否めない。しかし完全に脳死で読めてしまってとても楽だから、Kindle Unlimitedで読める分はなんだかんだで読んでしまうかもしれない。