『だがしかし』8巻感想:おかえりほたるさん編、少し歪んだココノツもハイテンション

作・コトヤマ。2017年8巻。おかえりほたるさん。

ほたる抜きでも十分面白かったけれど、やはりほたるがいてこその本作やね。ほたるがいない間に何かこじらせてしまったココノツが個人的にツボ。

ほたるが強烈過ぎて、はじめとサヤ師が目立たない。やはりサヤ師はほたるが帰ってくるまでに決めなあかんかってん……一応見せ場あるけど。ほたるが完全にココノツのラブコメ的原体験になっている。

うーん、ラブコメ的にはサヤ師とか言ってたけれど、今のココノツとほたるの距離感はなんだかたまらないものがある……ラブコメ的ヒロインがサヤ師の可能性は依然あると思うのだけれど、どうなるんだろうか。以下8巻感想。

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こじらせココノツ

さようならほたるさんからの帰ってきたほたるさんは特に感動的な話もなく突然に。ホームランバーの伏線特に活かされてないけど今後活きるのか?とか色々思うところあれど、やはりほたるさんあっての本作なのだなぁと痛感。

元々ほたる抜きの話もけっこうあったし、ほたるがいない7巻も面白かったんだけれど、やっぱり話の軸はほたるのようで。なんというか、勢いが違う。あとココノツのテンションが違う 笑。

ほたるがいない間に、ココノツは思いを募らせ、そして少しこじらせたらしい↓。

「なんかこう…褒められたい!!」

(ナレーション)この数か月の間でココノツはほたるに少し歪んだ気持ちを持つようになっていたが本人はまだそれに気づいていないのだった。

笑。ナレーションの解説がまたね。背景には笑顔のほたるが「えらいわよココノツ君…」って、ほたるにそんな感じで接してほしいんかココノツ。恐らくはなでなでしようとして差し伸ばされている手にココノツの歪みを感じる 笑。

若干のフェティッシュさを感じさせるこのネタ、実にいい。本巻で一番印象に残ったな。ココノツが大層マニアックで将来有望な男であることは、漫画を読んでいればわかることではあるのだが、微笑ましさを感じられる範囲でそれとなく入れてくるのが小憎らしい。ニヤッとしたわ。

仲良くなったなぁ

ココノツとほたるはもうだいぶ気安い仲になっているらしく、いい感じのボケ・ツッコミは夫婦漫才の域に達している感すらあり、幼馴染枠のサヤ師の立つ瀬がない。

基本的にココノツはツッコミの男だが、それなりにボケをかますこともあり、そこへほたるが淡々と突っ込むパターンもけっこう好き。おふくろの味について疑問に思ったココノツに、ほたるがそれは「ミルキー」だと嘯くのに対し、

「でも…そっか おふくろの味ってミルキーのことだったのか。」
「アナタのそういうクソ真面目に受け取ってくれるところ、好きよ。」
「どうも…」

このやりとりが中々のヒット。気になる異性に冗談でも好きよと言われれば、そういう意味ではないとわかっていても、ココノツの性格上もう少し慌てそうなものだが、それを軽くいなせるようになっているところに親しさを感じる。

それぞれの関係が大事にされている

ところで親父を淡々と問い詰めて追い詰めるシーンもけっこう好き。楽しい親子だよな。ココノツを引き抜こうとするほたるに対し、ココノツはウチに必要だからならんという父と、それに照れるココノツなど、割と理想的な父子関係が垣間見える。老若男女、それぞれ関係が大事にされているのがこの漫画の実に好ましいところだと思う。

親子といえば、コンビニの兄ちゃんほたるの兄っていうね。言われてみると、並べてみたら確かに似ている!目が一緒やってんねー。ほたるはココノツに兄と似たものを感じているらしく、そんなところからも親しみがわいたのだろうか。

続きそうでよかった

思っていた以上に、ココノツとほたるの関係が近くなっていたんだなぁと思った本巻、サヤ師は最後いい感じでクリスマスプレゼントを贈るというロマンチックな演出の見せ場があった…ものの、やっぱりどうにも弱い。うーん、まぁ恋愛的ヒロインがどうなるかは今なおわからないんだけれど。若干ココノツのフェティッシュさとかミルキー回とか、深読みするとほたるに母親を求めている感あるし。とはいえココノツの初恋は間違いなくほたると言ってよいだろう。随分差がついてしまったなぁという感じ。

なんにせよ、ほたるがいなくなってどうなるかと思っていたけれど、まだまだ続きそうでよかった。

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