『断裁分離のクライムエッジ』髪フェチのためのラブコメ

厨二病×スプラッタ×ラブコメ でラブコメだいたい8割な邪気眼系ボーイ・ミーツ・ガール。主人公切くんの変態ぶりとロリが本作の見どころである。

目次

基本情報

断裁分離のクライムエッジ - Wikipedia

断裁分離のクライムエッジ 公式サイト

全11巻のちょうどいい長さ。雑誌はコミックアライブ。作者の緋鍵龍彦はこの作品で初めて知ったけれど、コミックエルオーなんかで活躍していたみたいで、どおりでロリロリしいわけだと納得。

登場人物

最初にざっくり説明すると、メインの人物はだいたいみんな殺人鬼の血筋だったりアサシンとして育てられていたり呪われていたりしていてまともではない。まともではない皆さんがメインヒロインをこぞって殺しにかかるのを、まともではない主人公がヒロインの髪の毛くんかくんかさせてもらえるのを心の励みに頑張って守る話である。

主人公とヒロインたちについて書くよ。他にもサービス精神旺盛なロリっ子とかSMカップルとか難儀なのがいっぱいいるよ。

切くん(灰村切)

緋鍵龍彦, 断裁分離のクライムエッジ, 第7巻

本作の主人公にして女の子の髪を切ることに異常な執着をみせる変態。殺人鬼の血筋的だから衝動がすごいんだ仕方ないんだ的な背景があるものの、だからといって切りたい対象が女子の髪でかつキューティクルな髪に興奮するのは彼特有の才能と思われる。というか作中でもそう結論づけられるので公式に変態である。後半はついに依存症を発症し、女子の髪を切れないと発狂するという困った野郎(上図)。妹(お兄ちゃん想いでいい子がいます)の髪なら許されるという俺ルールを開発する。この作品の魅力はだいたいこいつの変態ぶり

髪がスーパー綺麗で切っても切っても生えてくる呪いのかかっている武者小路祝に出会い、もうこれは運命とばかり大接近するが、その変態ぶりを遺憾なく発揮するため、初対面はもちろん終盤に至るまでたびたび祝にドン引きされる。これだけヒロインに性癖を引かれる主人公も珍しい。だがどんなにドン引きされてもけっしてめげること無く最後までフェチぶりを貫く紳士。

しかしながら見た目はなかなか爽やかイケメン。ルックスに関しては作中評価でも上々。重度の髪フェチであること以外はウブで、恋愛面ではどちらかというとヒロインにリードされるヘタレでもある。祝ちゃんのなにげない一言に凹んで落ち込む可愛い一面も。でもいざというときは女の子を守りたい男の子。

中盤以降、邪気眼系ストーリーではお約束の覚醒を成し遂げるが、祝ちゃん相手に暴走して髪の毛を切る様は、全国の紳士から喝采を浴びる屈指の変態シーンであった。是非読んで欲しい。むっちゃエロいよ。

鋏が武器で、「ちょきん、ちょきん」と言いながら攻撃する様はいかにもなんだけどやっぱりいかにもカッコイイ。

祝ちゃん(武者小路祝)

緋鍵龍彦, 断裁分離のクライムエッジ, 第9巻

ヒキコモリ系美少女にしてメインヒロイン。上図のように異常なロングヘアーのロリっ子。呪われているそうだが、髪が果てしなく伸びて切ることができないという以外は割と普通なロリ体型女子。その髪は切くんの呪われた鋏でしか切ることができないうえに、夜中の0時に切った髪の毛が元に戻る逆シンデレラ的呪いのかけられ方をしている。髪フェチで女子の綺麗な髪を切ることに性的興奮を覚える主人公にとってはこれ以上ない運命的な女の子だといえる。

その経歴から、特に何か手入れをしているわけでもないのに髪の毛サラサラのアジアンビューティーらしく、後述するサブヒロインのかしこからは羨ましがられている。

恋愛には意外と積極的な面があり、勝負所でヘタれる切くんに「はよキスしろ」と言わんばかりのリードを見せることも。ただし切くんの変態ぶりには度々ドン引きしている。ドン引きしているが愛の力で受け入れている。

単なる守られ系ヒロインではなく、主人公と一緒に危機を脱出しようと頑張る姿が素晴らしい。

ヴァイオレット・ウィッチー

緋鍵龍彦, 断裁分離のクライムエッジ, 第5巻

本作のキーパーソンの一人で、彼女について語るとネタバレになっちゃうので難しいのだが、一応サブヒロインといって良いかと思う。オッパイが大きい(上図)ので祝ちゃんよりこっちのほうが…という人もいるかな?切くんと祝ちゃんの関係を共依存とバッサリ。人間関係含めて色々かき回してくれる。切くんと祝ちゃんの両方に迫る節操のないお人

かしこ(美墨かしこ)

本作の報われないサブヒロイン枠。切くんに対して明確に好意を持っていたが、うかうかしている間に祝ちゃんに寝取られる。しかしながら、物語上ではなかなかのキーパーソンで、彼女なしではハッピーエンドにならなかったのではないかと思われるほど。非常に現実的な感性の持ち主で、ともすると浮世離れしがちな切くんと祝ちゃんをガシっと現実に引き戻してくれる地に足の着いた子。

病院坂病子

ひでー名前だ笑。やまねと読む。やまいこではない。注射しないと生きていけない、切くんとは違うフェチを宿命付けられた難儀な眼鏡っこ。フェチの発散は姉の法子が引き受けている。その注射シーンは非常に淫靡かつ退廃的であり、漫画文法的には共依存系百合姉妹に見えなくもないのだが、実際のところそう単純なものでもないようで、姉はハッキリと育ての親のロリコン教授に恋心を抱いているし(しかし本人は巨乳……姉も難儀な子!)、妹は妹でけっこう切くんといい感じになるシーンがチラホラ。といっても、かしこのようにハッキリと好意を示すわけではない。ただサブヒロイン好きの琴線に触れる何かはあるなと感じたりもするのであった。

だいたいこんな感じ

今時珍しいくらいのボーイ・ミーツ・ガールだよ。ストーリー自体は大味というか、細かいことは気にしちゃいけないB級エンターテイメントで、ちょっとスプラッタ要素もあるし、苦手な人もいそうなんだけど、でもいいボーイ・ミーツ・ガールだよ。やっぱり変態カップルってのは、割れ鍋に綴じ蓋というか、唯一無二って感じがしていいね。素晴らしいのは、物語の途中でちゃんと彼氏彼女の関係になるところ。お付き合いがゴールみたいなのが多いからねぇこういうのは。

本作では人と人の繋がりがキーとなっていて、切くんと祝ちゃんの変態的な恋愛関係はもちろんだけれど、他にも何組か変態的なカップルまたはカップル未満ないし肉親が登場する。その関係をいずれも愛を持って肯定的に描いているのが本作の特徴だと思う。終盤の展開ではそれが特によく描けていて、基本的には大味ざっくりコカ・コーラ!な感じなんだけど、終盤のクオリティが最初から最後まで続いていたら、普通に名作として扱えたかもしれない。でもそれはそれでもはや別の作品になってしまう気がする。

総評

ダラダラと書いたけど、ボーイ・ミーツ・ガールが好きな諸兄には間違いなくオススメできる。というか薦めたい。ただスプラッタ要素がけっこうあるので、そういうのが苦手な人にはキツイかもしれんけど、恋愛要素を清涼剤にして読み進めることはできると思う。ハッピーエンドだしね。最後まで読むと本当にナイスカップル!って感じで悶える。

というわけでB級スプラッタと恋愛物が好きな人には最高なんじゃないかな!

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