どうして漫画のレビューを読むのか

このサイトを立ち上げてかれこれ3年以上経っている事実に慄きを覚えつつ、それにしてもこのサイトを見てくれている人はどんな人なんだろうかと思うことがある。というのも、自分は漫画に限らず、いわゆるレビューブログをほとんど見ないからだ。が、それはレビューを読みたくないからではなく、単に読みたいレビューが見つからないからだ、とも思う。まぁどこかにはあるんだろうけれど、それが見つからない。

そもそも、どうして漫画のレビューなんて読みたいものだろうか。とりとめもなく考えたことをつらつら綴ってみる。

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ラブコメを好きになった(あるいは好きと自覚した)のはここ数年の話

自分がラブコメを好きだと自覚して集中的に読み出したのは、ここ数年の話で、20代半ばくらいまではそういう自覚はなかった。まぁ生来のオタク的な性質から、その手の読み物を人より多く読んできたとは思うものの、ラブコメだからという理由で、読むかどうかを決めたことはない。

それがいつ頃からラブコメ好きを自認して、挙げ句こんなサイトまで作ったのやら。古い友人との初めての会話のように記憶は朧気で曖昧だ。いや、ひょっとしたら、こんなサイトを作ってしまったがために、ラブコメ好きになってしまったんじゃなかろうか

というのも、このサイトを作った動機は、別に大好きなラブコメ漫画の感想を書きたい!という思いがあったからというわけではなく、単に実用主義的な実生活に嫌気が差して、とにかくしょうもないブログを作ろう、と思い立ったからだった。

で、ラブコメ漫画のレビュー・感想というテーマを選んだのは、いくつか理由がある。まず、たとえラブコメ漫画自体はしょうもなくなくても、その感想となると、それは割としょうもない……少なくとも、あまり世の中の役に立ちそうにないこと。そして、ブログを書けるなと思える程度にはその手のものをそこそこ読んでいたこと。

だがそれより重要なことは、なんというか、全然格好良くない趣味だということだ。知識があるほうが偉いみたいな、よくわからんマウントの取り合いみたいなことにはならんだろう、と。自分自身も、変に気取らず、素直なものが書けるんじゃなかろうか、なんて思った。

そして、語れるところって、案外無いよな、という気持ちもあった。なんでもいいから、どうでもいいことをつらつらと語る場所がほしかった

ここ以外のレビューブログを知らない

そういうわけなので、自分は別にラブコメ漫画のブログなんてものに執着があるわけでもなく、まして同ジャンルのブログを訪問したりなんてこともない。自分はブログについてはそれなりに多くの個人ブログを歴訪しており、RSSに登録しているサイトは、更新が止まってしまったものを含めれば数百はある。だが、その中でレビューブログと言えるのは1つか2つくらいで、しかも漫画ジャンルではない。

つまり、自分はここ以外の漫画のレビューブログを知らない。いやまぁ、時々Googleで検索して引っかかったところを見ることはあるから(そして嫌なものを見つけてしまったこともある)、本当にまったく知らんのかと言われるとそんなことはないのだが、少なくともブックマークしたりRSSに登録したり、なんてことはしていないわけだ。

その行動から考えると、自分は語りたいけれど、他人の語りを見たいとは思っていない、と解釈するのが普通かもしれない(別にそういうわけではない、とは後述する)。すると思うのは、そもそも他人の語りを見たい人なんているのか?という疑問だ。

サイトに来るのはどんな人?

サイトのアクセスのほとんどは検索エンジンからくる一見さんなのだが、ネタバレとかあらすじとか最終回なんてワードとセットで検索されていることが多いので、「あの漫画って結局最後どうなんだろ?」とふと気になったときに調べてたどり着く人が多いのかもしれない。ある意味では実利主義的である。

一方で、検索ワードに「感想」を入れている人も多いし、また定期的に訪れてくれる人も有り難いことにいるようだ。となると、「誰かの語り」にもある程度の需要はあるのだろうな、と思う。

いい人と語り合えたら楽しいけれど

そうだなぁ。

自分も、ネット上で作品を語り合ってきた。多くは匿名掲示板だったが(一般のサイトの掲示板にはコミュ症故輪に入れなかった!)。いい人たちに巡り合えると、「そうそう」「そうなんだよ」「いいよね」という共感、はたまた「そんな見方があるのか!」「それは気づかなかった」「なるほどー」という作品解釈の広がりを得ることができた。それは、ブログで一方的に語るだけでは得られないものだったと思う。

でも、いつもそうだったわけじゃない。むしろ、そのような場に巡り会えるのは稀なことだった。聞きたくもない作品の悪口、ときには作者や読者の人格中傷、あるいはその逆で、過度な信奉に近い態度でちょっとの批判も許さないような空気、そういうところも少なくなかった。

なので、ネット空間におけるやりとりに自分はすっかり疲れてしまって、そういう場から距離を置くようになった。正直言って、日本のネット界隈における民度の低さには絶望している。日本の、と書いたのは、どうも他所様はもっとみんな楽しげにコンテンツを語り合っているらしいことを人づてに聞くからだ。まぁ俺自身は外国語でコンテンツを楽しめるほどの能力はないのだが、しかし匿名掲示板はもちろんAmazonやApp Storeなどにも跋扈する最悪なレビューなど見るにつけ、日本の民度って実は低いんじゃないか説は、少なくともネット空間においてはかなり説得力があるように思っている

わずかばかりの共感を求めて

多分だけれど、ネット空間に溢れる激しい言葉の応酬に疲れてしまった人はけっこういるんじゃなかろうか。そういうまとめサイトに疲れたような人が、わざわざこのサイトに足を運んでくれているのかもしれない、と想像してみたり。まぁ俺も未熟者だから、意図せずして誰かを傷つける表現をすることもあるかもしれないのだが、自分なりに書き方には気をつけているつもりなので(たとえネガティブな感想だったとしても、作者さんの目に入ってもなるだけ大丈夫なように……)、漫画のタイトルで検索すると出てくるまとめサイトよりかは安心して読めるはず。

ほんと、検索してしょうもないまとめサイトばっかり引っかかっるようになったのはいつ頃からだろうな。検索結果にならぶ記事タイトルを眺めるだけでウンザリする

自分が漫画のタイトルでほとんど検索をしないのは、そういう理由もあるような気がしてきた。検索しても、俺が見たいと思うような記事が出てくることがあまりないので、検索しない。だから、サイトを見つけることもできない。結果、俺は俺の書いているブログしか知らない。俺が俺のブログしか知らないのは、他人のレビューに興味がないからではなく、単に見つけられていないから、ということだ。

まぁ俺はたまたま日記を続けられる性分で、情報系の知識もあるから、こうやってサイトを作って好き勝手語って発散することができるわけだけれど、そうでなければ、多少はマシなサイトがあるんじゃないかと期待して、めげずに検索を続けるかもしれない。少しでも共感を求めて

うちのサイトがそういう欲求に応えられればいいんだが、まぁこのへん個人の嗜好も大きく絡むから、なんともなんとも。こればっかりはな。俺は男女のラブコメ好きだけれど、皆が皆そういうわけでもないんだし。もし気が合ったら、嬉しいことだけれども。

本当に求められているのは、まともに語り合える場なのかもしれない。きっと、「アル」なんかはそういう気持ちで作られたサービスなんだろうなと思う。俺も関心はあるけれど、どうなんだろうな。またいつか、ネットで楽しく語り合える日はくるんだろうか。

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