作・松本ミトヒ。
短編集。半分くらいは表紙の子の話。あと他の話も、だいたいタイトルに近い話が多い。
男の娘の深部にツッコムような感じではなく、ぬるーく男の娘を愛でる。表題の男の娘をクラスみんなで楽しむ話が、いかにも男の娘らしい。
以下感想。
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目次
他人とのスキンシップが多い
本作は緩い男の娘ものの短編集なのであるが、とりわけ、他者からの肉体的接触が多い気がする。表紙の子の話は、男の娘になって痴漢のおとり捜査をして撃退してやるぜ!という話で、痴漢から触られることを前提にした話は、やはり性別が男であるからできた話だろう。
特に、非モテ男が集まって、その中でも可愛らしい子を男の娘に仕立て上げ、みんなで夢を暴発させる、という話、これなんか象徴的だ。男の娘役の子も、そんなに嫌がるでもなくて、けっこうノリノリ。みんな我を忘れて男の娘とやりたい放題するけれど、だが男だ、という意識はちゃんと持っており、ごっこ遊びの域を出ない。
もっとも、この話はその後、言い出しっぺが深みにはまりそうになって終わるのであるが。男の娘ものとしての本領発揮なのは、むしろその先にあるように思う。
ひょっとするとこの界隈では珍しくもないのかもしれないが、自分は初めて見たので衝撃を受けたのがオマケの触手的1コマ。この組み合わせはかなりニッチだ。
男の娘ものは新しいものを読む度に発見があって楽しい。あまり深入りせず、爽やかな話が多いしね。男の娘という存在自体がファンタジーだし、あまり大真面目にやると意図しないギャグになっちゃいそうだから、多分それが正解なんだろうな。楽しい話がいいね、やっぱり。
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