『ちこたん、こわれる』1巻感想:私は多分じゃなく3人目だから…ヒロインが盛大に壊れつつ王道のラブコメ展開

作者・今井ユウ。初見。なんとなくタイトルと表紙の雰囲気でスルーしていたのだけれど、例によってKindleがやたらレコメンドしてくるので、試しに1巻を読んでみたら……とてもよかった。

B級SFっぽい世界観に、お約束のボーイ・ミーツ・ガール、しかもラブ分強めっぽい、くわえて三角関係っぽい雰囲気、はい、こういうの好きです。さすがAmazonさんよくご存知で。以下ネタバレ感想。

ボーイ・ミーツ・ガールはいいですな

なんだかんだいっても、古今東西、やはり一番ニヤニヤするのは男の子が女の子のためにイキって頑張るところじゃないだろうか。で、啖呵切ったはいいものの、現実には力が足りなくて、女の子に助けられながら共闘になるわけだが、それがまたいい。二人で頑張るのがいいんだな。

この漫画もそんな感じで、定番の「守る」発言いただきました↓。

今井ユウ, ちこたん、こわれる, 第1巻
今井ユウ, ちこたん、こわれる, 第1巻

絶対守る…!いいな。やっぱラブコメはこうでないとな。

そしてこの直後、ヒロイン・ちこたん死亡。全然守れなかったと主人公・桜坂、大いに凹むというギャグ漫画的展開。

もちろんそれで終わりではなく、翌日にはちこたん華麗に復活し、ロボットでしたとネタばらし。私はガチで3人目だから。冒頭には綾波○イなシーンもあり、これがモチーフだと言わんばかり。だが守ってはくれない。守らなきゃいけない。

だが守れない。ちこたん死ぬ。すぐに死ぬ。しかもけっこう苦しんで死んだり血しぶき飛ばしたり、割と容赦なく盛大に死ぬ。主人公ちゃんと守れ。

そんな感じなので、ナンセンスギャグなノリという印象を受けるが、時にはちこたんを助けようと必死になるところもあり、その切実さはシリアス風味。1巻終わりの段階では、ベクトルをまだちょっと掴みかねている。どういう方向性なんだろうね。

ただ、ラブコメ的にはかなり美味しいのは確か。主人公とヒロインが、秘密を共有し、かつ二人で共通の目的を持って生活をするタイプのうえ、桜坂はハッキリとヒロインに対し異性としての好意を持っている。また、ヒロインも主人公の好意について、明確に意識しているわけではないものの、まんざらでもなさそうな感じである。

それにくわえて、まだ惚れるきっかけくらいにしか活かされていない主人公の声オタ設定や、やけに作り込まれている感じのヒロインのロボ子設定(本体は人間なので厳密にロボ子かというと微妙なとこではある)も、ラブコメを膨らませてくれそうで期待できる。

桜坂のヒロインに対する態度の変遷が、ちょっと煮え切らないところがあるけれど、最初の段階やからね。気持ちを確たるものにする過程だろうし。まだまだこれから。

三角関係っぽい?どちらに転んでもおかしくなさそう

さらに、もう一人のヒロイン・猫屋敷の存在もまた、ラブコメ的展開を期待させる↓。

今井ユウ, ちこたん、こわれる, 第1巻
今井ユウ, ちこたん、こわれる, 第1巻

初登場時に桜坂をオタク扱いして非難、さらに周囲の女子にも悪評を広めるようなことをするので、あまり印象はよくなかった。おまけに暴力系惣流ア○カ…。が、その後の話を読むと、桜坂とは非常に気安い仲で、互いに不躾な態度をとっても問題がない、むしろ親しみの証というような感じであるようだ。

そして、どうも、桜坂に対して異性としての好意を持っているように見受けられる。画像のように、桜坂がちこたんを気にしていることにもいち早く気づくし、桜坂が溺れたちこたんに人工呼吸を敢行した時の動揺ぶりは、やはりそういうことなのだろう。

この漫画の場合メインヒロインは明らかにちこたんであるし、そうすると引き立て役っぽくも思えるが、ちこたんの設定がかなり特殊なので、この後の展開によっては、恋愛的にはどちらにも転ぶ可能性があるような気がする。

うーん、なかなか楽しい。これは続巻も購入決定。

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