『ちえりの恋は8メートル』最終話まで感想:格ゲーみたいなキスしやがって……

遠近感が掴めないラブコメ最終話。俺と作品の距離感も掴めないまま最後まできてしまった。

本作については、どう最後をしめるんだろうという感心で読んでいた。個人的な結論としては、この漫画は巨大化娘ではなくて、思春期女子ってワカラナイ漫画だな、と。その表現として、時流(?)でもある巨大化という属性があてられたのであって、巨大化は別に本質ではなかった、という感じです。巨大化とラブコメってどうにも相性が良いとは思えないので、自分的にはまぁそうか、ではありました。

以下印象に残ったキスシーン部門で上位に来ることは間違いない最終話感想。これが世界で一番ピュアなキス……。

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女子力(巨大化)

最終話を読んでいて思い出したのは、うちのクラスの女子がヤバイという漫画だった。

この作品は何かというと、思春期女子にだけ発動する謎の力・無用力というものがある世界観の群像劇で、その力の発現の仕方は千差万別、モスキート音を出すとか人の身体透けて見えるとか、基本的に役に立たないが、どうやら感情が爆発したときに起きるナニカであるらしい。そして何故か最終的に男の娘ストーリーになった作品。

まーつまり、思春期女子のわからなさをわからないまま描いた作品という感じなのだけれど、本作は、その無用力に「巨大化」があった女子に焦点を当てた長編ラブストーリー……と考えると個人的にしっくりくるんだよなぁ。

つまり、本作をジャイアントお嬢様的な巨大化フェチ漫画と思うからよくわからないのであって、そうではなく、思春期女子のワカラナイを楽しむ不思議女子力漫画だと思ったほうが、多分本質に近いのではないかなぁ

なので、ちえりが巨大化することに意味なんかなくて、強いて言うならば、それは彼女の思春期が暴発した形だった、といえる。その形が巨大化であったことは、理由付けはいくらでもできるだろうけれど、実際のところ、深く考えても仕方がない。本質的に意味なんかないんだから。その本質的無意味を楽しめ

サマーソルトキッス!!

ただそれにしても、作品のテンションと最後までどう向き合ってよいかわからなかったのもそう。

たとえばこいつを見てくれ。コイツをどう思う?

すごく……サマーソルトです……。

サマーソルトキッス爆誕の瞬間だった。キスシーン完全にギャグ漫画日和だけれど笑っていいところなのかがワカラナイ。この塩梅がワカラナイ。思春期女子ワカラナイ以上にこのテンションがワカラナイ。バトル漫画じゃないならギャグ漫画だと思うんだけど、本当にそれで笑っていいのかどうかがワカラナイ……。

最終話にもキスシーンあるんだけれど、「ちえりのシルエット完全にモアイ像で草」という感想なんだよどうしようねまったく。

巨大化ヒロインとラブコメ

ということで、本作は希少な巨大化ヒロインとのラブコメではあるんだけれど、その本質は巨大化とは違うかなぁ、というのが感想でございました。本編の内容から察せられるとおり、恐らく「子作りの際には元に戻っている」と思われ、生殖の問題がクリアされているのは良いのだけれど、それはフェチの観点ではやや興ざめでもある。しかしそれも致し方なしかと。だって、巨大化どうこうじゃないんです、ラブコメなんです

俺は巨大化娘の属性はラブコメとの相性が良くないのではないか、というのが持論なので(このへんはジャイアントお嬢様の記事で語っている)、本作はまぁどちらかというとその持論に沿った形ではあった。まぁそうだよなという気持ち半面、ちょっと残念な気持ちも半面。

まぁしかし、印象的な漫画ではあったか。これから折に触れて思い出すことはありそう。特にキスシーン笑。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 最終盤で戻った!と思ったら再びの巨大化はベタですが綺麗な終わらせ方で良かったです。
    もうちっとだけ思春期は続くんじゃ……。

    • 本作は全体的にベタで、そのベタさと設定のトリッキーさが、自分の中で噛み合わなかった感じは正直あります。
      最終話まで読んで、正統派のラブコメだったなぁという感想なのですが、本作の一般的な読者が何を求めていたのかは気になるところです。

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