進撃のラブコメことちえりの恋は8メートル。1巻を読んだ時の感想はツッコミ不在のギャグ漫画みたいなラブコメ、であった。
正直このスタンスだと1巻くらいの分量はともかくそれ以上はつらいなぁと思っていたが、基本的な方針はあまり変わることなく続いており、マジかという感じであった。が、新キャラの登場などで賑やかにはなる。そしてそこで展開されるのはどこまでも真面目くさったラブコメであり、いったいこれは真面目なのか、それともそういうギャグなのか、今ひとつ理解が進まないままに、気がつけば3巻分ほど読み進めていた。
以下2-3巻分感想。巨大化ヒロインとのラブコメ自体の可能性は感じられた。が……。
どこまでマジなのか
いったいどこまで真面目なんだろう。なんというか、友人のお誕生日会で知らない人がキレッキレのブレイクダンス踊っているのに、それには一切触れず何事もなくパーティーが進んでいるような違和感(謎のたとえ)。真面目なラブコメが展開されるほどに「いやデカいんだが?」という気持ちが抑えられない。
ちえりが姉から「キスはもうした?」と問われて赤くなるのを見て、ちえりちゃん可愛い!より「それは捕食では……?」と思うのは真っ当だと思うし、読者がそう思うところまでひっくるめての作品……かもしれないんだが、前回記事でも言ったけれどその楽しみ方ができるのはせいぜい1巻が限界だ。それ以上はつらい。
主人公がキスについて食べられそうと言った時には「そう!そうだよね!!」と思ったが、ちえりになんですってーみたいな感じで軽く握りつぶされて終わったんだけれど、いやそこ、正直ちゃんとつっこんでほしい。ツッコミ不在のナンセンスギャグ漫画的な楽しみ方を期待されているのかもしれないけれど、それは短編の楽しみ方だから……。
巨大化ラブコメの可能性は感じた
一方で、巨大化ヒロインとのラブコメについては、可能性を感じられたのも確かだ。ケツがハマったヒロインを押し出すとか、おっぱいの谷間に隠れるとか、ジャイアントお嬢様でも似たような展開はあった気がするが、しかしこれは恋愛感情があることでより映える展開と思った。
ネックは巨大化とオープンスケベがセットになりがちなのに対し、ラブコメとオープンスケベの相性が悪いことだけれど、それも必ずしもセットにする必要はない。オープンスケベになるのは、巨大化自体が相対的なものなので、どうしても街中に出やすいからと思う。無人島で巨大化しても仕方が無いよね。でも、街中で破壊活動すれば民衆はパンツを見るどころではないはずだし、そしてそういう破壊衝動とラブコメは、案外相性がよいと思われる。
一時期そういう、主人公とヒロインの恋愛事情でセカイがヤバイみたいな作品が多かったけれど、あれを物理でやると思えばいい。主人公とヒロインの8メートルなラブコメで街がヤバイ(物理)をやれば、巨大化属性とラブコメのクローズさをうまいことマリアージュできるように思われた。実際、本作で主人公とヒロインが一緒になって暴れ回る様にはなんとなくその感じはある。
しかし本作は変なところ真面目なので、ちえりはジャイアントお嬢様と違って街を破壊したりはしない……せいぜいズシーンズシーンと地響きならすくらいだ。うーん……もっとこう、恋煩いで街に深刻な被害を与える地震を起こすくらいあっても良いのになぁ。
もっとこう……あるだろう!
ということで、個人的にはなんだかちょっと惜しい気がしている。元々巨大化属性とラブコメは相性が悪いのではないかと否定的だったことを思えば、案外アリな方法あるかも?と可能性を感じさせられただけで良いのかもしれないんだけれど、可能性を感じさせただけで、本作自体はツッコミ不在のナンセンスギャグ的なのもそうなので……。
ってかちょっと気になったのは、大事なカラー絵でヒロインが巨大化していることがわかるように対比となる建造物などが一切ないものがあったことなんよ。それはジャイアントお嬢様ではありえないことに思えた。まぁ確かにちえりちゃんは巨大化関係なく可愛いかもしれないけれど、でも巨大化属性の扱いがちょっと疎かでは……と思ってしまったなぁ。うーん。
コメント
コメント一覧 (2件)
巨大化したままだとエッチ出来ない問題が避けられないんじゃないかというのが最大のネックですね。
まさしくそれなんです。真面目にラブコメされるほど、いや君らどうやってセックスするの?って思ってしまうんですわ。