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山本崇一朗, それでも歩は寄せてくる 3, 2020

いいなぁ……。

誰もが羨む彼と彼女の青春に、俺も嘆息してしまう。表紙の彼の目線と開いた手にどうしようもない青春を感じる。

失われた青春、という言葉がふと脳裏をよぎったがそもそも俺にこんな青春はなかった。ないのだが、なんだか妙に近しく感じられるのは、彼と彼女の感情の端々になんとなく覚えがあるからだろうか?感情移入する先が、歩になったりうるしになったり、ころころとせわしなく入れ替わる。

あったような気がするあったらよかった青春とでも言うべきものが、追体験できる、そんな感覚だ。以下3巻感想。

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山本崇一朗, それでも歩は寄せてくる 2, 2019

うーんこれは良いラブコメ。歩が先輩に無自覚な告白を続けるテンプレートがひたすら続くのだが、テンプレートとは本来有用なものとして用いられていることを思い出させてくれる。しかしテンプレートを使いこなせる人は存外少ない。

ありふれたやりとりなのになにか美しさのようなものを感じてしまうのは、俺が歳を取ったからなのだろうか。嘆息してしまうわ。なんとなく、昔ながらの先輩・後輩的な価値観の中に、現代的なものも感じる。

登場人物も増えて多少賑やかになった……のだろうか?複数カップリングの構成か。以下2巻感想。

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山本崇一朗, それでも歩は寄せてくる 1, 2019

男のラブコメ好きで今や知らない人はいないと思われる、からかい上手の高木さんの作者さんによる将棋漫画……という体の安心のいちゃラブ漫画。今回は男が攻め役です。一歩、一歩と寄せてきます。そう、今回は男の名前のほうがタイトルなんよね。ヒロインのうるしは受け側です。

やーこのお方、求められているものを完全に理解していらっしゃる(きっと作者さん自身が求めているものでもあるのだろう……)。この調子で、いちゃラブのシチュエーションを制覇するつもりなのか。高津カリノばりの安定感と面白さ。

ありがちなシチュエーションにも関わらず、真似できない雰囲気がある。なんかの野球漫画で見た「ストレートって変化球なんだよ」というセリフを思い出した。剛速球だよ。バッターアウト。将棋だけど。

ほんと、絶妙なバランスだよなぁ。以下1巻感想。

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