作・高津カリノ。
大昔作者がWebで連載していたものだそうで、高津カリノの原点という触れ込みで売られていたのを購入。確かに読んで見るとファン仕様だなと思った。そして世界観が妙に荒んでいるのは作者曰く一種の中二的なものらしい。
先入観からかもしれないが、なんとなく昔のガンガンを思い出した。ギャグ王とかあった頃の。
ファンなら買いよな。以下感想。
荒んだ世界観
読んでちょっと驚いたのが、ファンタジックでしかも荒んだ世界観であるところ。後書きで当時の自分をカウンセリングしてやりたいとあるが、確かに心の闇を感じる。とはいえ話そのものは割とあっけらかんとしていた…が、詳しい人のレビューを見るとこのへんは単行本化にあたってうまいこと調整した模様。
カップル萌えするかというと
ただ作者最大の特色であるカップル大量生産はこの頃からして既に健在であったらしい。しかしカップル萌えするかというと、ちょっと微妙であった。最初から出来上がってしまっている状態で、しかもそこから特に関係性に進展がないので、共感度が低いのかもしれない。
また、特にルースは女性作家なのであるなぁと思わせるキャラ造形であった。他作品でもそう思うことはちょくちょくあるが、ルースほどではない。強キャラ過ぎてアクが取りきれてないからだろうか。
私的にはヒシンとリリザの仲が一番よかった。0ないしマイナスからスタートするカップリングで、やっぱりカップリングは過程と変化が大事だよねと再認識。
思い出す
全体的に、なんとなく昔のガンガンを思わせた。"原点"という前知識からくる先入観がそう思わせたんじゃないかと言われるとそうかもしれないが。でも、このファンタジックな世界観とお話は、個人的には妙に馴染みがあって、なんだろうなと思い起こしたら、それはガキの頃読んでいたガンガン系の漫画の気がする。ギャグ王とかあったGファンタジーとか。より具体的に言うと夜麻みゆきとか。うむ、荒んだ夜麻みゆき 笑。
面白いかと言われると、昔の俺だとあんまりと思ったかもしれない。あるいは、もっと昔だったら楽しめたかもしれない。それこそレヴァリアースとか読んでた頃だよ。でもこの後の作品のことを思うと感慨深いものがあり、一種のファンブック的な意味合いもあるので、よかったかなと思う。
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