ちょっと前まで暑かったのに、いきなり寒くなった今日この頃、今年の秋は足が早そうだ。
さて、今回は今までに取り上げた作品から、B級としか言いようがない、ってかもうC級?なラブコメ漫画で特集組んでみた。オススメかと言われると断じてオススメではないのだが、オススメではないというところがオススメポイントである。
選定基準
- 読了推定1時間
- 本気を出せば15分
- つまり内容がないよう
- とギャグが寒い
- だがつまらないのが面白い
- BOOKOFFで100円ゲットしたい
- でも本屋で見たこと無い
- ここまで全部褒め言葉
- そんなラブコメ漫画です
ラブコメ5選
ラブコメ度はどれも高い。
蜷津直 / センチレンタル少女
まずはこれ。蜷津直のセンチレンタル少女。全3巻。恐らく自覚的に描かれた、クソ映画のラブコメ漫画版。センチレンタル「ガール」と読む。レンタルビデオ店というあまり見ない舞台で、表紙を見るとそういう「あるある」ネタをつい期待してしまうが、そんな内容はまるでない。あるのはお寒いギャグとヤケクソ気味なラブコメ。特に1巻のギャグの滑ってる感は、さながらつまらない芸人のライブを見ているようで、なんだかいたたまれなくなってくるほどだ。それはある意味作者の計算ずくなのだが、それを差っ引いてもなお寒いところが面白い。最終的にヤケクソ気味なラブコメ連発。B級ラブコメとはなんたるかを教えてくれる。
高瀬雅也 / 中村小江戸と大豆恵亮はうまくいかない
全2巻。普通にツボる人もいるかもしれないナンセンスギャグ調のラブコメ。神様に悪戯されているかのごとく、悉くすれ違う男女のラブコメ漫画。それにも関わらずちゃんとくっついて、なんだかんだで楽しげなデートをしているので、お幸せにという感じである。カップルで奇行に走る感じが好きだ。
月見里中 / おにもて
全3巻。主人公がおにもて。以上。それだけ。
いやほんとに。主人公が女の子にもてまくりでハーレムを形成して全員恋人にしてイチャイチャするただそれだけ。なにげに人外というか妖怪ものでもあるんだがどうでもいい。
ハーレム漫画は数あれど、本当に全員恋人にしてしまうのは珍しい。しかもハーレムという現代日本の倫理に反する状態を、特にこれといった葛藤無くみんな受け入れる。ヤマにもオチにもなりはしない。
「おにもて」というこの短すぎる4文字以上でもなければ以下でもない。あまりにも清々しい、清々しすぎるハーレム一点張りは、もはやギャグの域に達している。
『おにもて』感想:ひたすらハーレムただそれだけ。それしかなさすぎて逆に感動する
木村光博 / デュラハンちゃんは首ったけ
全2巻。デュラハンというよりは首が取れる女子を主人公にしたラブコメ。馬に乗って死を連想させるデュラハン的なネタもあるが最初だけ。その後は「首が取れる」という一発ネタを延々と続けるところが実にB級的で素敵だ。作者は絶対デュラハンとか興味ない。また、内容的には修羅場ありの三角関係(男2女1)なのだが、正直どうでもいい。ラブコメで三角関係だというのに、どちらとくっつくのかまるで気にならないのがまたいいじゃないか。
山田牛午 / くだんの彼女と未来交歓
幼馴染大正義のB級ラブコメ。未来交歓と書いてバタフライエフェクトと読め。くだんとは日本の妖怪、バタフライエフェクトとは蝶の羽ばたきが遠く外国で竜巻となるという物理学におけるカオス理論の有名な例え話である。民話の世界観とSFの世界観が融合!?という思わせぶりな設定にも関わらず、その内容はただ幼馴染とイチャイチャするだけ。幼馴染とイチャイチャしないと世界が滅びるのでイチャイチャしよう!ということでイチャイチャして終わり。一応最後には話の種明かしみたいなのもされるが、それも割とありがちで感動がない。そんなことより幼馴染だ、おっぱいだ!幼馴染は可愛すぎるからね、仕方ないね。
おっぱいな幼馴染と約束されたイチャラブ『くだんの彼女と未来交歓』
おわりに
基本の設定が活きていない、活かそうという気がまるで感じられないところが素晴らしい。コマけぇことはいいんだよ!そんな気概が感じられる。
ネタがワンパターンなのが素晴らしい。滑った一発ギャグを延々と繰り返すなんて、なかなかできることじゃないよ。おかげで2〜3巻というコミックにおいては短編に入る分量ですら長く感じる。
ラブコメ度だけは無駄に高いのが素晴らしい。そうそれ、これこそ、この世の真理。ラブがコメってさえいれば、他はどうでもいいのだ。All you need is loveなのだ。
秋の夜さらに長く楽しめること請け合いのB級ラブコメ。たまにゃそんな夜も悪かない。酒の肴にどうですか。
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