『それでも歩は寄せてくる』6-8巻感想:関係の広がりと距離感の自覚

山本宗一朗, それでも歩は寄せてくる 6, 2021

6巻の表紙見て「ん?」と思ったんだが、普通にヒロインっぽい感じで出てきて「え、マジで?」と思ったんだけど、初登場時、驚くほどヒロイン力がなくて逆に感心してしまった。そうだよね、この漫画でライバルヒロインなんか出したら絶許だよね。

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ライバルヒロインではなかった

やー、「実力で露骨に優劣をつける」のように、基本的な人間性のところで難があると、ヒロイン以前に感じられるんだなぁ。いや、ハーレム系とかだと主人公だけ嫌うタイプのヒロインもいるけど、あれはもう完全に反転フラグとしてラブコメ文法確立しちゃってるから。そういうのではない、と。

しかし本当に魅力がないと「なんでこんなん出したの?」になってしまうわけで、ここからあげていくのだろうなーとは思ったが、そこは割と早く挽回された。まぁウザキャラのままではいられんわな。うるしに敬意を払わせ上下関係を築いたうえで、実は歩と同じ穴の狢であったことを明らかにしてかわいげを見せ、そのうえでラブコメ応援隊としての立ち位置を築きつつ、男の角竜には出来ないうるし嫉妬をさせる因子としてポジションを確立。はえー。

恋愛的なヒロインにならないよう配慮されつつ、せっかくの女キャラなのでちゃんと仕事するように注意深く配置された感じがして面白かった。ちゃんと他の人には敬意払うし、最初の嫌な感じはあえて誇張された感もある。まー十代が未熟なのは当然だし、かわいげあったら普通にまぁいいかってなるから、ちょっと嫌なヤツに描いてもへーきへーき。これが二十代以降だとその歳で……となるため下げすぎると汚名返上も難しくなる。歳はつらい。

というか彼女は失恋キャラの立ち位置なので、ラブ溢れる本作においてはむしろ可哀想まである。お相手が用意されるのかどうかはわからんが、彼女にはまだ仕事があるだろうから、それは先なんだろうなぁ。

恋心の自覚

とまぁ6巻の新キャラ・凜について語ってしまったのだが、6-8巻でのハイライトはどちらかといえば修学旅行におけるうるしの恋心自覚なんだろうとは思う。思うんだが、読者視点だと今更感もある。実際これ以前でも告られたら、たとえ即答できなくてもしばらくしてOK出しただろコイツは、と思われる。

まぁでもうるしが自分の気持ちを明確に自覚し、人に言えるようになるのは、成長といえるだろうし、また本作で描きたかったものの一つなんだろうなぁ。正直1巻読んだ時には「これを延々とやるのか……?」と思ったものだが、人間関係の広がりと、距離感の自覚だけでもラブコメは成立するんだなぁ……

ということで借りてきた分は読み終わったのだが、これまだだいぶ先あるんやねビックリ。とりあえず借りられるところまでは借りて読もう。本作は面白くはあるが、定価でポチるほどかと言われると、微妙なラインなのも正直な感想である。

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