作・かがみふみを。全2巻。1巻2008年、2巻2010年。
漫画家&アシスタントもの。やはり自分の職業ということもあって、漫画家ものはお仕事漫画の中ではかなりメジャーである。その漫画家さんの漫画観が窺い知れるものでもあるので、ファンならば読んでおきたい。
なお表紙のとおり合法ロリ。そしてオカンロリ。
以下全2巻感想。
合法ロリ
根暗で陰鬱な、いかにも漫画家な男・小倉先生の元に、抜けてるけれども憎めない(多分)主人公・宮川有希が介護アシスタントに行く話。いつもの感じ。そして合法ロリな感じ。設定は大学生だけど見た目は小学生!プールの水着はなんかスクール水着みたい!ダメダメな先生に代わって炊事洗濯メンタルケア!こういうアシスタントが欲しいのかー!!ほしい。
もっとも、有希は本来どちらかというといかにも娘風情といった気質であろう。しかし、先生があまりにもダメすぎるので、オカン化する。結果、抜けているタイプのオカン系合法ロリという、ちょっと見ない感じのヒロインに。これも先生がダメ過ぎるからで、逆に言うと男女の関係による化学変化が起きているということなので、なんだかんだでラブコメしていたのだな。
そうそう、全体的なラブコメ度自体は控えめなんよね。特に著者の他作を考えると。特に1巻時点ではラブコメ度はあまりなく、2巻に入ればそこそこ出てくるものの、上がりきらないまま終わるという感じ。作中、恋愛要素を入れることで、恋愛経験がなく悩む先生という図式があるが、実は作者もけっこう悩んでいたりするのだろうか。いちゃラブの極致みたいな印象があるけれど。
でも、これくらいでいいのかもしれない。これ以上やると、漫画家漫画というより、いつものいちゃラブ夫婦漫画になっちゃいそうだし。それでもいいけど。むしろ歓迎 笑。
漫画内漫画
作中の連載漫画を本当に描かれているのは、勇気あるなぁと思った。漫画家漫画は数あれど、ギャグでもなく、大真面目にその漫画内漫画の内容を載っけるのは珍しいんじゃなかろうか。この漫画内漫画は作中の人間関係にもリンクしており、一つの漫画としてはもちろんだが、その漫画内漫画を通して、漫画内の人間関係を描写しているという、小憎い演出となっている。しかし、漫画内ではその漫画内漫画の評価もあるわけで、そうするとなんだか自己評価みたいなことになってしまい、気恥ずかしさもあろう。
漫画論はほどほど
自分の職業にはやはり一家言あるからか、漫画家漫画はどうしても説教臭くなる傾向にあると思うが、この漫画については特にそういう感じはない。色々と大人としてはダメかもしれないけれど、漫画の好きな先生が、一生懸命やっているよという感じ。そんな小倉先生が、有希に心配されないよう、そして褒められようとして、最後はちょっとだけ成長するのは、お約束だけれどほっこりする。
漫画家の職場を舞台に、先生とアシさんで適度にイチャイチャしつつ、少しだけ進展して、最後はみんな笑ってハッピーエンド。人にすすめるような作品ではないかもしれないが、こういう作品は落ち着く。
ところで此ノ木よしるの「こみっく☆すたじお」も漫画家もので合法ロリだった…(「『こみっく☆すたじお』合法ロリとイチャラブそれこそがすべて」)やはり漫画家は……。
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