『武装少女マキャヴェリズム』1-9巻感想:バトルとラブコメの理想的な連携

原作 黒神遊夜, 作画 神崎かるな, 武装少女マキャヴェリズム 1, 2014

ちょっと読んでみたら面白かったので一気に最新巻までポチってしまった。。。アニメも見たよ。dアニメだけでなくAmazonプライムでもやっているみたいで。

バトルありラブコメありでハーレムチックな学園漫画。ヒロインが全員戦う女の子なので、そういうのが好きな人だと特に良いと思われる。あと主人公がちゃんと主人公しているのもポイント。

ハーレム系とはいえ、恐らく1巻表紙の鬼瓦輪が一つ抜けたヒロインと思われるのだが、敵も含めてヒロインだったりするので、なかなか立場を維持するのが難しそう。

構成は実はけっこう王道のバトルもの少年漫画なのだが、ラブコメに綺麗に落とし込んでいるところが良い。以下1-9巻まで一気に読んだ感想。

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バトル系ラブコメ

次々と敵が現れてはぶっ倒して友情を築く、という少年漫画の王道を貫くバトル漫画の構成なのだが、その相手が全員女子なので、築かれるのは友情というより愛情と、最終的にラブコメに落ちる構成。

バトルもので男女が絡むとそうなることはよくある話なのだが、主人公の男1に対して女がnなので、必然的にハーレム漫画の構成になるし、まぁ読者層もラブコメ好きが多いだろうと思われる。実際、主人公vs熊の時にはアンケの人気が落ちて担当さんご立腹であったらしい笑。

まーラブコメの文脈で読むと、バトル中心というのも珍しいものではないし、設定だけ見るとテンプレっぽく感じるかもしれないのだが、実際に読んでみるとそのような印象は受けず、むしろ「王道」であると感じられる

随所に挟まれる豆知識コーナーがうまいこと働いていて、この手の漫画では「もういいからさっさと終われよ」とすら思われかねないバトルシーンがちゃんと面白いし、また各キャラクターがもつ過去も、シリアスになりすぎないよう工夫して語られる(重い過去が語られる同室に、便所に行きたいヒロインを配置して、ラブコメらしいアホなコメディと話を並行させるなど)し、キャラ毎の思想対立も面白く、話が丁寧だ。原作と作画が分かれているだけあるな、と思わせられる

ベースはラブコメ

戦闘描写の多い漫画だが、話のベースにはラブコメがある。ラブコメ的には、主人公・納村不動を中心にしたハーレム漫画で、主人公がちゃんと主人公している点で、ハーレム系ラブコメ漫画的にもポイント高い。ハーレム系ほど男主人公のキャラクター造形が重要な漫画もないと思うんだけど、おざなりな漫画多いもんなぁ。

ベースはラブコメなのだが、描写自体は前述したようにバトルが中心。バトル系ラブコメ漫画と純粋なバトル漫画の一番の違いは、バトルとラブコメが密接に繋がっていることじゃないかと個人的には思う。つまり、キャラクターの純粋の強さだけではなく、キャラ同士の人間関係、特に恋愛模様がダイレクトに勝敗を左右する

なので、ラブコメ漫画のバトルは「動きのある口喧嘩」になってしまっているのもあるよな、と思うんだが(特に女性作家のやつは……)、本作の場合キャラクターの強さにも重きが置かれているので、バランスが良いなと思う。

アニメのハイライトでもある天羽戦なんかは、月夜の技術的アドバイスを受けつつも決め手は実力ではなくて惚れさせたこと、というあたりにこの漫画のらしさが出ている。

天羽斬々目立ちすぎ問題

ただこの天羽はヒロイン兼ラスボスのパターンで、あまりにも目立ちすぎており、「天羽斬々 (あもうきるきる)とは【ピクシブ百科事典】」では"正(裏)ヒロイン?"とまで記述されているが、多分正ヒロイン名乗って良いのは鬼瓦輪だけだろう……。裏ヒロインといえば、間違いなくそうだとは思う。まぁこう書かれてしまうくらいには目立っていたということだ。

このままだとコイツに全部持っていかれるぜ、という判断だったのかは知らないが、アニメでは納村と天羽のキスシーンの際に重要なアクションと台詞が省略されるという驚くべき改変がなされた。コンテ確認した原作者が大慌てでアニメ監督に問い質しにいったところ、「天羽弱体化させないと輪のHP(ヒロインポイント)はもうゼロよ」という反論を受けて「納得」してしまったらしい(原作7巻あとがき漫画で)。ヒロイン力は相対的な面も大きいからね……。

でもラブコメとしてはハーレム系に分類されると思うし、ヒロインが大決定しているタイプじゃないだろうから、省略しなくてもよかったと思うんだがな……。にしても、ラブコメ的な意味で「弱体化」が用いられるあたりに、本作のエッセンシャルがラブコメだということがわかる 笑。

実際、アニメは原作をよく咀嚼し、うまいこと再構成しておりよかったと思った。特に最後、鬼瓦輪が納村不動に剣を向けて、出会った時の言葉を投げかけるところなんか、「おおっ」と思った。作者さんも「漫画もこうすればよかった」と思ったかもしれない 笑。

天羽は作中でも最強クラスの実力者ということで、どうしても目立ちすぎるきらいはあるものの、他のヒロインがおざなりにされているわけではないので。バトル漫画は今日の強敵は明日の噛ませ犬になりがちだが、本作では納村不動にやられた後にもきちんと見せ場を作ってその強さを示している。本作を丁寧だなぁと感じる要因の一つ。キャラクター使い捨てではない。

天羽斬々以降は…

ということで、面白かったので現在最新巻にあたる9巻まで一気にポチって読んでしまったのだが、天羽斬々戦の後はちょっと微妙だなと感じていたりする。多分、次のラスボスが納村不動と同郷の男で、それに伴いバトル漫画としての側面が強くなってきたからだろうか、と思う。

バトル漫画自体は、漫画の中でも間違いなくレッドオーシャンの血で血を洗うジャンルだからねぇ……いや、それを言ったらラブコメもまたレッドオーシャンなのだけれど。ラブコメとバトルの融合も珍しくはないかもしれないが、ラブコメ、バトルのそれぞれ単体と比べればだいぶニッチにはなるし、本作はその融合を高いレベルでまとめているなーと思っていて、意外とそういう作品は少ないものだから、その点で期待していただけに、ちょっと不安ではある。けれどまぁ、新刊出たら追いかけるだろう。

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