『武装少女マキャヴェリズム』全13巻感想:アーマーブレイクした少年少女たちの異様に解説が詳しい剣術バトル漫画ラブコメもあるよ編

2022年13巻にて最終巻、完結。積んでいたのを消化。前回の記事時点は9巻までだったが、その後も読むには読んでいた。

やけに凝った武道のディテールとは裏腹に、登場人物の男女比率は1:9くらいで、女子たちはスカート履いて大暴れだし当然服も破れる(いわゆるアーマーブレイクする)のだが、特にそこは突っ込まれないという不思議な世界観になっている。と思ったけどソシャゲの世界観がこれかもしれない。そういえばFEのソシャゲはアーマーブレイク文化を取り入れていて笑った。

主人公ライバルの男同士の決戦などもあり、(アレな)男の子が好きなハッピーセットといえばそうかも。でも女の印象は実はあまり残っていない。男のほうが個性がわかりやすくて印象に残っている。……のだけれど、これ多分人数が少ないからなんよね。女はたくさんいすぎて、もう誰が誰やら……。

以下全13巻感想。最終刊の表紙は完全にハーレムだが、ヒロイン戦争の勝者は果たして。

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内容

野村無双でみんな平和。以上。

日常ものっぽい終わり

……いや、最後まで読んだものの、正直結局何の話だったのかはよくわからない感じだ。とにかくバトルにバトルを重ねていったものの、何かストーリーの筋らしいものは見えず、その本質は日常ものに近いように思われた。確かにイベントは起きているし、人間関係のわだかまりも解消したりしているのだけれど、それはなんというか、有るべき姿に戻ったという感じで、そして再び始まる物語……というような終わり方をしているので、これはまぁ、本質的に日常ものっぽく感じる。

バトルものとして

バトルものだからでは?と言われるとそれはまぁそうかも。実際アクションの迫力はあるし、やけにディテールまで凝った武道の解説が臨場感を与えている。ただその戦闘の結末は、基本的に想いの強いほうが勝つ精神バトルで、動きのある口喧嘩というか。実質的な最終決戦であった幼馴染み二人のバトルも、結局は殴り合う中で互いの気持ちを理解するという流れだ。しかしそれも幼馴染みの三角関係というベタなやつで、特に思うところはなく。

しかし野村にキスしたあと、野々村に抱きついて大泣きする葵ちゃんはなかなかの悪女だと思った。

ラブコメとして

気になるところとして、最終ヒロインは結局誰なのか問題があるだろう。まぁ、これは大方の予想通りであろうが、鬼瓦輪エンド。ハーレムっぽい構成だったのでハーレムエンドもあり得たが、明らかに一つ上の扱いだったし、最後のvs葵をやりきったし、輪が物語的なヒロインだったのは間違いない。

しかし、正直輪はヒロインとしてのキャラはあまり強いとは言い難かった。葵こそ倒したものの、バトル面では今ひとつだったし、また野村の心の支えになっていたとかそういうわけでもなく、ただ野村についていったという感じだったね。

まぁ輪以外についても、ヒロインの数は多いものの際だって個性的なのはあまりおらず、むしろ同じようなのがわんさか出てくるので誰が誰だかわからなくなったというのが正直なところだ。最後、尊厳王を討ったちっこいあの子は覚えてるけど名前が出てこない……。

一番人気があったのは、ロリ師匠の月夜だったのではなかろうか。

考えるな感じろ

まぁ本作については、何も考えずに頭空っぽにして、アーマーブレイクした少女たちの剣術バトルを愉しみつつ、時々熱き男の血潮でテンション上げるくらいが良い読み方かもしれない。下地としてベタなラブコメもあるので、ラブコメ勢も楽しめる。いや、ラブコメ勢こそ楽しめる、かな。本作はボコボコにされる女の子見て楽しむ漫画の節があるんだけれど、こういう捻くれた性癖持ってるのはラブコメ勢のはず。やけに詳しい武術の解説も相まって、独特の立ち位置にある漫画だとは思う。

でも13巻は少し長かったんじゃないかなと思ってしまうのは、多分野村と輪の関係が微妙な感じだったからだろうなぁ。まぁこれについては野村があまりにも強キャラ過ぎて、輪の出る幕がなかったから、のように思える。心も体も強すぎたよ。

なんにしても全13巻、1巻は2014年なので8年か。こりゃ乙だね。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • この作品メインヒロインとして設定されていたのは輪だったのでしょうが、作中で恋愛的に押しの強かった斬々、戦闘力やキャラの強さとしては和菓子こと月夜が目立ちバトル的にもラブコメ的にも不完全燃焼で終わった感覚がしました。
    バトルも日常もラブコメも全部やろうとしたのが詰め込みすぎて個々の印象がぼやけてしまったような。
    キャラの個性や世界観の設定は好きな作品でした。

    • そうですねー、全部やったけど全部中途半端だった、というのが正直なところかもしれません。
      下地となる世界観もキャラクター始め各要素もそれぞれ魅力的でしたが、マリアージュにはなっていなかったなぁという感じでした。

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