ダーク輝
↑もうこいつが主役でええやろ。靄子の頭の中にだけ存在する弟・ダーク輝。この存在に名前付けたのはマジで素晴らしいからな。以下ネタバレ。
こいつクソ面白いなと思っていた矢先の名付け話
本作は弟が姉に求愛する変態だと思い込んでいる姉・近衛靄子の一人相撲が典型的なパターンなのだが、このワンパターンを磨き続けた挙句、ダーク輝なる存在が生み出されてしまった↓。
クールなイケメンフェイスで、ハイレベルな姉萌え嗜好を読者に魅せつける紳士。いつ頃からかこいつがたびたび顔をだすようになって、こいつ面白すぎんだろ、もうこいつのために続き読むわとまで思い始めた矢先に、彼に「ダーク輝」という名前が授けられ、一話まるまる使ってダーク輝の話がなされた(6巻)。今までで一番おもしろかったねこの話。面白いと思ったネタは即使うとは、さすが漫画家。
ワンパターンでありながらも、視点を変えたり、時には姉ログなのに姉が登場しない話さえあったり、さらには基本的にネタの引き出しが広いこともあって、飽きさせない作りになってるんよなぁ。
ハーレム輝の話は割と重要な分岐
ところでダーク輝が面白かったからなのか、7巻ではハーレム輝なるものが生み出された。輝が難易度激高の姉攻略を諦めて、ついにハーレムルートに行ってしまった!?という靄子姉の妄想である。実際には、輝が靄子の誕生日でサプライズを準備していた、という定番ネタなのだが。
しかしこの話は、さらっとなされたものの、今までの話とは明確に毛色が違う。これまで、何があっても輝の姉萌えを疑わなかった靄子が、ついに輝が自分以外の女に目を向けたと考えたのは、大きな転換点。それでも、大好きな姉の喪失感を埋めるため、と考えるあたりは相変わらずの靄子姉ではあるが。
無自覚な嫉妬、自分から離れることに対する喪失感、どちらかというと共依存的な兄弟もの(特に双子ものに多かろうが)にありがちな話ではあるが、同時にラブコメとしての兄弟ものにはなくてはならない要素だとも思う。
あくまで「姉からの卒業」を悲しんだのが表向きではあるけれど、それだけではない意味もあろう。この話があったことで、靄子姉にもほんのりとラブコメの兆しは見えたかなぁと思った。
でもやっぱり、輝の相手として一番いいのはやっぱり香澄だと思うけどな…でも香澄話はあんまりなかったな…5巻122話の香澄ボーイッシュくらいか…。ね、この二人であんまり話やると、作品が変わっちゃうくらいのラブコメになるのは目に見えてるし、難しいと思うわ。
ところで「妹」はNGワードかとさえ思ったけど、さすがに言葉くらいは出てくるか。でも絶対に妹キャラが登場しない徹底ぶりはさすが!