『天野めぐみはスキだらけ!』1巻感想:王道の幼馴染ラブコメだ

作者・ねこぐち。超・王道な幼馴染もののラブコメ。ガリ勉系男子と体育会系女子。幼馴染ものとしては再会型。成長した幼馴染の健康的エロスが眩しい。

以下感想。

目次

成長した幼馴染の健康的なエロス

一言で言えば、ガリ勉男子と体育会系女子の、幼馴染的恋愛譚。設定自体はまったく目新しさがないが、それは王道だからとも言える。奇をてらわず、ヒロインの健康的なエロスと、幼馴染的なもどかしくも微笑ましい恋愛に照準を合わせたラブコメディである。

主人公・学はガリ勉の東大目指す高校生。東大で会いたい人がいるからって、この設定は何故かラブコメでよく見る。東大受験は受験生という記号を表現するのにうってつけなのだろうし、またそこの理由付けに女の子を絡めるとわかりやすくラブコメになるからなんだろうか。

だが彼が現実に相手をすることになるのは、幼馴染の天野めぐみである。どうやら中学校の三年間で疎遠になった後という、再会型幼馴染である模様。久しぶりにあった幼馴染はしっかりと発育していて、しかし本人にその自覚が無いゆえにその瑞々しいボディを惜しげもなく幼馴染の学に晒す。

ガリ勉で別に想い人がいるとはいえ、やはりそこは健全な男子高校生、幼馴染の自覚なきセックスアピールに悶々とした日々を送り、勉強にも身が入らず、成績も落ちるのであった……。

ええやん。勉強なんていくらでも取り戻せるけど、放課後に幼馴染の健康的なエロスを楽しめるのは今だけのプライスレスだよ。ってーかね、ガリ勉なんてしても碌なことないしね。ぶっちゃけ成績もそこまで上がらない。そのことは、要領よく勉強をしてより成績が高い同級生が何人か描写されていることから、自覚的に描かれているようだ。めぐみとのやりとりは、長期的には学の勉学にも良い影響を及ぼすだろう。

恋愛的には女→男

もちろんめぐみは単にガードが緩い女子というわけではなく、幼馴染で気を許している学の前だからこそ、ありのままの自分でいられるというなにそれ幼馴染万歳。幼馴染ものとしての定番をついてくるのが嬉しい↓。

ねこぐち, 天野めぐみはスキだらけ!, 第1巻
ねこぐち, 天野めぐみはスキだらけ!, 第1巻

無邪気に昔からのあだ名を呼び合うのもいいけれど、子供時代の呼び名を照れるってのも王道でいいよな。その場合、照れるほうが相手を異性として意識しているということになり、この場合は学がそうなる。一方でめぐみはまだ子供時代の頃の感覚を残したままだ。

ちょっとひねているのは、こういう場合照れるほうが恋愛的にも相手のことを意識しているものだが、この幼馴染の場合、学はめぐみを異性として意識こそしているものの、想い人は別にいる。一方、めぐみは昔からの延長、あくまで幼馴染として学に接しながら、その実恋愛的にも意識しているようで、学に想い人がいることや、学が異性と接することを面白く思わない。

これはつまり、めぐみは子供の時から学のことを想っていたものと思われる。天真爛漫そうに見えて、けっこうませた子供だったのか。なので、その態度こそ昔から変わらないものの、恋心もまた変わらず保持し続けている。どうも、そういう関係のようだ。

それでいながら、昔と今の対比もしっかりと描かれる↓。

ねこぐち, 天野めぐみはスキだらけ!, 第1巻
ねこぐち, 天野めぐみはスキだらけ!, 第1巻

成長期のズレから、男女の身長の逆転は外せないね。変わる身体と、変わらぬ気持ち、幼馴染ものの醍醐味の一つですな。

恋愛的には今のところめぐみ→学ではあるけれど、学もまためぐみのことを憎からず想っているのは明白。久々に王道に王道を行くラブコメであった。いいね。2巻以降、関係が深まることを期待。

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