『とっても優しいあまえちゃん』感想:とんでもないものを読んでしまった

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ちると, とっても優しいあまえちゃん 1, 2017

どれだけの闇を抱えたら、これだけのものが描けるようになるのだろう……。いや、闇は多かれ少なかれ皆がもっているものだけれど、闇を恐れることなく真正面から向き合っているのがすごいわ。

女子小学生のやたらでかい胸に、半ニートのおにーさんが「あまえちゃん好きーーーー」って顔を埋める事案漫画。マジでそれだけ。それだけで全4巻。いわゆるバブみというやつ……。

最初に読んだ時めっちゃ笑ったんだけれど、読んでいるうちにちょっと怖くなった作品。しかし全巻読んだ。特に最初のほうは、ものすごいパワーを感じる。以下全4巻感想。

目次

これはまた深淵

最初読んだとき、あまりの欲望全開ぶりに驚嘆した。漫画家を目指すニートのおにーさんを、無条件でえらいえらいとなでなでして、甘やかせる女子小学生……完全に事案(作中でも突っ込まれている)。

しかも、その女子小学生ことあまえちゃん、やたらと胸が大きい。不自然なほどに強調された胸を、おいでおいでしておにーさんに押し付ける。おにーさんが駄目な姿を晒せば晒すほど、恍惚として甘やかせるので、まぁこの子はそういう性癖なのだろう。

もちろんこんな女子小学生はいるはずがないので、これはなにかしらの浪漫なんだが……。

ラブコメに入るのかなぁ……うーん……

これがラブコメだったらね。ラブコメ浪漫だなーって思うけれど。これ、ラブコメなんだろうか。一応男女ではある。で、結婚というワードも出てくるし(「5秒で入籍したくなる〜〜〜」)、まぁそういう関係なんだろう。

うーん、しかしなぁ。なんだかなぁ。違うような気がする。まぁここのところは人によって見解が異なりそうではあるけれど……。おにーさん、昔のギャルゲー主人公みたいに目隠しされているし、自己投影…いやもはや自己没入型だよねぇ。まぁそうだよねぇ。

ここで描かれているのは、「こういう子がいて、それに対して思う存分甘えたい」という欲求であって、関係性を描いているわけではないんだよな。まぁ人間が2人以上でているから、結果的には何かしらの関係性は描かれるのだけれど、それ自体が主題ではない。

ということで、ラブコメではない。まぁそういう風に売られているわけでもないし、実際それを求めて読んでいる人もいなかろうなぁ。

多分、全4巻読むのに1時間かからないと思う。読むというより眺めるような作品

でも、妙にパワーあるんだよな。でないと全巻は読めない。特に初期のパワーは本当にものすごくて、読みながら、ぎょっとした、という形容がこれ以上ない相応しい自分を見た。

色々と精神削りながら描いたのではなかろうか。お疲れ様でした。

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