作・長岡太一。長岡太一……あー……なんか昔汚い絶対霊域描いてた……。バカエロなんだけど色々と微妙に行きすぎている感じがあり、それにもかかわらずラブコメの波動を感じさせた、個人的に惜しいなぁという人だった。次はなんか雑な百合っぽい方向に行っててうーん、と思ったんだけれど、またラブコメ描いてたのか……。
本作は2020年1巻ながら、今なお続き、けっこうな巻数が出ているようだ。時代が作者に追いついたのか、作者が時代に適合したのか、なんだか妙に感慨深い。20年代女子の理想型かもしれないね。
以下1巻感想。含蓄のない言い方をすると、オタクにやさしいギャルのフレームワークか。
絵より文字列で思い出す
本作はけっこう前からAmazonからレコメンドされていたので存在は知っていた。なのだが、作者さんが誰かは知らず、読み始めて長岡太一という文字列を見た瞬間に強烈に思い出した。
あー……あの作品の人か……。まぁさすがにだいぶ前の作品なので絵が変わっているのはあるにしても、絵を見て思い出さないのに文字列で思い出すのは、その昔、人の顔を見ても誰か思い出せなかったが電話番号(電話がコミュニケーション手段だった時代)を見た瞬間に思い出せた頃から、俺の認知特性は変わっていないらしい。ビジュアルよりも圧倒的に文字なんよな、俺の認知特性。そんな俺が漫画の感想ブログなんかやってるのは謎ではある。いや、むしろだからなのか……。
今の時代に合っているのか
まぁそれはいいとして、魂魂ハラスメントは男女CPの構成ではあるのだけれど、正直まぁ色々とバランス悪いところがあったんだが、個人的にはラブコメの可能性を感じた作品でもあった。ちなみにここらへんバランス良いのが、変態男女CPを描かせると強い吉辺あくろで、魂魂ハラスメントは汚い絶対☆霊域という感想である。
その後は百合の方向に行っちゃったのかなぁと思っていたのだが、またこうして男女ツーマンセルのラブコメを描いてしかも続いていることがわかって、なんとなく感じ入るところがある。
当時よりもギャグが抑制され、なんだか真っ当にラブコメしている。だが女子の気勢強めなのは変わらず、このスタンスは混沌の20年代にマッチしているかもしれないなぁ、なんてことを思った。
ちょっと強く出られるくらいでちょうどいい。そうして引っ張ってくれるほうがありがたい。なんか頑張って守る必要もなさそうだし。ぱしられても睨まれても、俺の部屋で俺だけにパンツ見せてくれるならそれでいい。そんな感じ。
男女論めいてしまってアレなんだけれど、今は昔に比べて男が男やるの難しい時代になったよなと思う。社会的情勢の中では男らしいとされてきたものが否定されがちなんだが、しかし実は現実的に今なお求められていたりもする。俺が学生の時も既にそんな感じではあったけれど、今はもっとそうだなと思う。まぁ歳取ると世間の本音と建て前みたいなのも身に染みてわかってくるし、何より色恋から身を引くwのもあって、もはやどうでもよく、冷めた目で見ているのだけれど、真面目な青少年は混乱しているんじゃなかろうか。
阿久津さんはそんな悩める青少年にとって理想型の女子ともいえる。まぁにべもなく言えばオタクにやさしいギャル。正直本作を読んでいてもヒロインの阿久津が主人公の大山のどこを気に入ったのかよくわからないし、大山自身も阿久津に気に入られる理由がわからないので、振り回され卑屈にもなるんだが、まぁ正直その理由はどうでもいいし、たとえ説明されても納得感は少なそうだけど、まぁ別に、と思う程度には心地よい夢。
この後変わるのだろうか
なんか全体的に身も蓋もない感想になってしまったが、本作はだいぶ長く続いているようなので、話が進むとまた違う展開になったりするんだろうか、という期待もある。2巻以降も引き続き読みたい。
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