『阿波連さんははかれない』7-8巻感想:ラブコメという宴の後に

6巻があはれのピークでこっから先どうなるんだろうかと思ったが、ラブコメ漫画で時々ある、ラブコメという宴の後が始まる感じで、この漫画でそうなるのはちょっと意外だった。ただ面白いかと言われると微妙でもあった。

以下7-8巻。

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峠を越えた

多くのラブコメは、良くも悪くも付き合うところが一つのピークになる。なので、そのピークで終わる作品は少なくない……というよりそのほうが多いと思う。なんなら付き合うという結論の手前で終わるものすら多い。本作は6巻のキスシーンが実質的な告白でありピークだった。この7巻以降は6巻までとはフェーズが異なる。

変女なんかは付き合ってからさらにまた別の山を目指す感じだが、本作の場合はラブコメとはまた別の方向に向かっているような感じだ。まぁ告白後がある作品はだいたいそうかもしれない。いつまでもラブラブしてても仕方ないからね。いやそんなことないけどな……。

いやまぁラブラブしてはいるんだけれど、本作の場合は付き合っているわけでもない二人のゼロ距離が面白かったので、本当に付き合ってしまうとただのバカップルだなぁと。いやそれでもいいかもしれないし、実際阿波連さんはだいぶ変わっているのだが……ライドウのほうがあまり変わっていない。ここが問題かもしれない。現時点で適切な距離感はかれてないのお前のほうだろ、という感じがする。

祝福されていない気がする

あとやや妙な感じがするのは、この幸福なカップルを素直に祝福している人があまりいないことだろう。嬉しがっているのは阿波連さんの弟くらいじゃなかろうか。後はみんななにか含みがある感じで、今となってはそちらのほうが目立つ。ライドウと阿波連さんがとりあえず学生としてはいくところまでいったので、後は彼ら彼女らの心の整理のほうが目を引く……のだけれど、正直そこにはあまり関心がない。

あはれ女は登場時は面白かったがさすがに何度もやられると食傷気味でもある。羽子板回など、妨害(というほどのものでもないけれど)に入るのはカプ厨っぽいことを思うと新鮮といえば新鮮かもしれないんだが、カプ厨キャラとしてはやってはいけないことでもあるので、別のタイプと捉えなくてはいけないかもしれなんだが、そうするといったいなんなんだコイツはという気持ちにもなる。

俺がはかれてない

ということで、6巻ではこれがあるからラブコメは良いと思ったにもかかわらず、この7,8巻は急速に冷めた感じが否めない。まぁ俺が本作との距離をはかれていない、ということなのかもしれない。これは珍しいことではなく、かぐや様なんかも中盤以降はちょっと……という人は多かろう。実際ラブコメとしては一段落ついたように思えるし。

ただ本作は全17巻完結らしいので、全体の中ではまだ中盤ということになる。正直6巻のピークを越えることはもはやなさそうだし、うーんという感じしなくもないが、まぁ気が向いたらまたどこかで続きを読めればと思う。

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