本サイトで取り上げた作品から、いくつかの作品をピックアップして紹介するまとめ記事。今回のテーマは「ヒロインが変態なラブコメ漫画」。ヒロインの頭のおかしい性的な行動に振り回されたい人向け。
定義
変態って意味が広いけれど、ここでは以下のような性質を指すことにする。
- 性、あるいは性を想起するものに対する異常に強い関心
- 関心が行動に反映されている
- 関心の方向性が斜め上
- ヤンデレではない
まず性に対する強烈な関心は当たり前として、それが妄想だけにとどまらず現実にも反映されていることは前提。それでいてかつ、方向性が斜め上であること。いやこれ、方向がストレートだったらただのエロいヒロインだからね。そうではなくて、フェティシズムを感じさせる何かが求められる。
あといわゆるヤンデレキャラには、少なからず変態的な行動が見受けられるけど、ヤンデレはダメ。アレはどっちかっていうと、好き過ぎて変態行為も辞さない、という感じなので、ちょっと違う。ここで求めているのは、元々の性格が変態的であることで、相手の男を好き過ぎるかどうかはあまり重要ではない(でもだいたい好き過ぎるんだけど)。だから未来日記のあの人とかは除外です。変態的だけどじゃあ変態ヒロインかっていうとちょっと違う感じするしね。それはやっぱりそういうことなんだと思う。
以上の性質をもったヒロインがメインであるものを、ヒロインが変態なラブコメとする。メインで。サブヒロインにそれっぽいのがいる、じゃダメで。
オススメ5選
いってみよー。
此ノ木よしる / 変女〜変な女子高生 甘栗千子〜
トップバッターは此ノ木よしるの変女で。男性器や生理現象、自慰など性的な言葉を公共の場で躊躇わず発する、ある種の理想的な女子。マスターベーションしてました宣言など、一度受けてみたいね。ただし、貞操観念がないわけではない。むしろある。ただ、性的なことに対する感性がずれている、というべき。フェチに対する理解はあるが、当人のフェチ度自体は案外低い。
また、面白いのは主人公と恋仲になりそうな感じであるところ。変態でありながら、かなり純情な恋愛をする。変態と純愛の組み合わせはおいしい。
チ○コに興味津々な変態女を愛でる『変女〜変な女子高生 甘栗千子〜』 – 少年は少女に出会う
珠月まや / デイト・ア・オリガミ
ライトノベルであるデート・ア・ライブ(原作:橘公司, キャラクター原案:つなこ)のヒロイン、鳶一折紙をメインに据えたスピンオフなコミカライズ。奇行ぶりは随一で、盗撮、追跡系のストーカーにして、想い人五河士道の持ち物で興奮するフェチ女であり、隙あらば肉体関係を結ぼうと画策し、ライバル女子に対しては物理的攻撃による排除も辞さず、自分は彼女だと思い込んでいる、字面にすると恐怖しかない最強の変態ヒロイン。
が、原作がラノベで、かつハーレムもので、ヒロインの一人でしかないこと、本コミカライズでも、メインヒロインは折紙とはいえ他ヒロインも多く出てハーレム系の色も濃いことなどが、本まとめ的には大きな減点。しかし単体で取り上げるなら、恐らくトップ(なんのだ)を狙える一人。2巻出て下さい…。
恋する変態少女の純愛日記『デイト・ア・オリガミ』 – 少年は少女に出会う
松本ナミル / 僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件
タイトルは最低だが内容は素晴らしい。ヒロインはクソ真面目な耳年増。性的なものに対する感度の鈍さと、好奇心と関心の強さにギャップがありすぎる故に誕生した変態ヒロイン。彼氏が出来たのでまず四十八手を暗記しよう、というところが端的にこのヒロインを表している。四十八手という昔ながらの体位、それを「暗記」する、勉強なの?と言いたくなるが、実際彼女にとってそれは「勉強」なのだろう。主人公の男は没個性気味であるが、この手のはヒロインを受け切るということが主人公にもっとも求められることではあるので、よいか。
健全に不健全なカップル系ラブコメ『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』 – 少年は少女に出会う
谷川ニコ / ちょく!
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」でブレイクした谷川ニコのラブコメ。美少年大好きなヒロインが顔以外いいところないさんな主人公を追っかけ回す、一般的なラブコメにおける男女の役割が逆転したような構成。その結果、やたら変態的なヒロインになってしまった。が、これが案外、真っ当にラブコメしている。カップルもののやや異色なラブコメとして十分楽しめる。全4巻と読みやすい長さなのもポイント。関係ないけどおまけの読み切りが谷川ニコらしくて面白かった。「僕、ラブコメ描きます。リアルじゃないやつ」
谷川ニコの意外と真っ当なラブコメ『ちょく!』 – 少年は少女に出会う
くろせ / ももくり
少女漫画ベースだが、内容的には男も楽しめる、ウブで小動物なカレシとストーカー系カノジョの恋愛物語。ヒロインは彼のすべてを知りたい盗撮系ストーカー女子。彼のストローを集めたり、身の回りのものをお持ち帰りするフェチっぷりもあわせて、可愛く描かれているがその実体は紛うことなき変態。しかも、変態でありながら女子らしい計算高さを持ちあわせており、彼の好きなものをあらかじめリサーチして、さも自分が理想の女子であるかのように振る舞う一面も。男も女に夢見るお年頃なのか、さらにその奇行を目の当たりにしても、良い方向に解釈して「可愛い」「優しい」とさえ思う救えなさ。ベタベタなカップルものでありながら、果たして祝福していいのかどうか悩ましくもあるが、でも仲良くやっているようなので、これはこれでいいのかもしれない不思議なカップル。
『ももくり』EP.1-50感想:変態ストーカー女と小動物系カレシのいちゃコメやと… – 少年は少女に出会う
雑感
主にフェチ系と感性ずれてる系に分かれた気がする。感性ずれてる系は、本質的には実は変態ではないかもしれんとも思う。想い人の所持品に興奮するかどうかが分かれ目だろうか。どれもカップルものなのは、そうでないとマジで笑えないからだろうか。鳶一折紙も、彼女だと思い込んでからの奇行が特に激しい。
人を選ぶんだろう。まとめはまず候補作品のリストを作って、そこからいいかなと思うものを絞るわけだけれど、このテーマの場合まず候補作品自体があまりなかった。うーん。やっぱりメインヒロインが変態っていうのは、ラブコメとしてはニッチなんだなぁ。
本サイトにおける関連タグとして、フェチがあります。それっぽい作品に関する記事のタグなので、よければどうぞ。
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