2024年に読んで印象深かったラブコメ漫画

今年はやります年間振り返り記事。5年ぶりです。今年一年の記事を振り返っていきます。年単位で半休止状態だったところから突然復活した当サイト、多分今年分は243記事かな……。

このサイトで2024年に取り上げたもの、であって2024年の作品というわけではないです。これはいつものことなんですが。まぁ一応このサイトも今の時代の中で生きているので、時勢はそれなりに反映していると思います。

目次

前回記事

5年前でございます。この年間まとめ記事は大量のエネルギーを使うので……2020年から2023年はできなったわけです。っていうか2022年くらいからはもうまとめどころではなく半休止状態でしたからねぇ……。

2019年はその3までやってるよすごい。あの頃はそんだけやるエネルギーがあったんだなぁ。まぁアクセスも今の20倍くらいはあったはずですが……。サイト自体は今の方がしっかりしていると思う反面、記事の一つ一つを見ると、あの頃のほうが熱っぽかった気はします。

当時は「幸せになれた」らしいですが、今は「幸せになれた」までハードルあげちゃうとほぼ書けなくなってしまいます。まぁ当時もレトリックとして幸せという言葉を使っているだけではあるんですけれど、最近は「幸せ」だから良いというものでもないだろうと感じるところもあり、まぁ以前よりさらにめんどくさい人間になったのかもしれません。

結果としてタイトルが「印象深かった」という印象に残らない言葉に成り下がっているのは、もうちょっとどうにかしたいところですが、考えていたら今年が終わってしまうので決行。Done better than Perfect……。

結果発表

アジェンダ

ということで見ていくわけですが、以下の項目にわけます。

  • カップリング部門
  • ハーレム部門
  • あつまれ!闇のヒロインズ
  • 【番外】ラブコメじゃなくても
  • 個人的に刺さった
  • 総合優勝・最推し

総合優勝と云っても僕が勝手に決めているいるだけなんですが、この見出しだけで何かわかった人はサイトを引き継いでくださいお願いします。いーやボケるまでやる。

多分このサイトを見てくれている人なら、途中くらいでわかるのではないかな……。

カップリング部門

個人的になんだかんだで一番良いのはカップル系のいちゃラブなんです。

いきなり2024年感をかけらも感じさせない5年前の作品取り上げますが、この阿波連さんははかれないの6巻はとてもよかった。本作は清き流れの水あさとだった。7巻は微妙だった。

まぁラブコメは付き合うまでとそれ以後で風景がガラッと変わるんだけれど、どうしても付き合うところがピークになってしまいがちなのは仕方ないですね。あのかぐや様でさえ……あ……そういえば結局積んだままだ……。

お次はこちら、社会人系歳の差ラブコメ会話劇。会話劇部門とさらに細分化するなら、今年一番でした。まぁこれも2022年なんですが……まぁ2022年はこのサイト死んでましたから。言うて2巻未だ読んでいないのだけれど、これは続きをいずれ読む気でいます。

最近は20代以上のラブコメが増えてきたように思われます。あらゆる年齢層が上がっているんでしょうねぇ……。

最後にこれ。2024年作品ですやったね。36歳ラブコメは衝撃的です。ラブロマンスじゃないです、ラブコメです。ぜんとるまんみーつれでー……。ヒロインが初めてじゃないかどうかもう誰も気にしない。ってかこの年齢になるとsexすらコミュニケーションの一手段という感じです。そういう意味では、ラブコメの精神的な真髄だけが味わえなくもないというか、まぁ魚の骨だけ残っている感じというほうがいいかもしれません。しゃぶりつくせ。

ハーレム部門

みんな大好きハーレム系。ハーレムものほど年齢で見え方が変わってくるものもないように思います。

本サイトは割と唐突に再開したわけですが、その立役者となったのが本作です。なぜなのか、今思い返してもよくわからない。本作も終わってしまったようですが、安心して楽しめるセンスよくまとめられたほどよいハーレム系ラブコメ漫画じゃないでしょうか。本作は、典型的なハーレムラブコメの形だと思います。

一方で滅茶苦茶やりよるなコイツと妙に感心させられたのがこの100カノです。ラブコメの呪いから解き放たれていると思う一方、これはラブコメなのか?とも思わされました。本作はハーレム系の中でも異色で、従来のラブコメ的な観点からだと受け入れがたい面がある一方で、あのハーレム作品こそこれをやるべきだったとも思わされるところがあります。本作の一番重要なポイントは、100人に好かれることよりも、100人を好きになることでしょう。ぼくにはとてもできない。

何度か取り上げていますが、本作と対となる考え方でハーレムエンドをまっとうしたのが、さよなら絶望先生の別解エンドだと思います。

本作は入れるか悩ましかったのですが、作品として魅力的ですし、なにより個人的にハーレムものとして面白いと思う点があるのであげます。

ストーリーものの中で主人公が複数ヒロインと密な関係を結ぶタイプとしてみると、これも一つの典型なわけですけれど、本作の場合は一つ大きな特徴があります。それはヒロインズよりも主人公が目立っている、感情移入の先になっていることです。

多くのラブコメでCP戦争が起きるのは、特に複数ヒロインでそれぞれに入れ込む人がいるからというパターンが多いのですけれど、本作の読者は恐らく主人公に幸せになってほしいと願っているのではないでしょうか。まず主人公が幸せになってほしい、そのためならヒロインは誰でもいいと思わせる感じが、特筆すべき点だと思います。

最後にハーレム系として、よわよわ先生をあげます。これはまぁ……エロイナエロイデスで、4巻くらいまでだとマジでそれしか言うことがないのですけれど、最新話まで追っていくと、けっこうちゃんとラブコメしているんですよねぇ…….。正ヒロインほぼ確定の中で、軽めの修羅場・三角関係がある、ふしぎ研究部とは別タイプの一つの典型だと思います。

あつまれ!闇のヒロインズ

次は闇属性強めのヒロインズで集めました。なんか知らんが当サイトでPV多い作品でもある。

非常に珍しいクズ系ヒロイン(31)。クズなのに異様に魅力的で、その様は伊藤カイジを思わせます。実際、男に生まれてたらエスポワール不可避だと思うよこの人。しかし、クズなんだけど同時にヒーローでもある。そんなヒロイン。やはりカイジじゃないか……。

でも考えてみると、本質的にクズ属性もちのヒロインってそれなりにいる気はしました。谷川ニコの作品とかだいたいそうですが。ただ、若い女の子だとクズと見做されないだけなのかなと。31という現実世界を生きる年齢だからこそ、クズ属性が付与されるのかもしれません。男も女も30超えたら現実だよ。

印象深さだけで言えばトップかもしれない闇のてんとう蟲コミックス。まさかのヒロイン・スライムとかいうDLsiteの谷底みたいなジャンルをコロコロでやっているところを評価。というよりコロコロだからこそできたのかもしれない。スライムは一応……ホビーだから……。

本作の罪深さは、一見すると愉快なラブコメに見えるところです。実際、たとえばうちの母などが読んでも、「楽しい漫画だね」くらいの印象じゃないでしょうか。見える人にだけ闇が見える

可哀想はかわいいを地でいく作者・ぜろよんが商業で展開するタイトル詐欺の残念なメスガキラブコメ。さすがに商業で人死にとか欠損は出ないと思われるので安心できる。またシリーズものなので、一発逆NTRみたいなこともないはず。

【番外】ラブコメじゃなくても

ラブコメと言えるかどうかは微妙なところだけれど、当サイトの範囲内にあるような気がする作品。

ファンタジー世界の風俗事情というマニアックな切り口なのだけれど、読んでいてやけにノスタルジーを感じる。昔ゲームブックを読んでいたときのような没入感があった。正しさなどない本当の多様性を教えてくれる。自分の限界も教えてくれる。僕はマイマイは無理です😡

これはラブコメなんですけれど、なんかもうラブとかコメとか言ってる場合じゃないんだよという闇の性癖漫画。ノリ自体は下品なコロコロではあるんだが、取り上げられているネタ幅広くかつ深い教養を求められます。搾精生物って一般誌に出していいんだ……。

つくづく自分は会話劇が好きなんだなぁと思うわけですが、本作はその表紙とは裏腹に、「オレと邪神」のほうがメインで魔法使いの女の子のほうは割とどうでもよさげです。また濃いめのオタトークが延々と続く感じなので、1,2巻くらいでもうお腹いっぱいかもしれません。ヒロインは束縛系ロリなので好きな人は好きでしょう。

巨大化ネタをひたすら食い荒らしていく進撃の性癖爆発漫画。今後巨大化ものはすべてこの作品と比べられるんだろうなぁ。

ラブコメの観点だと、巨大化とラブコメの相性はどうにも悪そう、という点に一考の余地があります。

刺さった

ただただ個人的に刺さった作品。

本サイトに来てくれている人ならば想像ついただろうか……。本作は幼なじみ固定CPの男女の会話劇をベースに、様々な属性をもった登場人物を丁寧に描き、関係を膨らませていく作品で、そういう意味では田中くんはいつもけだるげなんかもそうだった。ただけっこう教養は求められる

結局俺が好きなのはこういうやつなんだよな、っていう。正直今年一番気に入った作品なんだけれど、あくまで俺に刺さりまくったという話で、かぐや様のような万人に訴えかける作品ではない、というのも事実だと思います。

でも俺は好き。というか実際そのように想像されてオススメしていただきました。性癖がわかられている。

当サイトの最推し

ということで色々なことを考えて、当サイトの最推し、総合優勝は俺たちのパイセンこと「のあ先輩はともだち。」でございます。

闇のヒロインにいなかった時点でわかった人もいたでしょうか……。令和のメンヘラモンスターのあ先輩。それは誰よりも繋がりを求める自己愛の化身

当サイトの中でも長めの記事になっていますが、それでもなおのあ先輩についてはだいぶ書き足りてない感じがあります。1話ごとに記事書けると思います。それくらい解釈させるところが多い謎のヒロインです。理人は天使です。

この作品は、どこまでものあ先輩の「ともだち。」という独特の距離感について語るものだと思いますが、自分は記事で以下のように書きました。

のあ先輩の持つ距離感って超インファイトのそれしかないんだけれど、ぴったりくる名前がちょっと思い浮かばない。漫画だと双子系のキャラクターでよくあるような、片割れを自身と一体化させたような距離感に近いだろうか。

『のあ先輩はともだち。』4巻感想:のあ先輩(27)は年下で部下の理人にゼロ距離の胸丸出しで重めに迫るけどそれ以上はしないしでも一緒に住みたいし理人が結婚しても嫁より自分を一番にしてくれないと絶対イヤなともだち。 | 少年は少女に出会う

のあ先輩の距離感について、ぴったりくる名前がちょっと思い浮かばないと書いてますが、今こうしてふりかえると、恐らくその直後にある「一体化」がそれですのあ先輩、距離感ゼロっていうより、距離感ゼロ次元なんです。のあ先輩の距離感は点なんです。

のあ先輩は、理人に自分と一体化することを迫っているんです

彼女こそ真のスライム娘。やっぱりモンスターじゃないか。

ラブコメ今昔

ラブコメ漫画ばかり取り上げてきた本サイトですが、今が一番ジャンルとして多種多様な花が開いているように思われます。カップリング的な作品はもちろんありますし、ラブコメと聞いて一般的に真っ先に思い浮かべられるかもしれないハーレムものも、定番の100%な関係性からかなり思い切ったものまで様々。属性についても今や負け属性などと単純に言えるものはなく、あらゆる立場のあらゆる関係に可能性が開かれているようです。一方で、ニッチな性癖を追求する漫画も増えました。

個人的には、特にカップリング系統のラブコメで、ヒロインの高年齢化が面白いように思われます。単に僕が歳を取ったということ以上に、真面目なラブロマンスではなく、ラブコメ作品として魅力的な20代30代のジェントルマンミーツレディーな作品が増えているのではないかなぁ。

ハーレム系統だと、男性主人公の心情の重視がよく見られるようになったなぁと思います。その選択は、誰が一番好きという単純な気持ちを超えており、もはや可愛いがヒロインがいっぱいというだけではない、関係性の面白さがあるのではないでしょうか。

あとニッチ性癖作品が増えまくっているのは絶対気のせいじゃないと思うんですが、これは多分、Web連載だからなんでしょうねぇ。コストが紙面より低いとか、あと人目のつかなさとかね。

文化には常に時勢が反映されるもので、長く続けていると、そういう変化を楽しめるのもまた乙なものです。

今年もお世話になりました

ということで、本サイトのふりかえりを終わりとうございます。

なんとかかんとか、こうしてまた年間まとめ記事ができる程度には復活を遂げた当サイトですが、またいつぞや書けなくなるともしれません。やれる間にやっておきたいと思います。

時勢といえば、Google検索を始めとする、検索エンジンの個人サイト排斥の流れはますます加速し、当サイトは更新停止していた時期よりもさらにアクセスを大幅に減らす憂き目にあっています。これは当サイトだけではなく、ほぼすべての個人ブログ・個人サイトがそのような状況かと思われます。

しかしその結果として、このサイトを目当てに訪れてくださる方もいることがわかりました。長い半休止状態があったにも関わらず、有り難いことです。

このサイトを開設して、2025年1月でちょうど9年となります。色々難しい世の中ですが、10周年は迎えたいなぁと思います。

本年はお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • あけましておめでとうございます。僕の推した作品がいくつか入っていて、推した身としては嬉しいですね。尖った作品ばかりな気もしますがw
    読み応えがあって自分の知らない作品を知れるサイトは貴重なので、今年も期待しております。
    そういえば僕がこのサイト知ったきっかけですが、確か数年前に長瀞さんか甘々と稲妻の感想を漁ってて検索からたまたま見つけたような気がしますね。参考までに。
    では今年もよろしくお願いします。

    • あけましておめでとうございます。
      実際紹介いただいた作品が多く、情報いただけるのは自分も有り難い限りです。
      おかげで延命できているのかなぁとも思います。
      そして言われて長瀞さんと甘々と稲妻を積んでることを思い出しました。特に甘々と稲妻は最終巻まであるのに。
      やはりほぼ検索でたまたま辿り着かれた方のうち、何度か足を運んできていただけている人もいるという感じなんでしょうね。
      検索切れちゃったので、なんとかしないとなぁと思いつつ、今年もよろしくお願いします。

  • 明けましておめでとうございます。
    こうして見ると実に色々な作品がありますが、たまさんの仰る様にニッチ化してると感じます。
    昔から変わり種自体はあったものの、商業的なハードルの低いWeb連載で、6~10巻続く長期連載が確実に増えた印象です。
    しかし本サイトのお蔭で、特にそうしたWeb連載の作品を知る機会ができ、楽しませてもらっております。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    • あけましておめでとうございます。
      そういえばこの記事だと残念ながらそういうニッチな作品は取り上げづらかったですね。
      個人的にはそういう作品にこそ光を当てたいところですが。
      前にその3まで作っていたのは、ニッチ系のものを拾おうとしてハードル下げていたのかなぁと今にして思いました。

      僕自身教えてもらえて色々な作品を知ることができました。少しでも皆さんに作品との出会いの場を提供できれば幸いです。
      昨年に続き、本年もよろしくお願い致します。

  • 今年も丁寧な作品レビューの数々をありがとうございました。
    オススメさせて頂いた作品も沢山読んでくださり感謝致します。
    ヒロインの多様性も最近はどんどん広がり、それに伴って毎日の様に増えていく作品達。
    連載を追いかけて行くだけでも大変なご時世ですが、マイペースで来年以降もぜひよろしくお願いいたします。

    • 昨年はたいへんお世話になりました。
      こちらこそ、のあ先輩はじめ、色々な作品をオススメいただきありがとうございます。
      この記事をふりかえると、7,8割くらいの作品が紹介されたものなんですよね。
      おかげさまで、このサイトもWebの端っこで時の流れを多少なりとも感じられているようです。
      今年もよろしくお願い致します。

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